戦略組織コンサルティング合同会社 代表村上 統朗
2016-05-30 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
戦略組織コンサルティング合同会社 代表 村上 統朗

女性・若者の創業も多い!福井県で起業・フランチャイズ開業したいビジネス

 このコラムのポイント

北陸新幹線開通で賑わいを見せる福井駅、恐竜博物館など観光スポットも充実。国民の幸福度総合評価No.1(2014年)にも輝いた都道府県で、女性や若者の起業も多いのが特徴です。 そんな福井県ならではのおすすめビジネスもあるので、このコラムでチェックしてみてください。

フランチャイズWEBリポート編集部

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福井県の人口事情と起業傾向(社長輩出数順にも注目)

福井県の現状は高齢化進行、人口減少傾向にある

2016年3月1日現在、福井県人口は785,259人と2000年の828,944人をピークに減少傾向にあり、2040年には633,000人にまで減少することが予想されている。人口構成も、福井県の年少人口割合は13.9%から10.8%に、生産年齢人口は60.9%から51.7%に減少し、反対に80歳以上の高齢者が大幅に増加すると推測されている。(出典:国立社会保障・人口問題研究所「都道府県別将来推計人口(2015.3推計)」)

一般的に人口減少は、成長率全体にとっても、一人当たりGDPにとってもマイナス要因として作用することから福井県の経済環境が今後厳しいものになると予測される。

社長輩出数は全国トップ!(人口10万人あたり)

株式会社帝国バンク「2016年福井県社長分析調査」によると、人口 10 万人あたりの社長輩出数は、1982 年から 2015 年まで 福井県が34年連続トップとなっている。国内生産の 9 割以上を担う眼鏡フレーム関連業者や繊維関連企業など独立資本の企業数が多いことなどが理由として挙げられている。

開業件数は3年前より増加傾向。女性や若者の創業が増えている

創業においては、厚生労働省「雇用保険事業年報」(2012)によると、福井県の開業率は 3.8% (廃業率 3.5%)と、全国平均開業率4.6 %(廃業率3.8%)を大きく下回っていたが、日本政策金融公庫福井、武生両支店が発表した2015年度創業融資実績によると、融資件数は4年連続で増加し、2008年度以降では114件と最高となった。

件数は前年度比13件増、金額は、9,700万円減の8億2,400万円であった。女性(前年比5件増)や若者(前年比2倍増の18件)の創業が増え、ネイルサロンなどの美容関連や飲食業での創業が多くなっている。

北陸新幹線開通で賑わいを見せる駅前。商店街の空き店舗が狙い目

昨今の明るい話題としては、2018年の福井国体や2025年の北陸新幹線福井駅開業などがある。北陸新幹線の福井駅開通を前に、福井駅西口再開発ビル「ハピリン」が2016年4月28日にオープンした。ビル内には、福井市観光物産館(通称:福福館)が設置され、福井県内の有名な各種商品やお土産の販売を行っており、大変賑わっている。

また福井駅周辺では、まちづくり福井株式会社が中心となり中心市街地チャレンジ開業支援事業に取り組んでいる。具体的には、JR福井駅周辺の空き店舗を新規創業の促進を図る場として提供している。これによって商店街の空き店舗を減らし、商業の活性化と賑わいの創出を図るために、空き店舗への出店者に対しての家賃や開業経費を補助している。

福井駅前テナント情報説明を福井駅前に店舗出店・オフィス開業希望者向けに開催し、店舗出店に対してのまちづくり福井株式会社の補助・支援制度や福井市中央1丁目のテナント状況説明を実施した。(2016.5.16)

転用:まちづくり福井株式会社facebookページ

さらに市民団体が中心となり「美しくなれるまち」をテーマに美容関連業界と中心市街地の活性化を図る「美のまち ふくいプロジェクト」が実施され、美に関連する新規11店舗が福井駅周辺にて2015年3月1日にオープンし大変活気づいている。

JR福井駅

福井駅西口再開発ビル「ハピリン」

北陸新幹線開通で観光産業を立ち上げることも狙い目

北陸新幹線金沢駅開業により、福井県がまとめた2015年3~7月の県内主要観光地8カ所の観光客数の合計は182万8千人で、前年同期比26.2%増だった。北陸新幹線福井駅が開業すればさらに多くの県外・国外の観光客が福井県へ訪れることが予想されるため、すでに福井駅周辺ではホテル建設ラッシュとなっている。

しかし福井県の観光地は、東尋坊、永平寺、朝倉氏遺跡、恐竜博物館、天空の城 越前大野城、高浜町の若狭和田ビーチ(国際環境認証『ブルーフラッグ』をアジアで初めて取得した)など県内にバラバラに点在しており、観光ルートとしてうまくコーディネートされていない。

