焼き肉屋の開業を成功させるコツは?基礎知識から注意点まで解説

フランチャイズWEBリポート編集部 |2019年01月21日 公開 (2019年03月29日 最終更新)
焼肉業態のイメージ

焼き肉といえば、男女問わず大人から子どもまで幅広い世代の人に人気がある飲食事業の1つです。

一般的な焼肉業態の特徴としては、各テーブルでお客さま自身にお肉を焼いてもらうセルフクックスタイルであること。経営側からすると調理の手間を低減でき、調理スタッフにかかる人件費などの削減が可能なことからも、焼き肉屋を開業してみようと考える人は少なくありません。

しかし、実際のところ、未経験で焼き肉屋を開業して軌道に乗せ、十分な利益を得るなどの成功をおさめるのは当然簡単ではありません。そこでこの記事では、焼き肉事業で失敗しないためのコツや、開業するときの注意点について解説します。

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まずはどのような業態の焼き肉屋を開業するのか決めよう

焼き肉屋と一口に言っても、上質の和牛をメインとする高級店や、カジュアルなファミリー向けのお店、食べ放題のお店など業態はさまざまです。どんな焼き肉屋を開業するかによって、開業に必要な資金や運営方法は異なります。

また、焼き肉屋を開業するためには、他の飲食店よりも多くの設備や機材を準備しなければなりません。各テーブルには焼き肉を焼くためのコンロや、吸排気設備が必要で、それを設置するためには屋外の排気ダクト工事も行うことになります。もちろん、厨房には業務用冷凍冷蔵庫やガステーブル、シンク、食洗器なども必要です。

こうしたものを揃えるには高額の開業資金が必要になるため、前もって業態を決めてから計画を立てなければ、確実に失敗してしまうでしょう。

焼き肉屋開業のための基礎知識

焼き肉屋を開業するにあたって、失敗しないために事前に知っておきたいことがいくつかあります。ここからは、焼き肉屋開業のための基礎知識を、必要な資格・向いている物件・スタッフの募集時期という3つの面から解説します。

資格は必要なの?

食品衛生管理者

焼き肉屋を開業するには、食品衛生責任者の資格が必要です。これは経営者が取ってもスタッフが取ってもいいですが、施設ごとに必ず1名以上おかなかればいけません。食品衛生責任者の資格は講習を受ければ1日で取得することができ、資格取得のためにかかる費用も1万円ほどです。

営業許可の申請

資格を取得したら、保健所で営業許可の申請をしなければなりません。まず店舗の完成図面を見てもらい、基準に適合していれば、次は保健所の担当者による検査があります。この検査に合格すれば、正式に営業許可が下りるという流れです。

防火管理者

30人以上を収容できる規模の店舗であれば、食品衛生責任者に加えて防火管理者の資格も必要となります。防火管理者の資格も、講習を受ければ1日で取得できます。

どんな物件がいいの?

焼き肉屋には肉を焼くのに使う網やコンロが必要で、天井には換気扇を設置しなければなりません。そのため、小規模のお店でも30~50坪の広さは必要です。物件を選ぶときには、広さに加えて立地もよく検討しましょう。 焼き肉屋は煙や臭いが出るため、近隣の住宅に迷惑がかからないような向きを選んだり、換気扇の配置を工夫する必要があります。初期費用を抑えるために、焼き肉屋では居抜き物件が使われることが多いです。

スタッフの募集はいつから?

スタッフの募集は、お店が完成する1カ月以上前から始めるのがよいでしょう。開店の直前に募集を始めると、開店までにスタッフの人数が集まらない可能性もあるからです。さらに、開店の直前にスタッフを採用したのでは、教育を十分に行うことができません。 業務マニュアルに沿ってスタッフがスムーズに働くことができるよう、時間の余裕を持って採用し教育することは大切です。スタッフをきちんと教育することで、接客トラブルや衛生不備などの問題を回避できます。

焼き肉屋の開業資金の内訳は?

焼き肉屋を開業するには、物件取得費・設備工事費・厨房機器のための資金が必要です。設備や厨房機器をすべて新品で購入する場合、必要な開業資金は合計で約3000万円です。このほか、お店の営業を続けるための運転資金も用意しておかなければなりません。

運転資金は、開業資金と同じほど重要な資金です。運転資金が不十分であれば、開業後に営業を続けることができなくなり、失敗してしまう可能性が高まります。開店後、軌道に乗るまでの間に黒字化していなくても営業を続けられるよう、6カ月分ほどの固定費を確保しておきましょう。

