販路企画 代表田口 勝
2016-11-18 フランチャイズWEBリポート編集部コラム
販路企画 代表 田口 勝

コンビニ経営は悲惨?地獄?セブン出身のコンサルタントの視点


前回に引き続きコンビニのコラムとなります。

このコンビニコラムに監修としてご協力いただいている田口氏、現在はコンサルタントとしてご活躍中ですが、以前は業界最大手セブンイレブンにて店長、スーパーバイザー、(※セブンイレブンではオペレーションフィールドカウンセラー(OFC))マネジャーをされたご経験をお持ちです。

コンビニ本部はどのようにしてオーナーを支援しているのか、セブンイレブンの強さの秘密、コンビニオーナーに向いている人の特徴などを解説いただきます。

コンビニ業界大手3社の加盟制度の違いをおさらい

まずは業界大手3社の特徴をおさらい。

コンビニエンスストア業態では、オーナーは経営者としてお店の管理はもちろん、スタッフ管理も含め店舗の運営を考えることに専念しなければ、なかなか成功するということは出来ません。そのため、基本的には2人の専従者を要件としております。

最近では、「1人開業も可能」という加盟プランを用意しているコンビニ本部もありますが、1人でオーナーになるということは全ての責任を自分1人で背負う。ということにもなります。体調管理はもちろん、自分に何かあった場合には全てを任せられる信頼できるスタッフを教育しておく必要がありますね。どちらが良いかは、オーナーになられる方のご判断になります。

そして契約方式としては、土地・店舗を本部が準備するものと、加盟店が準備するものと大きく分けると2つが存在します。

本部によっては、更に細かくプランを用意していることもありますので、ぜひ各社を横比較し、ご自身にあった本部を選定して頂きたいと思います。

筆者からは、どこの本部が良いといったことは客観性に欠けますので差し控えさせていただきます。

業界No.1セブンイレブンの強さは徹底と変化への対応だった

次に業界1位のセブンイレブンについてお話をさせていただきます。

セブンイレブンは、店舗数、平均日販共に業界1位であり、2位のファミリーマートに対してチェーン全体の売上はまだまだ大きな開きがあるというのが実状です。

その秘訣は何なのでしょうか?私は下記の2つの点から成り立っていると考えています。

1つ目は『徹底度』ではないでしょうか?

フランチャイズは別の独立事業者から成り立つチェーン方式です。そのため、直営店のように『やれ』と、社長の命令1つで実行できるような環境にありません。

セブンイレブンの徹底度は非常に高く、徹底度が高いことにより、商品やサービス、鮮度、クリンリネス等が標準化されています。これは直営店では当たり前の話であってもフランチャイズになると当たり前ではありません。

それらを実現するためには、加盟店オーナーさんが、本部が指導することに対して満足度、信頼感を感じていなければ実行することは出来ません。その満足度の源がセブンイレブンのスーパーバイジングであり、このスーパーバイジングの質の高さが要因であると言われています。

その秘訣は、セブンイレブン本部で行われているFC会議にあると言えるでしょう。

このFC会議では、商品情報やキャンペーン情報の共有はもちろん、スーパーバイジングの仕方による成功事例等が共有されます。この情報共有のため、全国のOFCが本部に集まり、加盟店オーナーの支援を考え、OFCを通じて全加盟店オーナーに共有されていくのです。

この情報共有が加盟店へ質の高いスーパーバイジングを可能にしていると言えるでしょう。

スーパーバイザーに質の高いスーパーバイジングの仕方を共有することで、標準化を図り、より質の高い情報を全てのスーパーバイザーが共有することが出来ているのです。

2つ目は時代の変化への対応ではないでしょうか?

セブンイレブンは、業界に縛られることなく、お客様のニーズの変化をビックデータから読み解き、マーケティング戦略を立案し、商品を変え、売る環境を変え、売れるための販促を変え、品揃えを変え、接客を変えることで売上を伸ばしています。

このマーケティング戦略の強さは、コンビニだけでなく、他業界からも注目される内容となっています。この強さがセブンイレブンの強さと言えます。

よく聞く「コンビニオーナーは本部の奴隷」は本当か?

インターネットではよく『コンビニのオーナーは奴隷だ』などという事が言われていますが、本当に奴隷なのでしょうか?

