販路企画 代表田口 勝
2016-01-13 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表 田口 勝

マーケティングのプロが語る!「売上アップ」につながるブランディング戦略3つ

 このコラムのポイント

フランチャイズに加盟するメリットの一つとして考えられている「ブランド力」。なぜブランディングが必要なのか、ブランディングに欠かせない要素とは何か。飛び込み営業も減っている現代、そして消費飽和時代に重要な3つのポイントをしっかりとお伝えいたします!

フランチャイズWEBリポート編集部


ブランディングとは「認知」と「信用」を得ることである

前回のコラムで消費飽和時代に重要な3つのポイントのうちの『差別化戦略』についてお話をさせて頂きました。本日は、2つ目の『ブランディング』についてお話をしたいと思います。

現在、お客様は消費が飽和している時代では、お客様の売り手への警戒感は非常に高い状況となっております。昔はよくあった家へ営業マンが飛び込み訪問し、物品を売ることがありましたが、今ではほとんどなくなっていると思います。

それは売り手側も非常に効率が悪くなっており、簡単にドアが開かないからです。

つまり、お客様は基本売り手には、『疑ってかかっています』

起業されて間もない方は嫌という程、経験していると思いますが、技術や商品は良くても『信頼』がないから売れないという状況。ここを中小企業含めて改善する戦略が『ブランディング』戦略であると思います。

カタカナ文字ですから非常にわかりづらいですので簡単に言うと、

『〇〇』と言えば『〇〇(商品や会社名)』をお客様に認知させ、信頼を得ることです。

『バック』と言えば『ヴィトン』みたいなものです。

よく『ブランディングするためにロゴマークを作りましょう』や『パッケージを変えましょう』といった話がありますが、それでブランディングが出来るのであれば、こんなに簡単なことはありません。あくまでも『ブランドイメージ』であって、ブランディングではありません。『ヴィトン』のバックが『ロゴマーク』でイコール『バック』となったとは考えることは出来ません。 

私は、ブランディングで欠かせないものは3つであると考えております。

それは、『商品』と『評価』と『情報発信』であると思っています。

次からはその3つについてお話をしていきたいと思います。

1.ブランディングされた商品にするには「差別化」することが重要

1つ目の商品についてですが、ここで一番重要なことは『差別化戦略』です。

自身の商品や会社名が何で『〇〇と言えば〇〇』になりたいかということになります。これは店舗型ビジネスであれば、商圏がありますので『〇〇地域の〇〇と言えば〇〇』ということになると思います。

例えば、『〇〇市の価格の安い酒屋』と言えば『ディスカウントセンター〇〇』これも立派なブランドです。『〇〇市の朝7時間まで空いている居酒屋と言えば〇〇』これもブランドです。ブランドを作ると言うと、品質が圧倒的なものでないといけないというイメージがありますがそうではないと思います。

自社が立てた『差別化戦略』がお客様を満足させ、信頼を裏切らないものとして商品化されていることが重要なのです。

2.他社評価があってはじめて「信頼」を受けやすくなる

2つ目の『信頼』ですが、ブランディングは『自己評価』ではなく、あくまでも『他者評価』であるということです。『自分のところの〇〇は地域一番の味です』と言ってもその人にそもそも信頼性がなければ、誰も信じません。

しかし、自身の近しい人から『あそこのお店の〇〇はここら辺では一番の味だよ』と言ってもらえれば、お店やサービス・商品に対して信頼がおけるということはありませんか?つまりこれが『他者評価』なのです。

『他社評価』には下記の2種類の例が挙げられます。

権威ある第三者の団体や発信力ある人からからの評価

1つ目は、権威ある第三者の団体や発信力ある人からからの評価です。

TVの番組で芸能人が食レポに行き、ここの〇〇は非常に美味しいとテレビで言っただけで、次の日は行列ができる。そんなことを見たり聞いたりした方は多いと思います。

消費が飽和しても『誰々が美味しいって言う』と『行ってみたい』と消費を喚起するわけです。つまり、この権威ある第3者や発信力のある人からどのように発信をしてもらうかということが重要になります。

テレビやマスコミや雑誌、新聞、情報媒体、地域の情報発信が出来る人等、発信力の大小があるにせよ、多くいらっしゃいます。ここに情報を発信してもらう仕組みが必要となるのです。

お客様の評価

2つ目は、お客様の評価です。お客様の評価により、口コミが増える。

そんな話をよく聞くと思います。どれだけネットが発達してもリアルでの口コミは強いものです。更にネットでの口コミを書く人は、全体のほんの少しですが、それが、大半の人に大きな影響を与える時代となっています。

つまり、お客様の高い評価を得るだけでなく、情報を発信してもらう仕組みをつくる必要がある時代なのです。

3.口コミサイトやニュースリリースなどでの「情報発信」も必要

1つ目で『差別化された戦略に基づいた商品』を作り、2つ目で『第三者やお客様に評価を頂き、発信してもらう』そのためには、待っていてもしかたありません。

つまり、自社・自店で情報発信が必要となるのです。最近良く言われているのが、『ニュースリリース』です。これは、第三者の権威ある団体や人に情報を発信してもらう仕組みのひとつです。

更に『食べログ』に代表される、『口コミサイト』に記入してもらう。これもお客様の評価を発信する仕組みとなります。

こういった媒体を活用し、自社でSNSやブログ等を通じて情報発信をすることが非常に重要になります。

そこで重要なことは何でも情報発信すれば良いのではなくて、『〇〇と言えば〇〇』を認知して頂き、信頼を得ることが目的なのですから、それに応じた情報発信が必要ということになります。つまりすべてにおいて最重要なことは『差別化戦略』ということになります。

ブランド力を手に入れる一手段として「フランチャイズ」は有効

起業を今後される方や起業して間もない方は、このブランディングの壁が非常に高い障壁として待っています。フランチャイズに加盟するメリットの一番大きなものは、私はこの『ブランド』を手に入れることができることではないかと思っています。

しかし、ブランドは一度確立されれば、大きな売上に繋がるのも事実です。ブランディングで一番重要なことは戦略とコツコツと発信を続けること。

是非、継続して実践されることをお勧めします。

販路企画 代表 田口 勝

大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。マーケティング戦略立案・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。その後、業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部にて10年勤務、店長・スーパーバイザー・マネージャーを経験。退社後は販路企画を立上げ、商圏に基づくエリアマーケティング戦略立案・出店調査・FC本部展開支援・従業員戦力化研修、セミナー講演活動を行っている。