布団洗いが沖縄から全国に拡大中!DXでさらなる加速を図るフトン巻きのジローとは

フランチャイズWEBリポート編集部 |2021年10月10日 公開
フトン巻きのジロー株式会社の取締役社長を務める福田直樹氏

布団洗いに特化した沖縄発のコインランドリー「フトン巻きのジロー」。ユニークなビジネスモデルはもちろん、一般的なコインランドリーの4倍の売上を誇るなど、メディアからも注目を集めているフランチャイズです。 フランチャイズオーナーを募る形で店舗展開を全国に広めており、2021年9月現在、全国に75店舗を展開しています。

本記事では、前編に引き続き「フトン巻きのジロー」を運営するフトン巻きのジロー株式会社の取締役社長を務める福田直樹氏に、布団洗いを全国に広げるに至った背景や、今後の展望について伺いました。

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フトン巻きのジローのフランチャイズ

布団洗いビジネスの始まり

──前編では「布団洗いと健康」について伺いましたが、そもそも布団を洗うことをビジネスとして全国に広げようという着想はどこからきたのでしょうか?
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

じつは私自身、元々フトン巻きのジローのフランチャイズ加盟店なんです。

現在の社屋を建設していた2018年の初めに、社屋の一階スペースをテナントとして募集していたのですが、「コインランドリーをやりたい」という声をいただきました。それをきっかけに、コインランドリーの実際の収益などビジネスモデルについて調べはじめたんです。ちょうど当時、コインランドリーブームでいろんなところにできはじめた時期でもありましたよね。

取材で伺った栃木県宇都宮市にあるフトン巻きのジロー株式会社の社屋。一階部分にはフトン巻きのジローの店舗が入っている
取材で伺った栃木県宇都宮市にあるフトン巻きのジロー株式会社の社屋。一階部分にはフトン巻きのジローの店舗が入っている
──確かにコインランドリーに注目が集まった時期がありましたね。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

そうしてコインランドリー経営について調べていたら、これはあくまで私個人の意見ですが、コインランドリーのフランチャイズって正直ノウハウはあってないようなもので、フランチャイズに加盟するほどのものでもないと感じたんです。

そうこうしているうちに、偶然、東京商工リサーチの方が『すごいコインランドリーが沖縄にありますよ』って教えてくれたんです。

──それがフトン巻きのジローだったんですね。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

そうなんです。ただ当時はランドリージローという屋号でした。

その話があってすぐの2018年5月あたりに、私の会社のある栃木で森下(ランドリージロー創業者、フトン巻きのジロー株式会社 現会長)に会えることになりました。会って話を聞いたらおもしろいビジネスモデルだと感じ、トントン拍子で話が進んで、翌月にはフランチャイズ契約をしていました。

──テナントとして貸し出す話はなくなり、自社で1階にフトン巻きのジローをオープンしたということですね。実際に、布団を洗うコインランドリーを見て、どのような印象でしたか?
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

栃木で森下と会った翌週に、沖縄の店舗を視察させてもらったんですが、とにかく店舗がおしゃれで、なにより「布団を洗う」というのが衝撃的でした。これは全国でも通用するサービスだって思いましたね。

木目貴重でコインランドリーとは一線を画す、おしゃれな外観と店内風景
木目貴重でコインランドリーとは一線を画す、おしゃれな外観と店内風景
──フトン巻きのジローに加盟してすぐ、2店舗を同時にオープンしたと聞いています。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

そうですね。「やるとなったらやる」という感じで、同年の11月に栃木県の小山と、埼玉の春日部に2店舗を同時にオープンさせました。

──いきなり2店舗同時オープンとは、それだけフトン巻きのジローに可能性を感じたということですね。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

はい。ちょっと話がそれますが、じつはその間に別のエピソードがあって、加盟直後の2018年の9月に開催された「国際コインランドリーアワード2018」で、フトン巻きのジローが最優秀賞を獲得したんです。

私もそこに立ち会わせてもらっていて、その時、「これはすごいことになる!」と感じて。沖縄以外の地域での展開は私が初めてだったんですが、「一緒に全国展開しようぜ」って盛り上がって、森下と一緒にフトン巻きのジロー株式会社を設立しました。

