FC本部社長ビデオインタビュー

(一社)日本フランチャイズチェーン協会 専務理事 伊藤 廣幸 氏

日本フランチャイズチェーン協会 伊藤 廣幸 氏
日本フランチャイズチェーン協会のロゴ

伊藤廣幸(いとう ひろゆき)氏プロフィール

一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)専務理事として2013年5月より就任。前職は株式会社ローソン、社長室に勤務。現CEO新浪氏の補佐業務に従事するかたわらJFA業務に携わる。専務理事着任前は、JFAにおいてCVS(コンビニエンスストア)担当部長の経験も。他に、組織委員会委員長及び酒類対策PT、成人向け雑誌対策PT、医薬品規制緩和対策PTの各座長や渉外業務などを務める。

2023年に独立開業や新規事業検討者が選んだビジネスベスト30

新専務理事はコンビニ業界のスペシャリスト

フランチャイズWEBリポートでは、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(以下JFA)を取材して今回で二度目を数える。前回は、前専務理事の木村氏 (※JFA、専務理事という役割について詳細にふれているので参考に見ておくことをおすすめする)

木村氏は株式会社ファミリーマート出身という経歴の持ち主であったが、対する今回の伊藤氏は株式会社ローソン出身である。ローソン現CEOの新浪氏の側で社長室に勤務するかたわら、JFAでの活動にも携わってきた。

コンビニ業界に精通していることもあって、専務理事に就任する前はCVS(コンビニエンスストア)担当部長の経験がある。プロフィールを見るとわかるかと思うが、やはり業界に関連した業務をJFAでも行ってきた。

そして、JFAの専務理事に着任。フランチャイズ業界は、コンビニエンスストアに限らず多種多様な業種業態が集まっている。その中で、フランチャイズ本部を会員として発掘し、正しいフランチャイズ本部の在り方を伝える役目をJFAは担っている。
新専務理事が考えるフランチャイズとは。JFAの役割とは。そして専務理事として彼はどう在ろうとしているのかを動画の中で語ってもらった。

発信力を高めるのには理由がある

日本のフランチャイズチェーン数は1286。その中の約2割、268のチェーンがJFAに加盟している。

JFAが日本の本部を会員化する背景としては、一定の基準を設け本部を会員化することで、加盟希望者が本部の情報収集をする際のひとつの判断基準とする狙いがあるのであろう。

動画で伊藤氏も述べているが、「フランチャイズ本部には曲がったことをしている本部がある」のも事実だ。しっかりと運営している本部が多数いても、一定数そのような本部がいれば、フランチャイズにはネガティブなイメージがつきまといやすくなる。
伊藤氏が述べていたJFAの役割とは、「いかにフランチャイズが健全性をもって発展しているかを発信し続けること」

フランチャイズとは元来、起業と雇用を増やし社会を豊かにするために有益なシステムなのだ。これが正しく理解されず、眠ってしまうのはなんとももったいない話である。

常にアグレッシブな専務理事

動画でも話にあがったが、伊藤氏は十以上もの各自治体の委員に所属している。
自身が前に出ることによって、(業界のことを)積極的に発信したい。それがトップの責任。

このような言葉からも、彼がいかにアグレッシブな人物かがかいまみえるのではないだろうか。今回のフランチャイズWEBリポートへの動画出演もその表れである。 カメラに映っていない場面で、こんなエピソードがあった。

伊藤氏と昼食を供にしたのだが、インタビュアーとカメラマンが弁当を半分ほど食べたところで、彼はすべて食べ終わってしまっていた。(因みに豆腐ハンバーグなどが入った、ヘルシー弁当という同じものを三人で食べていた)

外回りなどで慌ただしくしているトップセールスマンとでもいうのか。彼にはそのような一面が感じられた。

そして、「誰よりも朝早く出社し、誰よりも遅く退社する」のだという。 JFA主催のセミナー、会員希望の本部との面談も専務理事みずから積極的に参加する。本部との顔合わせの機会を多く持とうとすることで、常に本部に対して、業界に対してアンテナを張っているような。そんな気さえしてくるのだ。

 

新会長が掲げる『五本の矢』とは

JFAロゴ

伊藤専務理事が就任した2013年5月。 JFA会長も前任の櫻田厚氏(株式会社モスフードサービス代表取締役社長)から、山本善政氏(株式会社ハードオフコーポレーション代表取締役会長兼社長)に引き継がれた。
新たにJFA会長となった山本氏がかかげた『5本の矢』という基本方針について伊藤氏もふれていたので、ここでその中身を紹介したい。

山本新会長が掲げる『五本の矢』

1.倫理綱領の再確認
(イ)定款および規約の見直しの検討
2.理事会開催日の充実と時間の有効活用
(イ)FC本部の見学訪問の実施
(ロ)三部会の相互情報交換と合同勉強会の実施
(ハ)トップ同士の交流による信頼関係の構築
(ニ)理事各社の近況報告タイムの提供
(ホ)各会合後の親睦(会食)の実施
3.新たなる会員の発掘
(イ)会員発掘のプロジェクトチーム作り(協会役員OBの活用等)
   新規入会目標:正会員20社、準会員20社、研究会員 30社
4.社会のインフラとしての連携強化
(イ)非競争分野での連携・協力(安全・安心なまちづくり、環境保全等)
(ロ)行政・地域経済団体・消費者の活動に協力
(ハ)地域振興・支援に協力
(ニ)災害時の地域支援に協力
5.内部体制の点検・見直し・強化
(イ)組織のあり方の検討(委員会機能の見直し等)
(ロ)フランチャイズエイジの充実
(ハ)JFAホームページの充実

※平成25年度 JFA会長重点方針 【五本の矢】文書より引用

フランチャイズ業界を強くすることは、日本産業のインフラ化につながる

筆者は前述の『五本の矢』、そして伊藤氏のインタビューの中でフランチャイズ業界というひとつの大きな業界をまとめあげ強くしていきたいという彼らの思いを感じ取ることができた。

いま現在、フランチャイズ業界の市場規模は約22兆円。この数字が更に大きくなれば、日本の産業はより強固になると言っても過言ではないだろう。 本部の学びの場を増やすこと、業種が違えども積極的に交流し情報収集することで一つにする―本部スタッフがフランチャイズのスペシャリストとして学ぶことで本部が強くなって、ひいてはフランチャイズ業界全体が強くなるのである。

(『五本の矢』には記載されていないが、フランチャイズ経営士講座、スーパーバイザー学校はそれぞれ、本部の経営幹部やスーパーバイザーに開かれた資格認定講座だし、業界で起こった問題をタイムリーに取り上げ、問題解決に向けたセミナーの実施なども行っている。)

中立的立場から願うこと

加盟希望者、フランチャイジー向けに、フランチャイズ相談センターの運営も行っている。

フランチャイズ唯一の業界団体である、JFAが相手としているのは本部だけではない。
中立的、公平な立場から、本部とフランチャイジーが正しくフランチャイズという合理的なツールを活用することを願うのは、JFAも私たちも思いは同じである。

[名 称]  一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会
[英文名称]  Japan Franchise Association
[所在地]  〒105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目6番2号 第2秋山ビル1F
[TEL] 03-5777-8701  [FAX] 03-5777-8711
[ホームページ]  http://www.jfa-fc.or.jp/

2023年に独立開業や新規事業検討者が選んだビジネスベスト30