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焼き肉屋開業までの流れ

ここでは、焼き肉屋を開業するまでの一連の流れを説明します。

1.まず行うのは、物件と立地の選定です。周辺の客層や交通量、季節・時間ごとの人通りの違いなどをよくチェックして物件を選定します。

2.外装・内装工事と設備の設置です。内装は清潔感のあるものにすると居心地がよく、集客に結びつくでしょう。

3.メニューと価格の設定

4.仕入れ先の選定です。利益を確保できる価格を設定したら、品質などを自分で確かめた上で仕入れ先をじっくりと選びます。

5.スタッフ募集と教育

6.宣伝です。スタッフの募集をかけて採用したスタッフがきちんと働けるように教育し、同時に集客のために宣伝も行います。

ここまでできて、ようやく開店できます。

焼き肉屋開業のためのアドバイス

ここからは、焼き肉屋の開業のために、知っておいたほうがよい情報をいくつかアドバイスとして紹介します。

融資先は日本政策金融公庫がよい

開業資金を集めるために融資を受ける際は、政府系の金融機関である日本政策金融公庫を選ぶのがポイントです。このとき、自己資金が0円であれば審査に通らず、融資を受けることはできません。返済のことも考えて、開業資金の3分の1程度は自己資金であることが一般的です。

これは日本政策金融公庫から融資を受ける場合だけでなく、銀行から融資を受ける際にも当てはまることですが、自己資金がどのくらいあるか、ということと同等に事業計画書しっかりしているか見られます。審査に通過して融資を受けられるよう、自己資金を事業計画書はしっかり用意しておきましょう。

古すぎる居抜き物件は避けた方がよい

焼き肉屋では居抜き物件が使われることが多いものの、古すぎる物件は避けたほうがよいでしょう。築年数が3年以上で何度も居抜きをしているような物件は、見た目はきれいでも設備や厨房機器の目に見えない部分が劣化していることが多いからです。

劣化が原因で、設備の故障、不衛生などのトラブルにつながり、そのたびに修理していたら、結局新しい物件を借りていたほうが安くつくはずだった、なんていうオチもあります。

コスト削減は食材ではなく内装や設備で行うとよい

開業資金のコストを抑えたい場合は、中古の居抜き物件を使うか、内装をシンプルにします。ただし費用を抑えても、居心地がよいように清潔感は常にキープしましょう。コストを削減したいからといって、食材のコストをカットして低品質の安物を提供することは避けます。焼き肉屋の肉の品質は客足に大きく影響するため、コスト削減は内装や設備で行うのがポイントです。

宣伝は多種多様な媒体で行うとよい

オープン前の宣伝は、フリーペーパーやポスター、新聞の折り込み広告、駅前で配られるチラシなど、さまざまな媒体でおこなうのが効果的です。他にもホームページを立ち上げたり、「ぐるなび」や「食べログ」といった飲食店の情報を集めたwebサイトを利用するのも一つの手です。複数の媒体で宣伝すれば多くの人の目に留まり、たくさんの人に足を運んでもらえます。

焼き肉屋開業の注意点

焼き肉屋を開業するにあたって、気をつけたいこともいくつかあります。ここでは、注意点を2つ取り上げます。

実は仕込みに手間がかかる

お客さん自身が調理をする焼き肉屋は、厨房の仕事が少なくて楽に感じるかもしれませんが、実際には仕込みに手間がかかります。厨房では、肉の筋を除去し、ホルモン(内臓系)の臭みを取り除き、肉を均一の厚さに切るという作業をこなさなければなりません。

味と値段が評判に直接結びつく

飲食店では、提供するものの味と値段がお店の評判に直結します。そのため、食材の品質や味つけ、盛りつけには十分に気を配る必要があります。食材の品質が悪いと客足は遠のいてしまうので、材料費は削減せずに一定の予算を確保しておくことはとても大切です。

不安な人はフランチャイズ加盟による焼き肉屋開業がおすすめ

個人で開業してうまくやっていく自信がない場合は、焼肉業態のフランチャイズに加盟するのも選択肢の1つです。フランチャイズに加盟するメリットは、すでにネームバリューができ上がっていることです。

独自に大きく宣伝する必要がなく仕入れ先もすでに確保されているため探す必要がありません。飲食店の営業ノウハウも確立されているため、マニュアルに沿って行動すればスムーズに開業できるでしょう。

焼き肉屋開業の成功の秘訣は入念な準備にあり!

焼き肉屋は、飲食店の中でも業態がさまざまで、開業資金も高額です。焼き肉屋で成功するためには、開業する前の入念な準備することが欠かせません。

これからどのような業態の焼き肉がお客さんに求められるのか、繁盛している焼き肉屋とはどういうところなのかを調べて分析した上で、事前の準備と計画をきちんと整えてから開業の手続きをおこないましょう。

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