株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2016-06-05 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

顧客心理の真意に迫る!競合店と自店との比較調査がおすすめな理由

 このコラムのポイント

消費者がお店選びをするとき。競合店と自店との比較から始まります。では、選ばれるお店になるにはどうしたらいいのか?競合店と自店との違いを調査することが実は近道なのです。

フランチャイズWEBリポート編集部


競合店を批判する前に!人の振り見て我が振り直せ

「あんな店には負けませんよ」
「あの店の料理ってたいしたことないですよ」

よく競合店のことを批判する人がいます。
店長に限らず、スーパーバイザーや経営者にもそう言う人がいます。

こういう人は、実はその競合店のことを「脅威」と感じてビビっているものの、それを悟られたくないので批判をすることでごまかしているのです。

「競合店」・・・彼らは、あなたのお店のお客様を奪い、売上を奪い、ともすればスタッフまでも奪い取ってしまうにっくき敵かも知れません。

しかし、だからと言って、彼らをただ目の敵にしているだけでは、彼らとの競争には勝てません。
彼らの悪いところ、自分達よりも劣ってるところだけを見て安心していても、それがあなたのお店の売り上げを伸ばす直接的な要因にはならないのです。

だって、彼らだけではなくあなたのお店にも何らかの課題や問題点はあるはずだからです。

今回のコラムでは、競合店が近くに出店し、もしくは競合店が乱立するマーケットに出店したあなたのお店が、競合店に負けないように繁盛する為に、競合店の何を見ていけば良いのか?そして、見た上で気づいたことをどのような行動に繋げれば良いのかについて少しお話しましょう。

競合店との違いを明確に!

あなたのお店が個人店であれ、チェーン店であれ、競合店は、極めて目障りで厄介な存在に思えるでしょう。

しかし、そうはいってもあなたのお店が山奥の一軒家でも無い限り、多かれ少なかれ競合になるお店は存在するのです。

ならば、否定したり、批判したり、いやがったりするよりも、彼らを良く研究して、お客様があなたのお店と彼らとを比較したときにあなたのお店を選んでもらえるようになる方を選ぶ方が得策です。

どんな業種でも、それが飲食店でも、物販小売店でも、サービス業でも、お店を選ぶのはお客様です。

そのお客様のほとんどは、色々な方法を使って、数あるお店の中から自分に合うお店をひとつ選ぶのです。
その時の選択肢にあなたのお店が入り、そして選ばれることが重要なのです。

ならば、比較対象となるお店と自分達のお店との違いを明確にすることが重要になってくるのです。

世の中、消費不況だとか、デフレが終わらないとかと言われていますが、売れているお店は売れています。

お客はお店を「特徴」で選ぶ(接客がいい!など・・)

そこには、必ずお客様が思わず選んでしまう「特徴」があるのです。まずは、この「特徴」について、あなたのお店と競合とを比較していきましょう。

比較するポイントは、「場所」「商品」「ひと」「価格」「販促」の5つです。
この5つの要素は、私の連載コラムの第1回マクドナルドの元社員が語る!繁盛店になりたい店舗経営者が知るべき「真の売上公式」で詳しく書いていますのでそちらを参考にして下さい。

あなたが、自店のお客様吸引力を高めるために色々と努力しているのと同じように、競合である彼らもまた自分達のお店のお客様吸引力を高めるための努力をしています。

お客様は、それらの「努力」を見比べて、「こっちの方が好き」「こっちの方がよさそう」と判断してお店を選ぶのです。

例えば、あなたの店が、パスタが売りのレストランだとしましょう。

お客様は、お昼頃にお腹が減ってきてどこかでランチにしようと考えたときに、自分の周りを見渡したり、食べログなどのサイトを見たり、フリーペーパーを探したりします。

そこが以前来たことのある街ならば、過去の記憶の引き出しを開けて、どこに行こうかな?と考えることでしょう。

その時に、あなたのお店が、どこにあるかわからなかったら・・・眼についた競合店に行ってしまうかも知れません。

食べログに掲載されている料理の写真が、競合店の方が美味しそうだったら・・・お客様はそちらに行ってしまうかも知れません。

以前利用されたことのあるお客様が、競合にも行ったことがあり、そちらのスタッフの印象がとても良かったら・・・お客様はそちらに行ってしまうかも知れません。

大切なことなのでもう一度言います。
お店を選ぶのはお客様です。

お客様は、複数の選択肢の中から、今日利用するお店を選びます。
その際は、お客様がつかむことの出来る情報で比較するのです。
そして、まずは「特徴」で選ぶのです。

さらに、あなたのお店に行こう!と決めるのは、その特徴に加えて「利点」があるからです。

お客以上に自店と他店の違いを語れるように!

「利点」とは、自分にとってどのような「得」があるか?と言うことです。

場所が近いという利点なのか?
健康的なメニューがあるという利点なのか?
楽しいスタッフとの会話が楽しめるという利点なのか?
ポイントが貯まるという利点なのか?
安いいという利点なのか?

お客様は、「他店と違う特徴」で選び「自分に対する利点」で決定するのです。

さて、あなたは、競合店とあなたのお店の「違い」「特徴」を「具体的」に答えることは出来ますか?
そして、さらに「お客様にとっての利点」をわかりやすく答えることが出来ますか?

これが出来るようになるには、あなたは「競合店」の「特徴と利点」についても、お客様以上に知っていなくてはなりません。競合店のことを知り尽くしているからこそ、自店舗の「特徴と利点」をアピールすることが出来るのです。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」by孔子

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。