フトン巻きのジロー株式会社 代表取締役会長の森下 洋次郎氏
国際コインランドリーアワード2018で最優秀賞を受賞した直後の1枚。フトン巻きのジローの前身である、ランドリージローの創業者であり、現フトン巻きのジロー株式会社 代表取締役会長の森下 洋次郎氏(左)
──フトン巻きのジローのフランチャイズ全国展開に向けて、タッグを組んだんですね。ちなみに元々、沖縄でスタートしていたのには理由があったんでしょうか。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

これは森下が、あることからコインランドリービジネスに目をつけ、全国に赴いて出店立地を探していたことがきっかけで、高温多湿でコインランドリーが浸透していた沖縄に目をつけたのが始まりでした。

──沖縄という地をあえて選んで創業されたんですね
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

コインランドリー大国の沖縄でしたが、その多くが「暗い」「汚い」「怖い」の3Kのコインランドリー。東京都内で普及していた大型の洗濯乾燥機などもなく、そこに勝機を感じて、大型の乾燥機に、コインランドリーらしくないおしゃれな店舗を作ったところそれが大当たりした、と聞いています。

──最初は一般的なコインランドリーだったんですね。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

そうですね。当時は森下もマーケティングのために店舗に立っていたのですが、そこであることに気づいたんです。それは、布団のような大型のものが洗えるという認識を皆さんお持ちでないこと、そして布団は干すものだと思っていること。このふたつに着想を得たことが、布団洗い研究のスタートでした。

医療系ベンチャーとの提携で布団を洗うことの有用性を実証
医療系ベンチャーとの提携で布団を洗うことの有用性を実証
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

その後、1年足らずの間にふとん洗い専用のバンドを開発したり、琉球大学発の医療系ベンチャー企業と共同研究で、布団を洗うことの有効性を実証したりしながら、布団洗いに特化したコインランドリーを作り上げていったんです。

──それが後の最優秀賞につながるわけですね。

全国展開をスタート。認知度はどうやって広げた?

──話は戻りますが、実際店舗をオープンして手応えはいかがでしたか?
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

沖縄では4年前からTVCMなどをやっていて、約9割もの人に「フトン巻きのジロー」のことを知っていただいています。とはいえ、当時は沖縄以外では布団洗いの市場はなく、流行に敏感な関東の人にすら馴染みもなくて……。栃木と埼玉に2店舗をオープンしてから1年ほどは売上がほとんどないだけでなく、フトン巻きのジローのフランチャイズに加盟したいという方もいなくて、結構苦戦しましたね。

もちろん何もせずに待っているわけではなく、コインランドリー業界では珍しい全国放送のTV番組にCMを出稿するなど、とにかく知ってもらうためにさまざまな活動をしていました。

──令和の現代では見られない昭和風の作り込みで、とてもインパクトのあるCMですよね
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

おかげさまでTVCMが話題になり、東洋経済オンラインの「作品別CM好感度ランキング」でTOP10入りし、表彰いただきました。

フトン巻きのジロー全国テレビCM(テニス篇)

フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

変わったことというか、みんなと同じことをしても仕方がないので他社がやらないことをやっていきたいなと思っています。

──他社がやらないことと言えば、加盟資料に掲載されている数字面の開示も、ここまで?というぐらい細かいですよね。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

パフォーマンスの側面もありますが、バカ正直に借り入れの利息にいたるまで本当にこまかく数字を開示しています。多分ここまで手の内を晒しているフランチャイズ本部はほかにないんじゃないですかね。

──誰もが見られるWEB上にここまで細かく開示しているフランチャイズ本部は、たしかに見たことがありません。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

そういったさまざまな施策により、少しずつフトン巻きのジローが認知されるようになって口コミなどで利用者が広がっていきました。そして「坂上&指原のつぶれない店」や、「がっちりマンデー」とかで取り上げてもらったことで、フランチャイズ加盟についての問い合わせをいただいたり、遠方から布団洗いにくるお客さまも増えたり。一気に認知が広がりましたね。

ただ、それでも関東での認知度は現在でも20%ぐらいだと思うので、ここは引き続き認知を広げていきたいと考えております。

──認知といえば、今日は栃木県の宇都宮にある、フトン巻きのジロー株式会社の本社で取材をさせていただいていますが、タクシーの運転手の方に行き先を伝えたら「あ、『巻き(フトン巻きのジロー)』ね」という風に会話が成立して、地元での浸透具合が伺えました。
新しく掲載開始したオーナー募集情報まとめ

