株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2016-07-10 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

売上確保に必要な曜日時間帯分析

 このコラムのポイント

売上が前年割れ、、、客足が減ってきている、、、。いくら祈ってもお客様は来店してくれません。そんな事態には必ず原因があります。ここでは原因の追及ステップを見てまいります。

フランチャイズWEBリポート編集部


原因の推定と追及

「最近売上がダウンしているんですよね・・・前年売上にも届かなくなって来ているんです。」

店長やエリアマネジャーと話していると、良くこう言う嘆き節を聴くことがあります。飲食店に限らず、店舗ビジネスにとって売上の前年確保、予算確保は至上命令ですよね。
だから店長は一生懸命にがんばります。
けれど、売り上げはダウン気味・・・

そんな時、あなたはどんな風に売上データを見ていますか?
もしかして、ただ「売上がダウンしている」とか「フェア商品が売れていない」なんてざっくりとした見方をしているんじゃあないでしょうね?

売上ダウンには不思議はありません。
もちろん、売上アップにも不思議はありません。
どちらも必ず原因、理由があるのです。
ただそれが見えていないだけ。

もちろん売上ダウンの原因をPOSデータだけで判断することは出来ません。

しかし、POSデータには、かなり細かなところまで、その原因を推定出来るデータが隠されているのです。
それはただの「現象」です。
しかし、それを見つけることで、原因にたどり着きやすくなります。
では、その「現象」の見つけ方と原因追及のステップについてお話ししましょう。

STEP 1:曜日、時間帯別の客数と客単価の推移~前年、前週、他店舗との比較

まずは、どこの何がダウンしているのかを見なくてはなりません。
・客数が落ちているのか?
・それは、組あたりの人数が減っているのか?
・客単価が落ちているのか?
・ひとり当たり単価が落ちているのか?
・それらは、自店舗の前年や前週、前月と比較したらどうなのか?
・他店の曜日時間帯と比較したらどうなのか?

STEP2:ダウンしている曜日時間帯の商品動向確認

ダウンしている時間帯に購入されている商品に他の時間帯との差はないか?
ある商品の出数が極端に減少していないか?
前年、前月、前週、他店舗比較をしてみたらどうか?
料理が減っているのか?ドリンクが減っているのか?デザートが減っているのか?

STEP3:ダウンしている曜日時間帯のクーポンなどの利用状況は?

クーポン使用の状況により、客数や客単価に影響が出るかも知れません。

ここまでのステップで、おおよその内部的な原因は見えてくるでしょう。
売上がダウンしているときは、これらのどこかの何かが低下していることが多いのです。
今度は、ここまででわかった「現象」に対してその「原因」を追求していくことになります。

STEP4:ダウンしている時間帯に特定のスタッフがシフトインしていないか?

スタッフの販売力や生産性の低さが要因になっているかも知れません。

STEP5:ダウンしている時間帯に客層の変化はないか?

近隣の競合店の影響や、フェアメニューの影響で客層に変化が出たことが、メニューひいては客単価に影響しているケースもよくあります。

ステップの4と5で原因が見えてきたら、さっそく特定のスタッフへのトレーニング、フェアメニューの訴求方法の見直し、単価の高い客層への店頭でのお声がけなどのアプローチなどをすることにより、客数客単価の改善に繋げることが出来るようになります。

まとめ

冒頭でも話しましたが、売上ダウンには不思議はありません。
もちろん、売上アップにも不思議はありません。
どちらも必ず原因、理由があるのです。
ただそれが見えていないだけなのです。

さあ、POSデータをもう一度細かく分析して、売上ダウンの原因をつかみましょう!

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。