販路企画 代表田口 勝
2016-06-22 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表 田口 勝

加盟検討で迷ったときに考える!フランチャイズビジネス4つの判断基準

 このコラムのポイント

数あるフランチャイズビジネスの中でも、どのフランチャイズが良いのか?どの本部に加盟すれば良いのか?加盟店が数百ある老舗本部なのか、又はまだ新しい本部なのか。 ここではビジネスを評価する際の4つ判断基準を解説します。

フランチャイズWEBリポート編集部


フランチャイズビジネスの判断基準

前回のコラムでは、フランチャイズビジネスの選定方法の一つとして、本部の実績や加盟店増加数、撤退・脱退数等についてお話をしました。

今回は、『どのフランチャイズビジネスがいいのか?』と迷った時に考えて頂きたい判断基準4つ指標についてお話しをしたいと思います。

私は、マーケティング戦略の立案等の支援をさせて頂いていますが、商品でも事業でも全く同じなのですが、その商品が売れるのか?その事業が成長するのか?4つの視点で考えています。これはフランチャイズビジネスでも全く同じです。

フランチャイズビジネスは、『成功確率の高いビジネスモデル』(そうでない本部もありますが・・・)を加盟金や研修費・ロイヤリティ等を払うことで自分でもできるようになることを目的としております。

つまり、事業モデルの評価と全く同じなのです。

ビジネスを評価する4つの指標


フランチャイズビジネスや代理店の商品でも同じなのですが、評価する指標は4つあると思っています。それは次の通りとなります。

1.新規性

・ビジネスにも商品にも必ずライフサイクル曲線というものが存在します。
・そのライフサイクルに併せてこの4つの重要な指標のウェイトは変わります。
・ライフサイクルは次の4つからなります。

導入期 ⇒ 成長期 ⇒ 停滞期 ⇒ 衰退期

このライフサイクルを見極めることがこの新規性となります。

導入期

この段階では、世の中にそのサービスが全く知れ渡っていません。
これは地域毎でも新規性は変わることがあります。
例えば、東京で成功したモデルでも地方では全くそういったサービスがなく、新規性があるということです。この段階は、多くの広告宣伝を含めて、お客様に知って頂くための運転資金と労力が必要となります。しかし、その商品やビジネスが成長期にのった段階では、『市場の先駆者』としてシェアを確保することができ、リターンも一番大きいというのが、この段階です。

成長期

商品やサービスが伸びている段階ですので、顧客を獲得することも容易であるといえます。この段階では競争も発生しますが、競合も含めて全体的に市場は伸びていますので、市場に参入するには、リスクは低い段階となります。

停滞期

商品やサービスが競争激化することで、売れにくくなったり、お客様が飽きがくることで、売れなくなってきます。この段階では差別化戦略が非常に重要になってくる段階となります。

衰退期

全く新たな商品やサービスを顧客に提供し、新たな市場を作っていく必要がある時期です。この段階のフランチャイズビジネスに加盟をする場合は、新たな新商品やサービスがあるのか?を確認しなければ、非常に厳しい段階となります。

この4つのどの段階に検討しているフランチャイズビジネスがあるのかをしっかり見極めることが必要となります。

2.優秀性

次に、商品やビジネスモデルの優秀性を検討します。
これは、検討している商品やビジネスモデルの強み・弱みと競合する商品やビジネスモデルの強み・弱みを横比較し、優秀性を確認します。

しかし、ここで重要なことは、お客様の需要に対して、強みが活かされていることが優秀であるということです。お客様の需要がないところに、強みが発揮されても、意味がありませんので、その視点を確認します。

つまり、検討するフランチャイズ本部だけでなく、競合するフランチャイズ本部やビジネスモデルに着目することが重要です。

3.成長性

これは最初に挙げた新規性とも関連しますが、参入しようと考えているフランチャイズビジネスの段階を把握し、後どれくらい成長ができるのか?を予測することが重要となります。

将来の確約は誰もできませんが、市場の動きを調査し、総合的に把握することが必要です。重要なことは最低限契約期間内と投資回収までの期間は、市場が成長している必要があるということです。

 

 

4.説明が簡単であること

上記3つの加えて私は、最後にこの『説明が簡単であること』が重要であると思っていいます。『説明が簡単である』ビジネスモデル程、他の商品やビジネスモデルに対して差別化がされており、顧客が簡単に獲得できるブランディングも進んでいます。

フランチャイズビジネスは、極論をいうと『他人が考えたビジネスモデル』を加盟店が実行することになるため、この『説明が簡単であること』は非常に重要です。

ここが商品やサービスを売る際の重要なポイントとなります。
『このビジネス売りにくいな』と感じる時は、何か論理性に欠けていたり、実績が不充分であったり、顧客ニーズとずれていたり、優位性がなかったり等の原因があります。

そういう際にほとんどの場合、加盟店は本部に提案をすることしかできませんので、加盟前にこの『説明が簡単であること』を必ず確認することをお勧めします。

知人や知り合いにこのサービスの魅力を話してみて、商品やサービスを買いたいと思うかしっかり確認することが重要であると思います。

まとめ

本日は、フランチャイズビジネスを選ぶ際の判断基準4つについてお話いたしました。
これは代理店ビジネスでも当てはまりますし、自身のの独自起業であってもこの視点でビジネスを評価することが重要であると思っています。
次回はさらにフランチャイズ本部の選定の方法についてお話しをしていきたいと思っています。

販路企画 代表 田口 勝

大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。マーケティング戦略立案・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。その後、業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部にて10年勤務、店長・スーパーバイザー・マネージャーを経験。退社後は販路企画を立上げ、商圏に基づくエリアマーケティング戦略立案・出店調査・FC本部展開支援・従業員戦力化研修、セミナー講演活動を行っている。