副業で個人事業主になると会社にバレる?開業届を出すメリット・デメリット

フランチャイズWEBリポート編集部 |2019年11月18日 公開 (2020年07月17日 最終更新)
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働き方改革によって、副業を解禁する大手企業も出てきたことで、副業をしたいと考える会社員が増加しています。しかし、いざ副業をするにしても、どんなことをすればよいのか、わからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、副業におすすめの仕事をはじめ、開業届を出して個人事業主になるメリットやデメリットなどを解説していきます。

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個人事業主とは

個人事業主とは税制上の区分の一つです。小規模で経営する小売店や飲食店を想像するかもしれませんが、会社組織から独立して事業を開始すればすべて個人事業主となります。たとえ会社員として働いていても、会社とは関係のない副業をしているのであれば、個人事業主にあてはまります。

その言葉どおり、法人ではなく個人で事業を営むのが個人事業主です。そして、事業とは営利目的で継続的に商売や経営を行うことを意味します。かつては個人タクシーや商店主、保険の外交員などを指して個人事業主ということが多かったのですが、副業が一般的になってからは個人事業主という言葉の裾野が広がりました。現在では、ネット販売やアフィリエイト、せどりなど、さまざまな業種に従事する人が個人事業主と呼ばれています。

副業で個人事業主になるには?必要な手続きについて

副業で開業届を提出する方法

会社員をしながら副業をするためには、まず開業届を提出する必要があります。ここでは、副業で個人事業主になるときの開業届の提出方法について紹介していきます。

開業届の概要

開業届は事業開始や事務所の新設・移転などの際に税務署に提出する書類で、正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。事業所得や不動産所得・山林所得が生じる事業を始めた人が手続きの対象となります。

開業届に記載する項目

開業届には「税務署名」「提出日」「納税地」「上記以外の住所地」「氏名」「生年月日」「個人番号」などを記載します。その他には「職業」「屋号」「開業先の住所と氏名」「所得の種類」「開業日」「開業に伴う届出書の提出の有無」といった記載項目があります。

「上記以外の住所地」は、自宅以外にオフィスを借りている場合に記載が必要な項目です。「職業」の項目では選択する業種によって税率が変わるため、自分が該当する業種の税率を事前に調べておくことが大切です。このとき、国税庁と県庁で税率の分類が違う場合があるので確認しておきましょう。

「開業に伴う届出書の提出の有無」では、「青色申告承認申請書」と消費税に関する「消費税課税事業者選択届出書」を提出するかどうかを選択します。青色申告を行う場合や消費税を支払う場合はそれぞれ「有」にチェックを入れ、期日内に書類を提出してください。

なお、開業と同時に従業員を雇う場合は上記の項目以外に「給与等の支払の状況」「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無」「給与支払を開始する年月日」を記載することになります。

開業届の費用と関連書類

開業届の提出には費用がかからず、提出する書類も国税庁のホームページから無料でダウンロードできます。

開業届の関連書類としては「青色申告承認申請書」「青色事業専従者給与に関する届出書」「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」などが挙げられます。

「青色申告承認申請書」は青色申告を行いたい場合に提出する書類です。家族や配偶者などに給料を支払う場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しましょう。「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」は、従業員を雇って給与支払いを行う事務所などを開設した場合に提出します。

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副業で個人事業主になるメリット

会社員をしながら副業で個人事業主になる場合、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、会社員が副業で個人事業主になる場合の主なメリットを3つ紹介していきます。

事業所得として申告できる可能性がある

副業で個人事業主になるメリットの1つ目は、副業で得た所得を事業所得として申告できる可能性があることです。事業所得として扱ってもらうことができれば、節税することができます。

ただし、副業で得た所得であれば、自動的に事業所得となるわけではありません。税務署に事業所得として認めてもらうことが必要です。それには「安定的な収入を得ており、なおかつその事業だけで生計を立てているかどうか」がポイントになります。

副業の場合はこれに該当しませんが、その場合でも「広告を出したり、ホームページを作ったりして利益を出すために努力している」と見なされると、事業所得として認められやすくなります。

副業における所得は主に事業所得と雑所得に分けられます。事業所得とは事業としての仕事から得る所得ですが、事業とは認められない小規模の仕事から得る所得は雑所得に分類されるのです。

事業所得と認められれば、後述しますが本業で得た所得との損益通算が可能になります。また、赤字が3年間繰り越せるなど、さまざまなメリットを享受できるようになります。

所得が雑所得に分類されるメリットは多くありませんが、強いていえば確定申告が簡単になるということでしょう。収入や経費の金額を申告書に記入するだけで確定申告ができ、さらに所得が20万円を下回れば確定申告を行う必要もありません。

