店舗運営のプロ企業が語る『焼肉ライク』のフランチャイズの魅力! 近鉄グループ担当者に直撃

株式会社近鉄リテーリング 取締役 営業本部 営業企画部担当 市村 正人 |2020年12月06日 公開 (2022年07月06日 最終更新)
株式会社近鉄リテーリング 取締役の市村氏(左)ゼネラルマネージャー中井健氏(右)

一人焼肉を掲げ、個食コンセプトがコロナ禍で追い風になっている「焼肉ライク」。そんな焼肉ライクを大阪で3店舗運営するのは、日本の大手私鉄の一つである近畿日本鉄道株式会社のグループ企業として、小売や飲食事業の運営を担っている株式会社近鉄リテーリング。

自社開発の飲食事業や複数のFC店舗の運営も手掛ける同社が、焼肉ライクのフランチャイズに加盟した狙いや、決め手などを取締役の市村正人氏とゼネラルマネージャーの中井健氏にお伺いしました。

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「焼肉ライク」に加盟したのは、関西では誰もが知る近鉄グループ

関西の人にとって馴染みの深い「近鉄」の愛称で広く知られる近畿日本鉄道株式会社は、大阪府・奈良県・京都府・三重県・愛知県の2府3県で鉄道事業を行なう、日本の大手私鉄の一つ。そんな近鉄のグループ企業として、近畿日本鉄道の駅ナカ店舗をはじめ、サービスエリアなど沿線内外で、さまざまな業態の小売店や飲食店を展開しているのが「近鉄リテーリング」です。

飲食事業だけでも数々の業態を手掛ける株式会社近鉄リテーリング

ファミリーマートなどのコンビニ93店舗、ケンタッキーなどを始めとする大手飲食チェーンなど複数のフランチャイズや、オリジナルの飲食事業を含め100店舗以上の運営を手掛ける近鉄リテーリングですが、2019年に新たに焼肉ライクのフランチャイズに加盟すると、立て続けに3店舗を出店。さらに2店舗の出店を進めていると言います。

この取材では、そんな店舗運営のプロ企業からみた「焼肉ライク」のフランチャイズ事業の魅力について掘り下げていきます。

今回、お話を伺ったのは…

焼肉ライクの市村 正人

株式会社近鉄リテーリング 取締役 営業本部 営業企画部担当
市村 正人

焼肉ライクの市村 正人

株式会社近鉄リテーリング 営業本部 営業企画部 事業開発チーム 営業本部 レストラン・フード事業部 営業チーム ゼネラルマネージャー
中井 健

焼肉ライクの魅力は、フランチャイズの基本とも言える再現性の高さ

──まずは、近鉄グループにおける「近鉄リテーリング」の位置付けから教えてください。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

簡単にいうと、近鉄駅の構内および駅周辺に食とサービスを提供する会社です。具体的にはコンビニエンスストア(以下、コンビニ)を始めとする小売店や飲食店をメインに展開しています。駅の中の空間を提供する“空間提供業”といったほうが分かりやすいですかね。

コロナ前の段階でそういった店舗が108店あって、そのうちの7割がオリジナルの業態、残りの3割がフランチャイズに加盟している業態です。

──飲食事業だけでみても業態も様々ですね。フランチャイズ業態もモスバーガーやケンタッキー、ドトールなどに加盟されているんですね。さまざまなフランチャイズに加盟するフランチャイジーとして、「焼肉ライク」の魅力はどういったところにあると感じていますか。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

焼肉ライクの魅力は、なんといってもオペレーションがシンプルなところですね。ポーションカット(すでにカットされた肉)で仕入れるので、あとは分量を測って並べて、お客さまにご提供するだけ。調理といったらご飯を炊くくらいなんです(笑)。

駅の中によくフレッシュジュースを作って出しているお店がありますよね。あれよりも簡単ですよ。

──飲食店なのに、まさかジューススタンド業態より簡単とは驚きです。「簡単で誰でもできる=再現性」が高いということですが、フランチャイズのあるべき姿ですね。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

そう思います。焼肉ライク事業はオペレーションがシンプルだから、教育の時間が必要ないんです。マネジメントや店長教育も含めて、3日もあれば十分なシンプルさじゃないですかね。通常だと、オペレーションを習得するのに結構な時間を必要とすることが多いので、その次の段階にあたるマネジメントなどに時間を割くには数年はかかります。

この間、あるフランチャイズのオーナー研修に行ったんですよ。それまで知らなかったんですが、調理の工程がとても複雑で、「こんなことまで店舗でやるの?」という感じで。これを1週間や10日で習得するなんて無理だ、これこそプロの仕事だなって思いましたよ。

でも、「焼肉ライク」は3月のオープンから入ったスタッフがもうマネジメントの勉強をして、店長へステップアップしようとしているスタッフもいますよ。

焼肉ライクの盛り付けイメージ
提供はお肉を並べるだけ、注文から3分以内の提供を可能にしている焼肉ライクの盛り付けイメージ
──まだオープンして半年で店長は早いですね。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

