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フランチャイズ・ショー2008 コンサルタントインタビュー

- フランチャイズショーのもう一つの見所 -

フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ フランチャイズショーの最大の見所は、出展本部数の多さと、チェーン概要が実体験できるように設計されたフードコートも含めたブース作り、それからショーアップされた会場の華々しさだ。

しかし、ちょっと会場内を歩いてみるとそれ以外の魅力にも溢れていることに直ぐに気がつく。

ブースの作りなどがハードウェア的な要素だとすると、ソフトウェア的な要素として三日間にわたって行われる、本部向け、加盟希望者向けに様々に切り口を変えたセミナーの存在だ。

そしてもう一つ見逃してならないのが、いわゆるフランチャイズコンサルタントと言われる会社や団体のブースの存在である。

フランチャイズコンサルタントというのは、他の展示会にはちょっと見られない存在では無かろうか。コンサルタントであるから、基本的に本部側に対しては本部の立ち上げ相談を、加盟希望者に対しては加盟に対する助言を与えたりということになる。

ちょうどFC本部と加盟者を中間に位置し、両者を繋ぐ存在であるからだ。

このFCショーはここに来ればFC業界の全てが分かると言っても過言ではないが、 フランチャイズコンサルタントの存在はそれを完結するための不可欠な要素であるということだろう。

- フランチャイズ コンサルタントの役割 -

フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ

フランチャイズ業界にあってフランチャイズコンサルタントの存在はとても大きいというのが弊社の認識だ。 フランチャイズシステムは本部が事業拡大する際の強力なツールになりうるということは、過去の事例から見ても明らかだ。それ故、時として暴走してしまう本部があるのも事実。

暴走の結果、自らがメルトダウンしてしまうような危険性を常に孕んでいるのが、フランチャイズシステムの一面だ。そうなってしまった場合の加盟店の被害はとてつもなく大きい。

数々の経験を積んでいるフランチャイズコンサルタントには、暴走を制御し、適切にコントロールが 別の見方をすると、時間と費用を掛けてでも、適切なフランチャイズコンサルタントの指導を仰いでいる本部には信頼性も増すというものだ。

一方、加盟希望者にとっても、いきなり加盟するのではなく、セカンドオピニオン、サードオピニオンの提供者という形でフランチャイズコンサルタントに相談し、本部の品定めをすることはとても重要だ。

その場合に気をつけなければならないのは、フランチャイズ業界の豊富な知識をもち、幅広い選択肢の中からチェーンを推奨しうるコンサルタントにするべきだ。中には、特定の本部のみ勧めようとするコンサルタントもあるようだが、それはコンサルタントと言うよりもエージェントに近いものなので、それらを混同しないことは重要だ。

フランチャイズWEBリポート運営部としては、FC本部にも加盟希望者にも是非フランチャイズコンサルタントの門戸を一度は叩いてみることをお薦めする。

今回インタビューさせていただいたコンサルタント会社は、代表者のコンサルタント歴も長く、それなりの実績も持ち合わせたところばかりだ。 インタビューの内容は、主な業務内容、時代とともにコンサル内容に変化はないのか、コンサルタントとしての必要不可欠な資質は何か等々だ。

今回、弊社では以下の五つのコンサルタントのブースを取材した。 突然の取材にもかかわらずインタビューに快く応じて下さった各先生には改めて謝辞を申し上げる。

フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ

アクアネット(株)
代表取締役社長 民谷 昌弘 氏


本部の業態に合った機能整備、体制整備を得意とするコンサルタント会社。

コンサルタント先にはスケジュールをきっちりと立てて目的を遂行するプロジェクト型の業務を推進している。

フランチャイズコンサルタントに絶対必要な資質は「誠実さ」ということだ。

1956年 兵庫県出身、広島大学卒業後、(株)不二家、(株)日本エル・シー・エーを経て、1995年アクアネット(株)設立。
○フランチャイズ・マネジメント研究所代表
○JFA フランチャイズ事業雇用高度化推進委員会 委員
○JFA スーパーバイザー学校講師
http://www.aqnet.co.jp/

(株)日本フランチャイズ総合研究所
代表取締役社長 内川 昭比古 氏


基本的なお客はアーリーステージのフランチャイズ本部。

どうやってフランチャイズ本部を立ち上げていくのかを基本からアドバイス。コンサルタントするに当たってフランチャイズ本部の業種は問わないが、志だけは重視する。自分だけが儲かれば良いという本部は論外。

残念ながら、FC本部の8割以上は志が低く自分だけが儲かればよいという考えのようだと現状を憂う。

(株)日本ダンキンドーナツ銀座店店長、、スーパーバイザー、地区長、 (株)サンチェーン〔現(株)ローソン〕商品部長、総合企画部長、、開発部長、運営部長並びに広報・販売促進・新CI導入の総括責任者などを経て、経営コンサルタントとして独立。現在(株)日本フランチャイズ総合研究所所長、および(社)日本フランチャイズチェーン協会 会員サービス部長を兼務
http://www.the-franchise.co.jp

フランコープジャパン(株)
代表取締役社長 池田 安弘 氏


自分自身が長年フランチャイズコンサルタントをやっていた上で悩んでいた悩みが米国を見たとき即座に解決。日本式の曖昧でなれ合い的な本部と加盟店の関係がFC業界の発展を阻害し、一方でトラブルを多発させていると考え、日本的フランチャイズシステムに疑問を唱える。

1955年 広島県出身
島根大学文理学部卒業
1993年 池田経営デザイン研究所を設立平成
1997年 (有)池田デザイン研究所を設立
2006年 (株)フランコープジャパン設立、同社代表取締役として現在に至る。
http://www.francorp.co.jp

社団法人中小企業診断協会東京支部
フランチャイズ研究会
代表者インタビュー


会員50名を擁し、フランチャイズを専門的に研究している団体。2000年より主催者である日本経済新聞社からの要請を受けた形で無料相談ブースを構える。

ブースに相談に訪れるのは本部を立ち上げたいという方、フランチャイズに加盟したいという方の両方がいるが、年々本部設立の相談が増えているとのこと。

研究会では公正中立な立場で双方の相談にのるのが基本。フランチャイズ研究会の会員は独立した存在であり、それぞれが中小企業診断士、弁護士などの資格を持ち普段は独自に活動している。
http://fcken.com/

会長:西野 公晴 氏(中小企業診断士)
副会長:豊田 信氏(中小企業診断士)・伊藤 恭 氏(中小企業診断士)

(株)フランチャイズ研究所
代表取締役社長 黒川 孝雄 氏


僅か一年、二年で出展の効果を判断してはダメと主張。フランチャイズを展開していこうと考えるのであれば、じっくりと腰を落ち着けて、加盟店を増やすように心がけるべきだという考え。

一方で、フランチャイズ本部は契約書に書いている以外から収益を上げてはダメだとも主張。フランチャイズの本来あるべき姿に対して一家言を有する。

自身のコンサルタント業務に関しては、チェーンの業態には決して手を付けず、フランチャイズ化するにあたっての仕組み作りの手伝いだけをするという。だからこそ小売業であれ飲食であれサービス業であれどのような業種のコンサルでも引き受けることができるのだという。

1934年愛知県出身。名古屋大学経済学部卒業。
1988年明治サンテオレ(株)社長就任。 1995年(社)日本フランチャイズチェーン協会会長就任 1998年2月(株)フランチャイズ研究所設立、代表を務める。 現在、フランチャイズのコンサルタント、講演、著作活動などを精力的に行い、 「日本のFCの健全な発展」に寄与している http://www.franchise-ken.co.jp