青色申告ができる

副業で個人事業主になるメリットの2つ目は、青色申告ができることです。青色申告特別控除として所得から最大65万円の控除を受けることが可能なため、大きな節税効果を得ることができます。

ただし、青色申告にするためにはいくつかの条件があります。まず、管轄の税務署に青色申告承認申請書を提出すること。次に、複式簿記による記帳をしたうえで、確定申告の期限内に「賃貸対照表」と「損益計算書」を提出しておかなくてはなりません。

また、赤字は最大3年間の繰り越しが可能です。つまり、翌年の利益から今年分の赤字分を引いて確定申告をすることができるのです。さらに、家族を専従者として給料を出すことで、経費に計上することができます。ただし、家族が専業で働いていることが条件になります。

損益通算が可能になる

副業で個人事業主になるメリットの3つ目は、損益通算が可能になることです。副業で赤字が出た場合、会社員としての給与所得と合算することができるのです。それによって、所得税が減額できるため、給与所得から差し引かれた所得税が還付されることになります。

ただし、副業で赤字を出せば、必ず損益通算ができるわけではありません。損益通算できるのは管轄の税務署に開業届を提出したうえで、副業の所得が事業所得として認められている場合に限ります。

法人用口座が開設できる

副業で個人事業主になるメリットの4つ目は、法人用口座が開設できることです。法人用口座を開設して仕事とプライベートの口座を分ければ、帳簿が整理されて確定申告などがやりやすくなります。法人用口座とクレジットカードを紐づけ、さらに会計ソフトと連携させれば、会計の手間を大きく省くことができるでしょう。

また、事業に使用する銀行口座は顧客が直接目にする機会も多いものです。個人口座よりも屋号が入った法人用口座のほうが顧客からの信頼度が高いのはいうまでもありません。

副業で個人事業主になるデメリット

個人事業主として開業して「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないように、会社員が副業で個人事業主になる場合の主なデメリットを2つ紹介していきます。

失業保険が受けられない可能性がある

副業で個人事業主になるデメリットの1つ目は、失業保険が受けられなくなることです。失業保険とは会社を退職して求職活動をすることになった際、生活に困らないように国から給付金が支払われる制度のことです。

給付には雇用保険に加入している人が対象となりますが、個人事業主になると受給資格を失ってしまうため、気をつけるようにしましょう。ただし、個人事業主の廃業届を出せば、給付金を得られる可能性も出てきます。諦めてしまわずに、管轄のハローワークに相談してみるようにしましょう。

会社にバレる可能性が高くなる

副業で個人事業主になるデメリットの2つ目は、会社にバレる可能性が高くなることです。個人事業主には、確定申告の義務があるので、源泉徴収などの手続きを通して、会社に副業をしていることが知られてしまう可能性があるのです。

会社が副業を解禁している場合は、副業をすること自体には問題はありませんが、副業に制限がある場合もあるので、会社の決まりをきちんと確認するようにしましょう。また、副業そのものを禁止している場合は大きなリスクがあるため、副業は控えたほうがいいでしょう。

会社に副業がバレる主な原因としては、住民税の金額が挙げられます。住民税は本業と副業を合わせた所得にかかってくるため、本業のみの場合よりも住民税の金額が高くなり、会社に副業を知られてしまうというケースがあるのです。

ちなみに、世間で噂されているようにマイナンバーによって副業がバレることは基本的にありません。会社が社員の提出したマイナンバーを利用して副業しているかどうかを調べることはできないためです。

住民税の金額によって会社に副業がバレるのを防ぐためには、確定申告書の記入方法を工夫する必要があります。確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」の住民税の徴収方法を選択する欄で「自分で納付」を選んでください。そうすれば、本業の納付書は会社に、副業の納付書は自宅に届くようになるので、住民税の金額によって副業がバレる恐れはなくなります。

副業で個人事業主になる場合の社会保険と税金は?