じつは半年どころか、1ヶ月でその状態でした。ほかの業態では1年あっても難しいので、スタッフのスキルアップの面でも非常にいい業態だと思いますね。

あと、個人のスキルに頼らなくていいのも「焼肉ライク」のメリットの一つです。お肉を焼くのはもちろん、注文、店舗によっては会計すらもお客さまご自身でやりますから。極端な話、従業員は「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」が言えればお店を回せるくらいなんです。

──焼肉ライクの洗練されたオペレーションの凄さが伝わってきます。では、その他の部分で近鉄リテーリングの飲食業態と違いはありましたか。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

「焼肉ライク」はほかの業態と比べてクレームが少ないんです。 少ないというか、クレームがあったなんて聞いたことないんじゃないですかね。というのも、お客さまご自身で調理して好きなように食べていただくので、焼き加減や味付けなどクレームになる要素がないんですよ。他の食べ方に地域性のある飲食業はそうはいきませんね。

現時点で加盟しているフランチャイズの中ではもちろん、私が把握している限りでは、もっともオペレーションがシンプルなフランチャイズじゃないですかね。本当によくできたシステムだと思いますよ。

新橋で大繁盛する焼肉ライクの姿を目の当たりにして加盟を決意

──2019年12月に焼肉ライクとフランチャイズ契約を結び、2020年3月には「焼肉ライク天満関テレ前店」と「焼肉ライク大阪福島駅前店」の2店舗をほぼ同時にオープン。6月には3号店となる「焼肉ライク近鉄鶴橋駅店」もオープンしました。まずは、「焼肉ライク」への加盟の経緯を教えてください。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

新橋に「焼肉ライク」の直営1号店がオープンした頃に行ったんですよ。その時は行列でお店に入ることはできなかったんですが、その後社内で「焼肉ライク加盟どうですか?」という話がでて、すぐに焼肉ライクの本社まで話を聞きにいきました。

焼肉ライク新橋本店の店内
2018年8月29日にオープンした焼肉ライク新橋本店。高回転を売りにするも連日店先に列をつくる大盛況
──すごい急展開ですね。始めからご存知だったということでしょうか?
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

「焼肉ライク」の前社長の西山知義氏に憧れみたいなのがあって、もう20年も昔の話ですが、「牛角」のフランチャイズに加盟したいって思ったことがあったんですよ。

──焼肉ライクを立ち上げた西山氏(現ダイニングイノベーション会長)は、「牛角」の創業者でもありますね。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

そうなんです。当時牛角のフランチャイズに加盟している知り合いがいて、その人に牛角の店内を見せてもらったら、お肉はすべて一つずつ袋分けされていて、注文が入ったらハサミで袋を切ってお皿に盛り付けるだけ。

それを見て「これはすごい!」「やってみたい!」と感銘を受けました。でも、フランチャイズに加盟したいって思った時には、牛角の店舗はたくさんできていて、加盟のタイミングを逃してしまいました。

なので、今度、西山氏が何か新しいことを始めるってなったら、弊社に合ったものであれば参画したいって思いが最初からあったのは事実です。

──それで焼肉ライクの新橋本店に足を運ばれたんですね。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

そうなんです。行列で入れなかった数日後、改めて焼肉ライク新橋本店に伺ったんですが、ちょっと呼び捨てで申し訳ないですが「さすが西山」って思いましたね。

というのも、弊社でも個食への需要を感じていて、「その対策を」と言われていたところだったんです。西山氏は見事に1人焼肉というコンセプトでお店を作りあげてるなって。

しかも、新橋は夜はお酒をガンガン飲んで、昼は安い定食を食べるという地域イメージがあったので、ほとんどアルコール類を頼まれることの無い、いわゆる定食屋の焼肉ライクが新橋という立地的に成立しないと思っていました。ところがいつ行っても行列で、「これは早くフランチャイズに加盟しないと」って思ったんです。

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3号店はコロナ禍にもかかわらずオープン初月から黒字

──昨今、人手不足が叫ばれていますが、採用に関してはいかがでしたか。
焼肉ライクの市村 正人

中井 ゼネラルマネージャー

1号店と2号店は150名くらい、3号店にいたっては300名くらい応募がきました。

──近鉄リテーリングの他の飲食事業と比べるとどうですか。
焼肉ライクの市村 正人

中井 ゼネラルマネージャー

新規オープンは人が集まりやすい傾向にあるんですが、300名というのはこれまで聞いたことがない数字ですね。

カフェ業態は比較的、人が集まりやすいんですが、弊社がオリジナルで展開している「カフェチャオプレッソ」でも多くて50名くらい。居酒屋となると定員割れどころか、お店によっては求人を出しても1人も応募が来ないことも珍しくないですよ。

──そんななか150名、300名から応募が来るのはすごいですね。3店舗ともコロナ禍のオープンになりましたが、売上はいかがでしょうか。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

