節税対策を学んで税務に強い会社に!福利厚生費を活用した節税テクニック


原川 健 |2018.04.01
フランチャイズWEBリポートのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

みなさまこんにちは、士業フランチャイズ支援協会の原川です。

フランチャイズビジネスなどで独立・起業し、気になるもののひとつに節税があるのではないでしょうか。それは顧問の会計事務所に任せているよ!とおっしゃる経営者の方も多いと思います。確かにそうなのですが、経営者としては、少し努力不足かもしれません。

[節税対策TIPS]前回までの「売上・仕入・棚卸資産に関する節税テクニック」「役員報酬・人件費・退職金に関する節税テクニック」はいかがだったでしょうか。今回は福利厚生費を活用した節税テクニックをご紹介します。

知らないと損をする税金のルール

税金は、ルールを知らないと損をするようにできています。

「どのような場合に節税が可能になるのか」という節税のポイントを少し理解するだけで、税金の負担を最小限にすることができます。

顧問の会計事務所に任せているだけでは、よりよい節税はできません。会計事務所はすでに行われた取引を税法にしたがって、税金が安くなるように税務処理をしますが、実は事後に工夫ができる余地というのはあまり多くありません。さかのぼってあれこれ修正をしてしまうと、脱税になってしまいます。取引を行う際に少し工夫をすれば、節税になるケースが少なくないのです。節税について、その概要をわかりやすく解説しますので参考にしてください!

経営者の方々がほんの少し基本を理解するだけで、節税のチャンスは大きくひろがります。「この対策はうちで使えるのでは?」と思われましたら、是非当社にお気軽にご相談ください。どんどん節税を行い、強い財務体質の会社を創りましょう!

福利厚生費の節税TIPS

通勤手当の非課税枠を活用

一般的に、通勤手当は給料とあわせて支給されますが、通勤手当は給料と違い、所得税がかからない非課税所得となっています。もちろん、この通勤手当の非課税制度は、従業員だけでなく、社長やその他の役員、パートタイマーにも適用されます。交通手段や通勤距離に応じて限度額は変わってきますが、1ヶ月あたり15万円まで非課税扱いとなります。

仮に給料の中に、定期代などの交通費を含められている場合は、しっかりと給料部分と交通費部分とに区分して支給することで、会社では交通費部分が仕入税額控除できますので消費税の節税、個人では所得税・住民税の節税となります。

また、通勤手当を会社が負担するということで、福利厚生の充実も図れます。 通勤手当の非課税枠を可能な限り活用し、節税に役立てましょう。

社宅制度を活用

会社が借上げた賃貸住宅を役員や従業員に住まわせた場合、会社は役員や従業員が負担する金額を除き、その賃料を経費に計上できます。その場合、役員や従業員が負担すべき賃料は、原則的にその借上賃料の半額以上とされています。

つまり、社宅制度を利用すると、役員や従業員が自己で賃貸住宅を借りるより、会社は賃料の半額を経費計上でき、役員や従業員側においても会社に負担してもらった賃料について、個人所得税が課税されませんので、双方にとってメリットがあります。特に役員については、社宅の広さにもよりますが所得税法上の特例を用いた場合、賃料の10%から50%ぐらいの金額を徴収していれば、課税上問題ないケースもあります。

役員又は従業員が個人で賃貸住宅を借りているのであれば、節税対策として、社宅を検討してみてください。

健康診断を受診

健康診断費用は、会社が負担すれば経費として処理できますが、役員や従業員側では、会社が負担した金額について給与として所得税が課税されることとなり、かえって喜ばれない場合も考えられます。

健康診断費用は、会社が負担すれば経費として処理できますが、役員や従業員側では、会社が負担した金額について給与として所得税が課税されることとなり、かえって喜ばれない場合も考えられます。

また、役員の場合には、給与とみなされた金額は、役員給与の定期同額給与の条件から外れることとなり、役員への賞与と認定され、経費に計上できなくなる可能性があります。しかし、下記の要件を満たす場合には、給与としてではなく、会社の福利厚生費として経費処理することが可能となり、役員や従業員側でも所得税が課税されることはありませんので、節税メリットがあります。

1.健康診断対象者が全社員である
2.診断内容が健康管理上必要なものである
3.費用が会社から直接診療機関に支払われている

健康診断も実施内容によっては、思わぬ税負担が発生してしまうため、注意しましょう。

忘年会費用を経費にする

会社が従業員の親睦や労働意欲の向上等を目的として、忘年会、新年会等の行事を行うことは広く一般化していますので、これらの費用は福利厚生費として会社の経費に計上することができます。

ただし、役員など特定の人だけが参加する場合や、特定の部署だけで行なう場合は福利厚生費には該当せず、接待交際費又は参加者に対する給与となりますので、まずは全従業員を対象とすることがポイントになります。

会社の規模が大きく、忘年会等を一度に行うことが困難な場合は、単なる個人的な集まりではなく、あくまでも組織として行うことが条件ですが、部署単位で行うことも問題ありません。また、忘年会の領収書を保存しておくことはもちろん、例えば、忘年会の開催のお知らせなど、忘年会が開催されたことが分かる書類を保存しておきましょう。

レクリエーション費用を活用する

レクリエーションは、役員や従業員の親睦を深めることや勤労意欲の向上を目的として実施され、その費用を会社で負担するのはよくあるケースです。レクリエーション費用の取扱いですが、役員や従業員が費用負担することなく恩恵を受けたということで、原則的には給与課税がされてしまいます。

