ファミリーマートとサークルKサンクスの経営統合による業界ランキングの変化

フランチャイズWEBリポート編集部 |2015年03月12日 公開 (2018年04月09日 最終更新)
ファミリーマートとサークルKサンクスが経営統合

コンビニ業界三位のファミリーマートと四位のサークルKサンクスが経営統合する(2016年9月予定)という衝撃的ニュース。これによって業界はどう動くのか、その影響を考察してみます。

独立開業やフランチャイズ情報をお届け!フランチャイズWEBリポート公式LINEはこちら

ファミマ+サークルKサンクス、業界トップに名乗りをあげるか

2015年3月10日、ファミリーマートの中山勇社長とユニーグループHDの佐古則男社長が経営統合を目指し、協議を始めることを記者会見にて正式発表しました。

2016年9月には両チェーンが統合することになりますが、持株会社を設立するようです。そしてブランドを一本化したコンビニ事業やユニーグループのスーパー事業などもこちらの会社で運営されることになるのでしょう。

そして統合となると、店舗数で言えば業界トップのセブン-イレブンを超えて1位に踊り出る可能性が高くなります。(現在セブン-イレブンの店舗数は1万7277店、ファミリーマート+サークルKサンクスは1万7599店 ※ライブドアニュース「ファミマ、サンクス飲み込みで業界に“玉突き”再編勃発か ローソンのポプラ買収観測も」より)

全店売上高で見ると、セブン-イレブンはやはり手強く1兆円ほど、ファミリーマート+サークルKサンクスよりも上回っていますが、業界2位のローソンには9000億円ほど差をつけて上回っているようです。

業界2位から3位になるローソン、5位から4位になるミニストップは?

ファミリーマート+サークルKサンクスが店舗数では1位、全店売上高では2位となるので、2位から3位にランクダウンするローソンの行方が気になるところです。昨年ローソンは、業界トップ10にも入ると言われるポプラと資本提携していましたが、買収に進展するか否か。

業界5位のミニストップは、小売業界トップのイオングループを親会社に持ちますが、スーパー事業は好調なものの4位に繰り上がるとはいえ、業界トップ3の牙城は崩すことはなかなか難しいでしょう。

ミニストップに関しては、ポプラと同様、業界の中堅クラスで神奈川に本部があるスリーエフと資本提携(四国エリア)業務提携をしているので、こちら同士で組むことも考えられますね。

今回の経営統合に関して、コンビニ+労務の専門家、安紗弥香氏の意見は?

こうして業界が大きく動くとき。気になるのは看板、そして何といっても既存のオーナーがどうなるのかですよね。 コンビニは店舗ビジネス、ひいてはフランチャイズ業界でも代表的な存在で、きっちりとマニュアル化がされている業態でありながら、そこで働くオーナーだけでなく正社員やアルバイトなど、人が主役という側面もあるのではないでしょうか。

そこでフランチャイズWEBリポート編集部は、コンビニ業界の現場・労務知識にも造詣が深い社会保険労務士の安紗弥香氏(フランチャイズ研究会所属)に、今回のビッグニュースについての話を伺うことにしました。

安氏は、コンビニ本部の出身者でありストアオペレーションに関する業務(店舗運営、業務のスリム化、マニュアル化、研修)に携わった経験があるのだとか。コンビニの現場に通じ、労務のスペシャリストでもある彼女は何を思うのか。以下、安氏による意見を掲載します。

「以前から話は何度も浮上していた統合ですが、このタイミングで具体化したことに、私はあまり良い印象を抱いておりません。その理由は以下の4点です。」

1.ファミリーマート、サークルKサンクスなどコンビニだけでなく、GMS事業(大規模小売店事業)においても既存店前年比が落ち込んでいる

2.ファミリーマートはam/pmとの統合でブランド統一を果たせたが、その後、出店攻勢を優先させたことで既存店サポートの体制に不安要素を残している(規模拡大による効果がイマイチ出ていない)

  1. ユニーグループは独自路線を貫き、サークルKとサンクスのブランド統合についても行わず来ていたことから、オーナーはブランド統合への不安がぬぐえない(なぜここにきて?という動揺)

  2. 3つのブランドが統合されることになると、元ampm加盟店からすれば、またブランドが変わる可能性も秘めている →契約条件の変更やオペレーションの覚え直しなども再び発生することになり、本部だけでなく加盟店の体力消耗につながる

「正直なところ、内部体制が不安定な状況下での統合なので、このままいくと、さらなる混乱が発生していくのではないか…と思ってしまうのです。 本当に統合を行うのであれば、下地をしっかり作りながら、統合を進めていかないと、スケールメリットを活かせないまま、不安定な統合を果たすことになります。」

改めて安氏執筆のコラムをフランチャイズWEBリポートでも掲載予定なので、そこでは経営統合することでオーナーや働いている正社員やアルバイトがどうなるかなどについても触れてもらいます。

引き続き、来秋の経営統合までの動きを追っていきレポートしていきたいと思います。

編集部厳選!注目フランチャイズ特集

ファミリーマートとサークルKサンクスが経営統合

記事は気に入っていただけましたか?
「いいね!」で応援よろしくお願いします

新着情報をお届けします♪