フトン巻きのジローの挑戦は始まったばかり

──全国各地に加盟店が続々と誕生していますが、布団洗いに地域性はあるのでしょうか?
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

布団は日本中どこにでもあるので対象は全国ですし、人口密度の問題もあるので、一概には言えませんが、強いて言うなら青森をはじめ東北地方が布団のボリュームゾーンになりますね。

沖縄は暖かいので布団、特に掛布団の所有数が全国と比べると少なくて、逆に北海道は住宅の断熱性能が良すぎて、沖縄と同じくあまり布団の数が多くないんですよ。その点では、栃木などの首都圏はバランスが取れているエリアだと思います。

──人口密度が高い都市部はいかがでしょうか?
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

23区をはじめとする都市部だと、交通機関での移動がメインで車を所有している世帯が少ないですよね。車で布団を運べないとなると、我々みたいな来店型の店舗はやはり厳しい。ただ東京23区だけで1,000万人近いマーケットになるので、そこも網羅できるように考えています。都市部に関しては戦略を変え、布団洗いのデリバリーの実験も始めています。

将来的には現在の有人ランドリー、無人ランドリー、デリバリーの3軸がスタンダードになる予定です。

来店以外のニーズを掘り起こすために、試験導入が進むフトン洗いの宅配サービス
来店以外のニーズを掘り起こすために、試験導入が進むフトン洗いの宅配サービス
──確かに布団は気軽に持ち運べないので、デリバリーがあったら利用してみたいという方は多そうですね。デリバリー以外の今後の展開についてはいかがでしょうか?
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

一般的なコインランドリーの市場は1,000億円と言われています。フトン巻きのジローでは 布団洗いの市場規模を、その6倍にあたる6,000億円の市場と試算し、布団洗いという未開拓産業の市場開拓にチャレンジしています。

そのため、布団のダニアレルゲンを97%も除去できるのは「洗う」以外に方法がない、という検証結果の周知を図るとともに、今後も医療分野とも連携をとり、健康産業やヘルスケア領域の提案もできればと考えています。

例えば、現在寝具メーカーさんと共同開発した、洗えるマットレス「アラエルーノ」の販売なども行っています。今後はもっと積極的に寝具を開発し、月数千円というようなサブスク制の布団で、なおかつ布団メンテナンスがついてくるようなサービスも展開していきたいと考えています。

──洗う行為とは別の角度からも、布団を清潔にするという意識を根付かせていくことができそうですね。
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

そうですね。そしてもう少し近いところでは、2021年11月に導入予定の「フトンDXアプリ」があります。

現在開発が進む「フトン巻きのジロー」のDX戦略の目玉であるフトンDXアプリ※仕様は変更になる場合がございます
現在開発が進む「フトン巻きのジロー」のDX戦略の目玉であるフトンDXアプリ※仕様は変更になる場合がございます
フトン巻きのジローのフランチャイズWEBリポート編集部

福田社長

リピート率などいままで取れていなかったデータをこのアプリでしっかり数値化し、今後の店舗展開に活かしていく予定です。「フトンDXアプリ」では、お客さまがポイントを貯めることができたり、お得な情報を受け取れたりする一方で、加盟店オーナー様は顧客情報の管理を一元化できるようになります。

そして加盟店オーナー様は、これらのデータを用いることでキャンペーンの施策が容易になったり、お客様からのレビューなども確認できるようになります。今後もブラッシュアップを重ね、売上アップに役に立つ機能をどんどん提供していきますよ。

フトンを「干す」から「洗う」へ、新しい常識として広めるために、この挑戦を成功させるためにフトン巻きのジローは、これからもどんどん挑戦していきます。

──ありがとうございました。

フトン巻きのジローの本部取材を終えて

ここまで沖縄での実績や、ビジネスのユニークさなどから、メディアの注目を集めてきたフトン巻きのジロー。布団は「干す」ではなく「洗う」ものだという、今までになかった常識を創る挑戦を掲げており、ビジネスとして気になるのは勿論ですが、近くに店舗が出来た際には、一度利用してみたいなと思うサービスでもありました。

しかし現在は、着実に全国に広がり始めている加盟店網と、新たなDX戦略で今後更に注目を集めるフランチャイズブランドと言えそうです。

福田社長、取材にご協力いただきありがとうございました。

【フトン巻きジローの取材記事/前編】

フトン巻きのジロー株式会社の取締役社長を務める福田直樹氏

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