しかし、レクリエーションは会社の福利厚生の一環として行われていますので、できるだけ給与課税されずに済むようにしたいところです。給与課税されないためには、全従業員を対象にして、レクリエーションを実施します。この場合であれば、参加した人の参加費用は基本的に給与として課税されません。

ただし、参加できなかった人に対して金銭を支給した場合には、その金額が給与として課税されてしまうほか、実際に参加した人の参加費用も給与として課税されてしまう場合がありますので、レクリエーションを実施する際は、事前にしっかりと検討しましょう。

スポーツジムの会費を経費にする

スポーツジムに支払う年会費は、そのスポーツジムを誰がどのように利用するかによって、給与、福利厚生費、交際費などと、税金の課され方が変わってしまいます。

特定の役員や従業員のみが利用する場合は、年会費の支払いは、その役員や従業員に対する現物給与となり、所得税が課税されてしまいます。その場合は、会社で源泉徴収をする必要がでてきます。

特定の役員や従業員が利用するのではなく、全員が同じ条件で利用できるようにしておくなど、社会通念上一般的なルールで分け隔てなく運用がされていれば、給与として課税されないでしょう。

慶弔見舞金を支給する

取引先や従業員の冠婚葬祭について、祝儀や香典、見舞金等を渡すことがあると思います。

ただし、その渡す相手先によって、経費として落とせるかどうかが変わりますので、注意が必要です。取引先など社外の者に対して支出した慶弔見舞金の場合は、交際費として取り扱われ、その支出額の一部が経費として認められません。

一方、従業員、役員(元従業員を含みます)又はその親族等に対する慶弔、禍福が、一般的に妥当であると認められる金額であれば、福利厚生費として全額経費処理しても問題ありません。その際、慶弔見舞金規程を作成しておくことをお勧めします。

節税だけではなく、従業員への福利厚生を充実させる意味でも、慶弔見舞金の支給をご検討ください。

記念品を支給する

長い間会社に勤続した方へ記念品を渡す制度として、永年勤続表彰制度があります。

この永年勤続表彰制度による記念品の支給は、「受彰者の地位に照らして社会通念上相当と認められる額で支給されており、かつ、おおむね10年以上の在職者に5年以上の間隔をおいて支払われるもの」であれば、個人側で給与課税をしなくて差し支えないとされています。

この制度は役員のみでも利用できる制度ですので、役員に対する臨時ボーナスのようなものともいえます。ただし、従業員や役員を新しく雇用したり登用したりしたときは、同条件でこの制度を使えるようにしておく必要があります。今回のみの特別の支給と見なされれば、役員賞与となる可能性があります。

また、記念品に代えて、金銭を支給した場合は、賞与として所得税、住民税が課税されるなどの注意点もあります。

社員旅行を活用する

社員旅行の費用は福利厚生費として会社の経費にすることができます。社員旅行を上手に行えば、節税効果も図れるほか、社員のモチベーションアップにも繋がります。

ただし、社員旅行の計画段階から、気をつけることがあります。滞在数が4泊5日以内で社員の参加割合が50%以上でないと、その経費は給与として認定されてしまいます。給与として認定された場合、会社としては経費に落とせることに変わりはないのですが、社員側で所得税の課税がされてしまいます。

ちなみに、これが役員の場合であれば、役員賞与として取り扱われ、所得税が課税されるだけでなく、会社の経費にもならず、法人税も課税されてしまいます。

そのほか、旅行に参加できない人に対して、旅行費用相当分を現金で支給した場合にも、給与として取り扱われますので注意が必要です。

ちなみに、招待旅行は会議も併せて開催すれば

得意先との関係の円滑化のため、招待旅行を行った場合は、全額交際費となります。

しかし、製造業者や卸売業者が、特約店その他販売業者を旅行に招待し、新製品の説明、 販売技術の研究等の会議を開催した場合等は、その会議が全体として実態を伴うものであれば、会議費用のみ、交際費から外すことが出来ます。会議費用は全額経費計上できますので、節税効果があります。具体的には、会議で出される茶菓子や弁当代のほか、会議場までの交通費、会議が行なわれる場所での宿泊費が考えられます。

たとえば、一泊二日の会議を開き、会議の後に宴会を行なった場合、宴会の費用は交際費となりますが、交通費や宿泊費は会議費として処理できます。そのために、会議の予定表や議事録などを備えておくべきで、税務調査の際に、会議の実態が証明できるようにしておかなければなりません。

実際に旅行の日程表やパンフレットがあれば、それらを保存しておきましょう。

ルールを理解して節税を最大化

会社が支出した経費を、福利厚生費とすることができれば全額経費になり、節税につながります。ここで、もし交際費に該当してしまうと、年間の限度額を超える部分が経費にならないなど、デメリットが出てきてしまいます。

例えば以下のようなものが福利厚生費で処理できます。

・専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用
・創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、社内において供与される通常の飲食に要する費用
・従業員や元従業員又はその親族などのお祝いや不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用 (例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなど。)

上記の他にも、歓迎会・送別会・忘年会なども該当します。

税金は知らないと損をしても得をすることはありません。既に経営に関わっている方も、起業や独立をしてこれからという方も、経営者として効率的な節税対策に取り組んで、財務体質の強い会社作りをしていきましょう。

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