社会保険の加入

会社員の場合は、会社で健康保険や厚生年金保険に加入していますが、個人事業主は自分自身で国民健康保険や国民年金保険に加入します。そのため、会社員が副業で個人事業主となった場合、両方入らないといけないと思う人もいるかもしれません。

しかし、社会保険はどちらか1つしか加入することができないのです。そのため、会社員の場合はすでに加入している健康保険や厚生年金保険のままでよく、変更する必要はありません。

税金の計算

税金面に関しては、所得に対して所得税と住民税がかかります。このとき、会社員としての給与所得と副業の所得をバラバラにして、税金を計算するということはありません。2つの所得を合算した金額に対して、税率をかけて算出することになります。

副業で確定申告をするときの流れ

副業を始めるなら、実際に確定申告をするときの手順を大まかに把握しておくことが大切です。ここでは、副業で確定申告をするときの流れを紹介していきます。

1. 所得税額を調べる

納める所得税額は、確定申告書の金額欄を順番に埋めていけばわかるようになっています。所得税額を求める簡単な計算式は以下の通りです。

「総収入」-「必要経費」-「各種控除」=「課税所得金額」

「課税所得金額」×「税率」-「課税控除額」-「税額控除額」=「所得税額」

2.書類を提出する

確定申告を行うときの必要書類には、確定申告書Bや所得税青色決算申告書、源泉徴収票、本人確認書類などがあります。なお、所得控除や税額控除を受けるのであれば、別途で関連書類を用意する必要があります。

確定申告書にはAとBがありますが、確定申告書Aは主にサラリーマンが使用する形式です。そのため、副業で確定申告を行うときは確定申告書Bを使いましょう。所得税青色決算申告書は、確定申告の計算をするときに、収益や経費などをどのように求めたのかということを示すための書類です。

準備が整ったら、住民票にある住所を管轄している税務署へ書類を提出します。直接持参はもちろん、郵送で提出することもできます。そして、国税庁の納税サイトである「e-Tax」を利用すれば手続きがネットで完結するため、そもそも書類を書く必要がありません。初めて「e-Tax」を利用するときは煩雑に感じますが、翌年以降も基本データが残っているので2回目からは簡単に申告できるようになります。

3. 納税する

納税するときは、税務署または金融機関の窓口にて現金納付、QRコードを利用したコンビニ納付、「e-Tax」からの電子納付などの方法があります。また、口座振替で納税する場合は、初回のみ振替依頼書を提出すれば翌年以降は自動で引き落とされるので手間がかかりません。その他に、クレジットカードで所得税を納めるという方法もあります。

副業をしても確定申告が必要ないケース

サラリーマンが副業をしても確定申告する必要がないケースとしては、主に2つのパターンが考えられます。

まず挙げられるのが「支払う税金がない」というケースで、事業が赤字の場合や、副業がアルバイトで給与から天引きされる源泉所得税が本来の金額よりも多かった場合などがあります。

前者については所得がないので当然課税もないということですが、雑所得ではなく事業所得に当てはまるなら注意が必要です。確定申告をしておかないと、本業の所得との損益通算や赤字の繰り越しができなくなるでしょう。また、アルバイトで給与から天引きされた源泉所得税は、確定申告をしなければ還付を受けることができません。そのため、支払う税金がなくとも確定申告は行なっておくのが賢明だといえます。

次に、「給与所得と退職所得以外の所得が合計20万円以下」というケースも挙げられます。ただし、給与などの収入が合計で2000万円を上回っている場合は、副業についても確定申告を行わなければなりません。

個人事業主になりたい!副業で始めやすい仕事とは

会社員は勤務時間内に副業をすることができません。そのため、限られた時間でも取り組むことができる副業が始めやすいといえるでしょう。

おすすめの1つ目は株やFXです。スマホのアプリなどを使えば、簡単に取引ができます。しかも、少額から売買可能です。

2つ目はせどりです。海外のサイトやディスカウントショップで安く仕入れた商品をヤフオクなどのオークションサイトを利用して売れば、思わぬ高値がつく可能性があります。

3つ目はクラウドソーシングです。登録しておくと、自分自身の特技やこれまでの経験を生かして、仕事を受注することが可能です。また、近年ネットやスマホを使った副業も増えています。そのため、自分でブログなどを立ち上げて、アフィリエイトやアドセンス収入を得るという手もあります。

フランチャイズも副業からスタート可能!

フランチャイズも副業におすすめです。ただし、一口にフランチャイズといってもさまざまで、個人で取り組むことが可能で、しかも比較的難易度が低いものに限ります。

たとえば、副業に最適なフランチャイズとしては、学習塾やマッサージ・美容サロン、ブランド品や時計などの買取が挙げられます。

マッサージ・美容サロンなどは、店舗運営を本部に任せて、自分は週末に店に行って管理だけをするなどといった方法が可能なことです。また、必要なノウハウも提供してもらえるため、未経験でもスキマ時間を利用して副業することもできます。

なかには会社員としての収入以上に稼いでしまい、副業を本業にしてしまった人もいるほどです。

スキマ時間で収入アップ!自分に合った副業を見つけよう

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