
(株)フレッシュネス 代表取締役 栗原 幹雄 氏
加盟希望者が減っちゃう?
インタビュー終了後、「このビデオ見たら加盟したくなくなっちゃうだろうなー、でもそれで良いんですよ、何でも正直に話して、それでやってもらうのがいいんですよね。」という言葉が栗原氏の口をついて出てきた。
実際、インタビューは全てスムーズ。質問したことについては一言もよどむことなく答えてもらった。
上記発言の真意は、もう少し自チェーンのアピールをしておくべきだったということなのかも知れない。
ともすると、栗原社長の回答は話題がついつい商品や店舗などに移ってしまうのだ。
弊社としては限られた時間内でフランチャイズについての質問に集中したかったのだが、栗原氏の発言は商品への思いにつながっていってしまうようなのだ。
恐らく、フランチャイズという手法や仕組みよりも、自社が提供している商品やサービスについての愛情や思い入れが強いため、ついついそちらに話題が移ってしまうのだろう。
しかし、それこそが弊社としては目指すところだ。このフランチャイズCEOレポートは本部代表者の個性を感じ取ってもらうのが目的だ。
数字に関しては、本部情報を参考にしてもらうとして、加盟に関して最も大切な要素である本部代表者の個性は動画を見てもらい、そこで加盟希望者自身がそれぞれで感じ取ってもらうのが一番良いと考えている。
話している内容は何であれ、そこには個性が表れ、その個性が本部を引っ張っていっているのは間違いないのだから。
多くの実績からくる静かだがにこやかでユーモアに富んだ語り口には確実にファンは増えるだろうなと感じられた。
栗原氏のフランチャイズ観
さて、栗原社長とフランチャイズの関係は長い。ほっかほっか亭の創業に参画し、フランチャイズという手法を用いることで、持ち帰り弁当という業態を世の中に認知させてしまった中心人物だと言っていい。
この急速な拡大はコンビニエンスストアもそうだが、フランチャイズという手法を利用しなかったら不可能だったはずだ。栗原氏はフランチャイズという手法を巧みに利用した人物と言い変えても良いかもしれない。
その同氏が新たにハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」を41才になって立ち上げたわけだが、そこには当然のように直営店と並んでFC店も存在している。
栗原氏の経歴からして”当然”のようだが、果たして、栗原氏の中ではどうもそうではないようなのだ。フランチャイズ店が当然のように存在しているわけではない。
『面白いことをとことんやれば、「起業」は、必ずうまくいく。』(出版元:アスペクト)という著書の中で、「…といってもこのオリジナリティという言葉はとらえどころがなくて難しい。
ことにフレッシュネスが採用しているフランチャイズというのは本質的なところで、大勢の人に来てもらおう、多数を取り込もうという戦略だから、矛盾をしている戦略とも言えるからだ。」というような一文がある。やはり個性化とフランチャイズ化とは相反するところがあるのだ。
フランチャイズで展開する限り、大勢の人に来てもらわなければダメで、かといって万人受けをするような作りにしてしまうと個性はなくなってしまうのだから、これは難しい問題だ。
それを解決する方法は、理念の共有であり、商品のPB化であり、店舗設計に秘密が隠されているが、それらはムービーを参照いただきたい。
「フランチャイズは、やりませんかってこっちから言っちゃ絶対駄目なんですよね。誘っちゃ駄目なんです。」という発言は、自らが数多くの加盟店を開発してきた経験が言わせているのだろう。全ての加盟希望者がウェルカムではない。そこにヴァリアを施し、フィルターを設置し、これを通り抜けてきた加盟店に対してだけ門戸を開くことでオリジナリティを守っているのではないだろうかと思える。自らが、宗教的な意味ではなく一種の伝道師であるということも発言しているが、そうやって考えを伝え、それに共鳴してくれる方々のみで構成されたフランチャイズゆえにオリジナリティが守っていけるのだろう。
「フランチャイズはあくまで手法なんです。」ここに栗原氏のフランチャイズ観は集約されている。
伝道者のように
では、そのフランチャイズ観はどのように加盟店に伝えられているのだろうか。ヒントは前掲の著書に隠されている。
”Kurihara's Notebook”として栗原氏のアイデアや理念をスケッチしたような図面が同書には挟まれている。
出身が建築学科ということも関係しているのだろう、アイデアを紙に落とすのがとてもお得意なのではと思える。
店舗設計にも興味がおありなようなのだが、それもやはり紙に落として現場に伝える作業になる。
フランチャイズ成功の秘訣として取り上げられることの一つに、「理念の共有化」がある。フランチャイズ本部と加盟店の関係は主従の関係ではない、直営店のように本部社員が運営してるわけでもない、資本の違ういわば他人同士が同じ事業を共同で進めているのだ。そこには、他人を納得させるだけの理念が無ければ同じ方向に進むのは難しいし、たとえ理念はあったとしても、それを伝えることができなければ、他人は理解できない。
成功している本部の代表者を見ていると、この伝道技術に長けた方が多いなと感じさせられる。
栗原氏に限って言うと、自分の考えるフレッシュネスバーガーあるいはチェーンのあるべき姿をうまく紙に落とし込み、時にそれを言葉で表現しうまく相手に伝える人だと感じた。まるで伝道者のように。
バーガーカフェというコンセプト
今まで、フレッシュネスバーガーのことをハンバーガーショップと呼んできたが、正しく言うとバーガーカフェということになるらしい。
業態としてのコンセプトがバーガーカフェであるということだ。
フレッシュネスバーガーが求めているのは自然でありオーガニックなものだ。時代的には求められているのではないかと思われるが、しかし、あまりにそれを追求していくと、勢いコストも高くなってしまう。いわゆる業界ではFLコストと呼ばれるものの食材部分が割高になってしまう。
そこで登場したのがバーガーカフェというコンセプト。ドリンク類を充実させ、付加価値のあるドリンクを提供することで、食材のコストを下げる。
FLコストを強烈に意識した業態だ。
今期は売り上げも好調ということ。フレッシュネスバーガーという個性と、この新しいコンセプトがフランチャイズという手法でどこまで伸びていくのか今後が楽しみだ。
[名 称] 株式会社フレッシュネス
[英文名称] Freshness Co.,Ltd.
所在地 [本社] 〒107-0062 東京都港区南青山2-13-10 青山ラピュタアネックスビル5F
TEL 03-5771-2063 FAX 03-3402-4899
代表取締役 栗原 幹雄
資本金 490,000,000円
ホームページ http://www.freshnessburger.co.jp/
栗原 幹雄 (くりはら みきお)
1951年、埼玉県川越生まれ。日本大学生産工学部建築工学科卒。'74年、積水ハウス入社。78年に退社し、義兄とともに「ほっかほっか亭」の創業に参画。4年で1000店を突破し、大企業に育て上げる。'92年、「フレッシュネスバーガー」1号店を渋谷区富ヶ谷で創業。'94年、「ほっかほっか亭」を退社し、'95年より「フレッシュネスバーガー」のフランチャイズ展開を開始。
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