販路企画 代表田口 勝
2016-07-27 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表 田口 勝

流通のプロが教える「繁盛店を作るためのマーケティング戦略」〜飲食ビジネスの勝ち戦略〜

 このコラムのポイント

飲食店経営に必要なマーケティング戦略。小難しいことではなく、売上を確保するための戦略という事です。開業時のスタートダッシュが肝心の飲食店。勝てる店を作るためにはどういう戦略をたてて厳しい競争に挑んでいくか!?

フランチャイズWEBリポート編集部


飲食店のマーケティング戦略とは

今回は失敗しない飲食店開業のためのポイントの第3弾となります。
第2弾までにつきましては、過去のコラムをご覧下さい。本日は、マーケティング戦略についてお話をしてまいります。

マーケティング戦略と聞くと小難しいように聞こえますが、これは経営を行う際に最も検討しなくてはならない重要な戦略です。

この戦略によって、『1.商品』『2.価格』『3.売り方』『4.販促』が決まってきます。つまり売上を上げるための戦略ということになります。

よく、マーケティング戦略と言うと、『販促』や『広告』と思われがちですが、商品の内容によって広告も変わりますし、売り方によっても広告は変わります。売上を上げるためには、上記の4つのポイントを考えることが重要となります。

飲食店が考えなくてはならない戦略の視点

1:商品+価格を含めての商品

2:店舗の商圏や立地・導線+店舗の内外装を含めての立地

3:接客サービスやリピーター対策等を含めた接客

4:店舗をより認知して頂き、来店を促すための販売促進

5:販路を拡大するための多店舗化

という5つになります。先ほどの4つのポイントを飲食店バージョンにアレンジをしたものとなります。今から開業される方で多店舗化を図りたいという気持ちがあれば、最初から多店舗化ができる体制を構築しながら進めていく必要があります。

5つの視点で注意するポイント

マーケティング戦略の立て方は膨大な量となるため、ここでは割愛しますが、皆さまが考えている戦略に次の内容が含まれているかは、最低限ご確認下さい。

商品・価格

・メインターゲットとなる客層は誰か?
・メインターゲットのニーズは? 
・メインターゲットの利用シーンは?
・目玉商品は? 関連商品は?
・価格戦略は?

立地

・商圏範囲はどれぐらいか?
・商圏特性はどのような商圏が良いのか?
・人口・世帯はどれぐらいあれば成り立つのか?
・世帯人口はどれぐらいが良いのか?
・年齢層はどうなのか?
・小売業の販売金額どのぐらいあれば成り立つのか?
・立地特性どのような立地なら来店されるのか?
・導線はどのような導線なら来店されるのか?
・建物特性はどうなのか?商圏範囲はどれぐらいか?
・商圏特性はどのような商圏が良いのか?
・人口・世帯はどれぐらいあれば成り立つのか?
・世帯人口はどれぐらいが良いのか?
・年齢層はどうなのか?
・小売業の販売金額どのぐらいあれば成り立つのか?
・立地特性どのような立地なら来店されるのか?
・導線はどのような導線なら来店されるのか?
・建物特性はどうなのか?

サービス

・接客はどのようなレベルを提供するのか?
・身だしなみはどのレベルを提供するのか?
・販売技術どのようなものを提供するのか?
・附帯サービスは何か設けるのか?
・クリンリネスはどのレベルを提供するのか?
・実現するための従業員教育はどのようにするのか?
・実現するために動機づけはどうするのか?
・シフト管理はどのようにするのか?
・募集採用はどのようにすれば効果的か?

販売促進

・媒体どうするのか?
・内容どうするのか?
・頻度はどうするのか?
・キャンペーンはどうするのか?
・ニュースリリースはどうするのか?
・新規客の来店策はどうするか?
・リピーター対策はどうするのか?
・ブランディングはどのように進めるのか?

上記を明確にするためには、商圏調査や立地地調・市場調査を含めて調査分析が重要となります。開業する前に時間をかけて実施されることをお勧めします。

店舗開業後は、検証を通じて、このマーケティング戦略の見直しを図っていきます。
事前に戦略があることで、この戦略が妥当かという判定もできます。

これができないということは、大海原で方向なく突き進むことになり、絶対に避けなければなりません。ぜひ、しっかりと準備を実施して下さい。

まとめ

ここまでのコラムをご覧いただければ、飲食店は開業する前が勝負であるかご理解いただけると思います。飲食店は正直、スタートダッシュできなければ、新規の開業者は持ちこたえることができない環境にあります。

準備を万端に実施して頂き、開業後は商品やお客様に十分に時間が取れるようにしていただきたいです。
ぜひ、今回のコラムをご参考にして頂ければ幸いです。

編集部より

フランチャイズに加盟して飲食店開業する場合は、今回のこのマーケティング戦略の部分も、本部が担う事になるでしょう。全国一律のサービスを安定供給できる仕組みを構築する事が本部の役割、そして加盟店オーナーは店舗の経営に、つまり、お客様との時間を十分に確保することに集中し、繁盛店をつくるための店舗運営に注力できると言えます。

販路企画 代表 田口 勝

大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。マーケティング戦略立案・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。その後、業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部にて10年勤務、店長・スーパーバイザー・マネージャーを経験。退社後は販路企画を立上げ、商圏に基づくエリアマーケティング戦略立案・出店調査・FC本部展開支援・従業員戦力化研修、セミナー講演活動を行っている。