こうした観光地をうまくコーディネートでき観光客をおもてなしできる観光事業(旅行プランニング、宿泊、交通、飲食、案内など)および観光に関する事業(お土産づくり、キャタクターづくり、案内サイト、クーポンサイトなど)を展開できれば、時流に乗ることで事業立ち上げもスムーズに行くことが予想される。今が大きなチャンスの時であるといえる。

福井県の起業傾向。注目は学習塾と生活必需品関連

私ごとであるが、2010年から鯖江商工会議所にて創業塾の講師を務めており、鯖江市はもとより福井県内から多数参加いただいている。創業塾への参加者含め福井県における起業は、個人型と法人型の大きく2つに分けられる。

個人型はいわゆる脱サラタイプであり、小資本のサービス業が中心である。これに対して法人型は、事業継承に基づく第2創業または新規事業としての起業であり、比較的経営資源に恵まれ、設備投資が必要な製造業も稀に見受けられる。

個人起業は近年「学習塾」がめざましい

個人型における業種は、多種多様であるが、比較的多い業種は、整体マッサージ、ペット関連、カフェ、美容室、ネイル関連、住宅関連施工、カメラマン、Web関連、学習塾等があげられる。

昨年から今年にかけて顕著に福井県、特に福井市にて開業が見受けられた業種は、学習塾である。

しかし学習塾・予備校費用ランキングにおいて福井県は1世帯あたり年間支出額が17,399円で47都道府県中45位で、首位の埼玉県69,689円の約1/4である。さらに、少子化もすすんでいるため、金額と子供を多くの学習塾が奪い合う構図となっている。

法人の第2創業・新規事業は「生活必需品」「衣食住」に関する業種が吉

法人型における業種は、事業継承に基づく第2創業または新規事業ということもあり、設備投資や運転資金が必要な中古車販売業、居酒屋・ラーメンなどの飲食業などが見受けられる。リーマンショック以降、景気の回復感はなく地元民には生活必需品以外は売れにくいため、どうしても生活必需品、衣住食に関する業種に絞られてきてしまう。

福井県でフランチャイズ開業するならおすすめの業種

福井県でフランチャイズ独立するなら「惣菜・デリカ」が狙い目

今後フランチャイズで独立するならおすすめの業種は惣菜・デリカである。福井県の女性の就業率は 50.9%で、全国2位となっている。全国の 47.1%を大きく上回っており(総務省「国勢調査」より )調理食品、惣菜の利用頻度が高い。

惣菜など20品目のうち、福井市の消費金額が1位なのは「カツレツ」「やきとり」「天ぷら・フライ」「コロッケ」など6品目にのぼり、調理済み食品を上手に活用する世帯が多い。したがってスーパーマーケットでは惣菜・デリカ部門がそのスーパーマーケットの売り上げを左右するほど重要となっている。

しかし全ての顧客のニーズを満たす惣菜・デリカの品揃えや売り場づくりは不可能であるため、ニーズを把握し対応できれば、この分野がフランチャイズで独立するならおすすめの業種といえる。特徴のある食材や味、おしゃれな売り方の提供などで差別化が可能である惣菜・デリカ部門はまだまだ成長が期待できる分野である。

三世代同居の衰退によって家庭サービス業もおすすめ

同様の視点でフランチャイズで独立するならおすすめの業種は家庭サービス分野である。

今までは福井県の家族構成は「福井モデル」といわれ、3世代同居することで、祖母が家庭における家事、育児等を担ってきた。しかし昨今祖母の価値観も少しずつ変わりはじめ、孫の世話などはほどほどにし、人生をもっと楽しみたいという人が増えており、同居自体すらも敬遠するようになってきている。

そのような中、女性の就業率は下がっておらず、今まで祖母が担っていた家庭における家事、育児等の労働が、働く女性の大きな負担となってきている。この負担を軽減出来る各種家庭サービス分野全般は今後の成長が期待できる分野である。

戦略組織コンサルティング合同会社 代表 村上 統朗

大学卒業後メーカー、流通業を経験後、大学院に進学。卒業後外資系コンサルティングファーム等を経て現在に至る。流通業勤務時、多くの新規事業立ち上げに関わる。また外資系コンサルティングファームにて数多くのクライアントの新規事業立ち上げを支援する。現在、新規事業実務と新規事業コンサルティングの両方の立場を経験したことを十二分に生かし、理論と実務、リアルビジネスとネットビジネスの両アプローチから中小企業の新規事業支援に全面的に携わっている。