1号店と2号店は就労人口が多いエリアなので、新型コロナウイルスによる打撃は否めず、酷い時で7割程度、今は8割くらいまで売上が戻ってきてますね。

6月にオープンした3号店の鶴橋駅店は、想定よりも売上が良くてオープン初月から黒字です。

──鶴橋といえば、大阪の人なら知らない人はいないぐらいの焼肉の街ですよね。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

そうですね、鶴橋駅の構内にお店があるんですが、鶴橋駅はホームにいるだけで焼肉の匂いがするような場所です。焼肉の匂いは他店に任せて、うちは身を取ろうって(笑) これは冗談ですが、改札内(ラッチ内)って結構特殊で戦略が見事にあたりましたね。

鶴橋駅って広くて改札が遠いんですよ。なので、定期を持っていたとしてもわざわざ改札を出て食事をしにいこうなんてなかなか思わない。駅構内にも焼肉の匂いがするもんだから、お昼や夕方に電車を降りると食欲を満たしたくなるんでしょうね(笑)

鶴橋駅の周辺には多くの焼肉店が軒を連ねる。大阪市内屈指の焼肉店密集地
──焼肉ライク鶴橋店は駅の構内にあるということですが、利用される客層はいかがですか。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

ビジネスパーソンはもちろんですが、高校生や大学生くらいの女性のお客さまが友達同士でご来店することも多いですね。この女性客の多さには焼肉ライクの本部の方も驚いていました。

経費面も本部に提示された収益モデル通りなので、新型コロナウイルスがなければ1号店も2号店も含めて全店黒字だったでしょうね。テレワークが解消されたら少しずつ回復すると見込んでいます。

近鉄リテーリングが運営する焼肉ライク鶴橋駅店
3号店の「焼肉ライク鶴橋駅店」は近鉄鶴橋駅の駅構内にある

焼肉ライクはウィズコロナにほぼ完全に対応

──今後、飲食店は特にウィズコロナが課題になってくると思いますが、「焼肉ライク」は1人焼肉という点でかなり相性が良さそうに感じています。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

まさにその通りで、オープンして気付きましたが、「焼肉ライク」はウィズコロナにほぼ完全に対応していると言ってもいいと思います。

ラーメン店の『一蘭』ってありますよね。あそこは両脇に仕切りになった壁があるだけでなく、1席ごとのサイズ感も十分に取られている。通常なら席を間引いてソーシャルディスタンスを確保しないといけませんが、それが最初からできた設計になっています。さらに、前方のすだれを開けて店員さんがラーメンを運んでくれるので、人との接触機会を減らすことにもつながります。

コロナの感染予防策として、飲食店では『一蘭』がパーフェクトだと思っているんですが、それに匹敵するくらい「焼肉ライク」もコロナ対策ができていますね。

──“1人焼肉”というコンセプトが、コロナ対策にもつながっているんですね。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

そうなんです。見通されていたわけではないと思いますがばっちりハマっています。

ラーメン店のカウンターなどは席と席の間隔が60cmより少し狭いくらいなので、衝立を設置するとなると狭くなりすぎて、結果席を間引かないといけない。

ですが、焼肉ライクはもともと、おひとり様がメインターゲットなので、席の間隔がきちんと設けられている。席と席との間にアクリル板を立てる必要はありますが、客席を間引く必要がないので、従来の設計でそのまま通用しますね。

アクリル版で区切られるも一人あたりのスペースがしっかり確保されている焼肉ライクの客席
──無縁ロースターが一席に1つ設置されているので、換気能力の高さもコロナ禍ではプラスですね。
新型コロナウイルス対策として、店舗の換気能力の高さをアピールしている焼肉ライク

おひとり様への手応えと今後の展開

──元々社内でも課題とされていた、おひとり様対策ですが、焼肉ライクに加盟した手応えはいかがでしょうか。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

鶴橋店をみても男性だけでなく、女性客も集客できています。今、フランチャイズでおひとり様のライフスタイルに対応したチェーンって「焼肉ライク」以外にあまりないと思います。

そもそも“1人焼肉”というのが既にほかとの差別化になっているので、それだけでも先行者利益になるんですが、今ならウィズコロナにおけるライフスタイルにもマッチしているので、ダブルで先行者利益を得られると思っています。

今はまだコロナが収束していないので、脅威となるような競合が簡単に参入してくることはないと思いますが、今後はもしかしたらおひとり様需要を狙ったチェーンがタケノコのように出てくるかもしれませんよ。「焼肉ライク」に加盟するなら今だと思います。

──最後に、近鉄リテーリングの焼肉ライク事業の今後の展開について教えてください。
焼肉ライクの市村 正人

市村 取締役

コロナ以前は3年でトータル10店舗くらいのオープンを見据えていました。でも状況が少し変わって、今、新規で2店舗のオープン準備を進めているので、直近ではトータル5店舗まで拡大する見込みです。そのあとは様子を見ながら拡大させていきたいですね。

──ありがとうございました。

株式会社近鉄リテーリング 取締役の市村氏(左)ゼネラルマネージャー中井健氏(右)

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