確かに24時間365日店舗を開店することは非常に大変です。そういう意味では、そのような話が上がってくることも理解はできます。

しかしこれは、そもそも起業に対する考え方が大きく間違っていると私は思っています。

私は、コンビニの店長も経験しました。その上で、独自のビジネスモデルで独立起業をした方が数倍も大変だと思います。起業は全て自己責任の世界であり、売上の事も店舗に入らないといけない事も利益の事も最終的には全て、独立事業者つまりオーナーさんの問題であるという認識を持つことが必要です。

起業は社員ではなく、あくまで経営者になることなのです。

個人事業にはないFCのメリット、本部の支援を活用しよう

さて、ではオーナーは経営者だからすべての責任はオーナーだと言って、本部社員は加盟したオーナーさんが大変でも全く気になっていないでしょうか?

元本部社員で現在全く違う立場の私でもはっきり言えます。

本部社員はオーナーさんが儲かるために何をすればいいかと本気で考えています。これはどこのチェーンでも同じではないでしょうか?
例えばこんなことを行っています。

売上管理

オーナーさんの店舗の商品の品揃えや発注情報、販売状況、廃棄状況等は本部社員のパソコンから閲覧することができます。毎日それを確認し、販売状況を確認し、臨店の際や電話で発注や品揃えのアドバイスを実施しています。

スタッフ管理

従業員の採用や教育の問題があれば、店内体制を構築する仕組みについてアドバイスを行い、実際オーナーさんが教育をすることが出来なければ率先垂範を行い、実際に教育の仕方をオーナーさんに教育しています。

緊急時

災害等の緊急時は、担当する店舗にすぐにでも駆けつけることができる対応が出来ており、停電等の被害状況の把握や対応をすぐ実施しています。

ここまで実施するスーパーバイザーは他のフランチャイズチェーンでは皆無と言ってもいいでしょう。

このように、本部はオーナーさんの事を本気で考え、店舗の売上を上げるための支援を惜しまず、万が一のときのバックアップを準備しているのです。これでも「コンビニオーナーは奴隷」と言えるでしょうか。

自分のお店を持ったが、経営が上手くいかないと誰でも悲惨です。

経営において安心安全の保障はないので、悲惨や地獄という言葉は、何が悲惨でどの点が地獄かを判断し、地獄を見ない方法を考えていただきたいと思います。

オーナーは経営者として本部が用意しているこれらの支援体制を最大限活用することで、フランチャイズに加盟したメリットになると言えます。

悲惨なお店を作らないために出店サポートに力を入れる本部

更に他のフランチャイズチェーンとコンビニチェーンの大きな違いについてお話しをしていきたいと思います。例えば、商圏調査力、出店調査力、物件交渉力が挙げられます。

コンビニエンスストアの商圏調査力、出店調査力は、店舗展開を行うチェーン店の中でずば抜けていると言えます。あるフランチャイズでは、『大手の近くに出しておけばOK』や『人口数だけ見てOK』等と非常に安易なアドバイスを実施しているのに対して、コンビニエンスストアチェーンは、開発担当者が独自でほとんど物件を発掘し、調査し、収益を予想し厳選をしているのです。

そのため、他のフランチャイズチェーンとは出店の精度が全く違います。

具体的な調査結果は、オーナーは見ることは出来ないと思いますが、店舗の位置を決定するまでに非常に多くの調査を実施し、分析し、選定を行っているのです。

オープンはしたけどお客様が来ない。という悲惨な状況を作らないように本部は出店の際もオーナーの支援を行っています。

経営において安心ということはないですが、この本部の支援はあるとないとでは大きく変わることでしょう。

コンビニ経営に向いている人、向いていない人

最後に、よく聞かれるコンビニ経営に向いている人、向いていない人について。

コンビニ経営に向いている人は、以前のコラムでも明記しましたが、コンビニのオーナーさんは経営者であり、教育者です。教育を行うことが億劫な人は向いていないと思います。

逆に、商売に前向きで積極的であるという人はコンビニ経営に向いている人であるとも言えます。更に本部の指導を柔軟に吸収し、前向きに積極的に行うことができる人も向いている人であると思います。

コンビニオーナーであろうと独立した経営者という認識をもっていれば、コンビニ経営程、バックアップのある事業はないことに気付かれることでしょう。

独立を検討の際、一度はコンビニという業種を検討して頂きたい事業であると思います。

監修:販路企画 代表  田口  勝 氏

編集:フランチャイズWEBリポート編集部

Posted by フランチャイズWEBリポート編集部

当サイトの運営をしています。フランチャイズと言われると、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。しかし、今日街を歩けばコンビニ・ファストフード店などを始めとする、様々なFCを発見することができます。このページでは、そういった世の中にあふれているけど、意外と知らないフランチャイズビジネスについて発信していきたいと思っています。