ダスキンミュージアムでも注目の的！ミスタードーナツが店舗の大規模改装に踏み切る

従来の調理場を見せない店舗設計から一転、店の外からドーナツを調理している様子を見えるようにして、店舗で一から手作りしている専門店の強みを前面に押し出していく方針。今後5年間で全国1300店のうち最大で1000店舗の改装を目指す予定で、専門店としてのエンターテイメント化にも関わる大きな変化だけに、業界の注目も高まっています。

コンビニ大手がここ数年で参入し、販売を強化を進めています。そのなかでも成果も上げているのが「セブンカフェ」をはじめとするレジ横販売。淹れたてコーヒーとの同時購入もありなかなか好調な模様です。もともとコンビニにおけるドーナツの「ついで買い」を提案したのは、スリーエフやデイリーヤマザキ。その後を追って、コンビニ3強で口火を切ったのがセブン-イレブンでした。

セブン-イレブンは2014年11月にドーナツの販売を開始。100～130円という低価格かつ、工場から数時間以内に店舗に届けるオペレーションの卓越さもあって、異常な勢いで知れ渡り、新たな市場を広げました。1店舗あたり100個以上を売る大ヒットで、2015年度（2016年2月期）にはチェーン全体で4億個、その翌2016年度には6億個の販売を視野に。ドーナツ取扱店舗数で見ても、すでにミスタードーナツの国内外店舗数を上回っており、今後も全店舗にも拡大していく予定です。

ローソンも追って、約8000店舗でドーナツの販売を開始。ローソンでは「Machi cafe」のメニューの一つとして、コーヒーを値下げし、さらに客数を呼び寄せる作戦に。店内で調理するドーナツも今後販売予定です。

ファミリーマートでは、菓子パンコーナーで「袋入りのドーナツ」をブランド化し、さらに種類を増やしています。ファミリーマートは、後追いながら、その品質では先行者を超えようという明確な意思が感じられ、商品外装の洗練や「ミルクデニッシュ＆チョコクッキードーナツ」「デニッシュドーナツ」など生地のリッチ感で差別化を図る計画です。

ドーナツ市場は、限られたパイを奪い合うというよりも、コンビニやその他業界大手の参戦で、日本人の食生活のなかで、その存在自体を大きくしているようです。 コンビニは小腹の足しに「ついで買い」する間食需要を「ドーナツ」で捕えることに成功し、未知のお客を開拓。対して、ミスタードーナツの優位点は店内で手作りする美味しさ。

ミスタードーナツのネットワーク規模はコンビニには劣るものの、ドーナツ専門店だけでみると、他を寄せ付けません。そんなミスタードーナツが今後打つ手は、高級ドーナツのラインナップ拡充。さらに、店内調理という強みを最大化するために、できたてドーナツも充実させていくとのこと。

通常であればコスト合理化のために、一度に調理する数を増やすのが一般的です。しかし、ミスタードーナツでは、生産するドーナッツのロット数を減らして、お客さまにできたてをお届けするというもの。ミスタードーナツをはじめとする専門店は、コンビニとの差別化として、明確な高付加価値商品の拡充により新たなセグメントへの訴求を高めようという動きがあるようです。

10月1日には、大阪・吹田市に「ダスキンミュージアム」がオープン。掃除の歴史や未来につながる掃除文化を提案する「おそうじ館」と、ミスタードーナツのこれまでの歩みやそのおいしさへのこだわりを紹介し、ドーナツづくりが体験できる「ミスドミュージアム」の2つを発信。ドーナツ市場の可能性がさらに広がりそうですね。

編集部もミスドミュージアムでドーナツづくりを体験したいと思い、オフの日に見学を試みましたが、予約は満員状態……やはり世間としても注目度が高いようです！こうした取り組みはサントリーのビール工場（ビールやウイスキーが無料で試飲できる）を彷彿とさせます。

もともとアメリカのビジネスを輸入し日本で広めたダスキンは、フランチャイズ業界を語る上でも欠かせない存在です。 今後のダスキンの取り組みに注目していきましょう！