株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2016-02-21 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

繁盛店になるための法則:「仕事の順番」を守る(マップを描いて進む)

 このコラムのポイント

繁盛店になる店舗がやっていること5つのアジェンダと1つ目の「マップを描いて進む」大切さについて触れられたコラムです。繁盛店になるための法則が知りたいオーナーや店長は読み進めてください。

フランチャイズWEBリポート編集部


頑張っても店舗の売上が増えないのは「仕事の順番」を間違えているから

「がんばっているのに売り上げが増えない」

店長やオーナーの悩みは、利益が増えないこと・・・つまるところは、売上が増えないことの悩みが多いのではないでしょうか。

「やることはやっているのに・・・」
「他に店でやっていることは全てやってみた」
「これが良いと薦められた方法をやっている」

それだけがんばっているのにも関わらず、成果が出ない・・・
実は、そう言うお店にはある共通点があるのです。
それは、

「仕事の順番が間違っている」
と言うことなのです。

「仕事の順番」とは、店舗ビジネスを成功させるための不変の大原則のことです。
私が普段、店長やオーナーにお伝えしている「仕事の順番」には、下記の5つがあります。

1)マップを描いて進む:現在地→ルート→目的地
2)PDCAをまわす:PLAN計画→DO実行→CHECK評価→ACTION改善
3)ポテンシャル×吸引力で戦略を作る:ポテンシャル→場所→商品→ひと→価格→販促
4)SPCを正しくまわす:従業員満足→お客様満足→売上→利益
5)6ステップで従業員満足を高める:労働環境→報酬・承認→目標・評価→成長・自律→貢献・責任→感謝・誇り

マップを描いて進む=繁盛店になるために必要な自店の現状を把握

今回は、ひとつめの「マップを描いて進む」についてお話ししましょう。

「マップを描いて進む」というのは、簡単に言うと
「目的地に行くには、現在地を知り、目的地までのルートを知る必要がある」と言うことです。

あなたが、初めての場所に車で行く時、あなたの車に「カーナビゲーション」があると道に迷わずにスムーズに行くことが出来ますよね。

「カーナビゲーション」を使うとき、あなたは「目的地を設定」します。
すると、カーナビは「あなたの車がどこにいるか」を示してくれます。
そして、カーナビは「現在地から目的地までの適切なルートを地図上に示してくれる」のです。

あなたは、そのカーナビの指示に従って道を進み、信号を曲がり、橋を渡り、渋滞道路を避け、時には休憩し、やがて目的地に到着するのです。

ところが、カーナビが無いままで車を走らせたらどうなるでしょうか?

一度行ったことのある場所でも、それが最も早く目的地に到着できる道とは限らないので、カーナビを使うよりも多くの時間がかかってしまうかも知れません。また、道路が渋滞していたとき、どの迂回路が最も適切な道なのか・・・カーナビがないと、あなたにはわかるすべがありません。

実は、繁盛店の店長達は、その多くが「カーナビゲーション」を使っているのです。

彼らは

1.自店舗の現在地を知っています・・・店舗の力(強み弱みなど)を正確に把握しています
2.目的地を知っています・・・目指す店の姿(繁盛店に成長した姿)を正確に認識しています
3.目的地までのルートを知っています・・・どのような順番で強みを活かし弱みを克服していけば良いのかを知っています

一方で、不振店の店長やオーナーの多くは、この3つの要素を全然理解・把握せずに、ただ闇雲に前進しています。だから、走っても走っても目的地に到着できないのです。

がむしゃらにがんばるのは悪いことではない、と私も思いますが、とは言っても、ただ闇雲に進むのはお薦めできません。がんばっているのならば、是非とも、このひとつめの「仕事の順番」をまずは意識してほしいと思っています。

1.現在地を知る

では、この「マップを描いて進む」の中で最も重要な「現在地を知る」についてお話ししましょう。

先ほどもお伝えしましたが「現在地を知る」とは、「今の自分たちの店舗力を知る」と言うことです。

「店舗力」とは、「お客様を引き寄せる力」つまり「売上を伸ばす力」のことを指します。

「お客様を引き寄せる」には、「強み」を活かし、「弱み」を克服していくことが必要です。つまり「現在地」とは、「今のお店の『強みと弱み』を具体的に把握する」と言うことです。

そうすることで、どこを活かし、どこを改善すれば良いのかが見えてくるのです。では、その「強み」「弱み」はどうやったらわかるのでしょうか。

それは、「仕事の順番」の3番目である「ポテンシャル×吸引力で戦略を作る」で詳しくお話しします。
次々回あたりに書かせていただく予定ですのでそれまでお待ち下さい。

2.目的地を知る

「現在地」を具体的に把握することが出来ると、「目的地」もイメージが具体的になってきます。「目的地」とは、「繁盛店の具体的な姿」のことを指します。

この「具体的」というところが、多くのお店が出来ていないのです。
例えば、

「あなたは、どんなお店を目指しているのですか?」

と、お伺いすると、99%の店長、オーナーは、「お客様に愛される店」「地域密着型の店」「スタッフが楽しそうに働いている店」などという「抽象的なイメージ」で答えるのです。

これでは、「銀座1丁目3-3」に行きたいのに「東京」としか答えていないようなものです。「目的地」が「具体的」だからこそ、そこに到達できるのです。

ただ、「目的地を具体的に表現」することは、今までやっていない人にとっては極めてハードルは高くなります。だから、私はまず「現在地を具体的に把握する」所から始めることをお薦めしているのです。

「現在地を具体化」すると「目的地を具体化」することは、いとも簡単に出来てしまいます。

3.現在地から目的地までのルートを決める

最後は、「現在地から目的地までのルートを決める」です。
これは、「現在地」と「目的地」を具体的に決めてしまえば、それを目標の期間で分解すれば良いだけです。

ただし、このルートにも「順番」があります。
それも、3番目の「ポテンシャル×吸引力で戦略を作る」についてお話しする時に詳しくお話ししますね。

と言うわけで、今回はこの辺で。次回は、「仕事の順番その2:PDCAをまわす」です。
お楽しみに。

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。