販路企画 代表田口 勝
2016-06-29 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表 田口 勝

成功者はこう見ている!フランチャイズ加盟時の資金準備確認ポイント!

 このコラムのポイント

事業立ち上げの際必ず自身で用意しなければいけない開業資金。フランチャイズに加盟して事業を始める場合でも資金は必要です。ここではフランチャイズ加盟時におけるお金の確認ポイントを解説。

フランチャイズWEBリポート編集部


資金で見る本部の選定基準

前回のコラムでは、フランチャイズビジネスの見極め方をお話しました。
今回はフランチャイズ本部の選定方法の最終回でフランチャイズ加盟時に検討すべき資金についてお話しをしていきたいと思います。

フランチャイズ加盟にあたり、最低限確認して頂きたいお金のことは3つ

・初期投資
・売上予測
・運転資金

この3つになります。その他、違約や解約についてもありますが、今からフランチャイズ本部に加盟して業を成していきたいと考えておられると思いますので、違約や解約は内容を確認して頂くことで充分かと存じます。

初期投資の確認のポイント

初期投資は、開業するまでにあたり、確認する費用となります。
初期投資に関しては、次のようなものがあります。

① 加盟金
② 保証金
③ 研修費
④ 物件取得費(仲介料や礼金等)
⑤ 前家賃
⑥ 設備費用
⑦ 求人広告費

等があります。
ここの価格が妥当かどうかを検討するためには、フランチャイズ本部毎に横比較をすることが重要です。加盟したい業界のフランチャイズ本部を横比較して、検討します。

ただ、これに関しては、安いから良いというわけでなく、安いなら安いなりの理由、高いなら高いなりの理由を確認するということです。

フランチャイズ本部が最初に出している初期費用は、ほとんどの場合、物件取得費等が含まれてないことが多いですので、その点も詳細に確認をすることが重要です。

また、これに関しては、投資回収期間という視点も重要です。
初期投資ということですから、投資した額に対して、どれくらいで回収ができるのかを確認する必要があります。これには、売上予測も関わりますが、担当者にしっかりと確認を行うことが重要です。

最終的に、どのような経費が詳細で必要なのか、その根拠は何か?もしっかり確認し、加盟を検討されることをお勧め致します。

売上予測の確認ポイント

売上予測とは、現フランチャイズ本部のビジネスモデルでどれくらいの売上や利益が出るのかを予測し、加盟店に提示するものです。

この売上予測はどの本部も保証はしないという形になっていると思います。
ですので、あくまでも参考レベルで考えることが重要となっております。

フランチャイズ本部によっては、仮想の売上予測であったり、加盟店又は直営店最高の売上予測であったりすることがあります。

まずは、この根拠をしっかり確認することが重要です。

例えば、飲食店であれば、席数が何席で平日、週末何回転するのか?客単価がいくらなのか?回転も昼何回転なのか?夜何回転なのか?それはどんな立地で実現ができるのか?
他の立地や商圏でも可能なのか?等しっかり確認することが重要です。

多くのフランチャイズのトラブルは、この売上予測に起因するものが多いというのが実情です。自分の店舗でも実現可能かどうかの視点でしっかり確認をしましょう。

また、この数値は、50%~100%の達成率で多角的に検証することが重要です。原価や人件費以外は、あまり、経費に変動要因を与えることがありません。

どのレベルなら、事業として成り立つのかを見極めることが必要です。

また、経費も何が含まれていて、何が含まれていないのか?また経費の根拠もしっかり確認することが重要です。

特に、売上予測には、借入返済については含まれることがありません。
つまり、借入を起こすのであれば、しっかり元本返済を月々行う額も想定して、実際にいくら残るのかもしっかり確認をしましょう。

運転資金の確認ポイント

運転資金とは、開業後、必要になるロイヤリティや広告宣伝費や求人募集費等です。
どの項目が本部負担でどの項目が加盟店負担なのか?しっかり確認をすることが必要です。

また、その経費に関しての妥当性もしっかり確認する必要があります。

この運転資金も売上予測に含む必要があり、この投資と売上予測から必要な運転資金が出てくることになります。

この運転資金が明確にするためには、事業計画書を作成する必要があり、事業計画書が完成し、資金調達や事業として成り立つということになれば、晴れて加盟契約を行うということになります。

この売上予測や開業中の投資についても複数フランチャイズ本部を横比較し、検討を行っていきましょう。

まとめ

事業計画書に関しては、最低3パターン作成することをお勧めしております。
売上予測通りにいった場合と、売上予測の70%~80%程度の場合、売上予測の50%程度の場合となります。

資金繰りは売上予測の50%程度を目安に行い、売上目標は100%目標で実施することが重要です。ここまで検証を行うと決して、加盟金やロイヤリティ等が安いからいいという話にはならないことがよくご理解されると思います。

フランチャイズのお金のことはしっかり確認をして頂き、後悔ない加盟を行うことをお勧め致します。

販路企画 代表 田口 勝

大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。マーケティング戦略立案・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。その後、業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部にて10年勤務、店長・スーパーバイザー・マネージャーを経験。退社後は販路企画を立上げ、商圏に基づくエリアマーケティング戦略立案・出店調査・FC本部展開支援・従業員戦力化研修、セミナー講演活動を行っている。