販路企画 代表田口 勝
2016-08-24 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表 田口 勝

店舗型ビジネスで多店舗展開を成功させる5つの秘訣

 このコラムのポイント

前回に引き続き店舗を複数展開していく上でのポイントです。独自のビジネスモデルの場合でも、フランチャイズシステムを活用する場合でも、多店舗展開で成功するための5つの秘訣!

フランチャイズWEBリポート編集部


店舗型ビジネスの多店舗展開5つの秘訣

前回のコラムで多店舗展開のメリット・デメリットにお話しをさせて頂きました。
今回は多店舗展開を成功させるにあたり、どのような秘訣があるのかについてお話してまいります。

私は、多店舗展開に必要な秘訣は、5つの秘訣があると考えております。

1.成功モデルの明確化

前提条件は、多店舗展開をするということは、一定の成功モデルがあるということです。
1店舗での業績が思わしくなければ、2店舗目には当然進むことはできませんし、1店舗目の業績が良いので、複数店舗展開、多店舗展開を図ることになります。

重要なことは、『なぜ成功しているのか?』ということです。
フランチャイズで起業を行うと成功確率が高いと言われていますが、それは成功モデルを加盟金や研修費で実際に購入するからです。

多店舗展開で成功を図るには、この『なぜ、成功しているのか?』を正確に分析しなければなりません。

また、多店舗展開では、この成功モデルを水平展開することで、成功をすることができるため、一番最初に重要なことは『成功モデル』を明確化することが重要であると考えています。

2.生命線になる出店戦略

多店舗展開で失敗する理由は何かというとそれは、『立地の問題と出店商圏エリア』の問題と商圏に『成功モデルがあっているか?』という視点になります。

つまり、出店の判断基準を明確にするとともに、出店戦略が肝になります。
フランチャイズ本部も同じですが、この出店という視点が成長エンジンとなります。

「支持される商品」、「支持されるサービス」というように、効果的な販促を活用されることで、母店と全くように多店舗展開を実施すれば一定の成果が出ますが、立地だけでは、各物件によって異ってきます。つまり、売上の変化要因はこの立地ということになります。

3.人材採用と育成と仕組みが不可欠

3つ目は人の採用と育成の仕組みが不可欠となるということです。
特に近年では、人手不足が蔓延し、採用が困難になってきています。また、店長を育成し更に多店舗展開を図るには、業務を標準化し、SV(スーパーバイジング)を行っていく必要があります。

人の採用、教育が徹底されなければ、成功モデルである『商品』『サービス』の品質が担保されないことになりますので、当然、『成功モデル』でなくなる可能性が出てきます。

さらに、店舗型はどうしても人がいなければ店を開けることもできませんので、この人材採用と育成の仕組みが必要になるのです。

4.数の力で情報と利益を改善する

多店舗展開の大きなメリットはスケールメリットを得ることができることであることを前回のコラムでお話しました。フランチャイズでの開業をされる方としては、この点は継続的にフランチャイズ本部が実施してくれますが、独自のビジネスモデルであれば、この数の力を活かして、仕入れ先との交渉を行い、利益改善に繋げる必要があります。

また、情報は現在の店舗経営にとって、非常に重要ですが、当然、多店舗を図れば図るほど、情報はたくさん集まってきます。このビックデータを活用し、読み解くことで、更なる企業の発展に繋げることが必要となります。

つまり、情報収集と分析の仕組みが必要となるのです。
業界で躍進を続けているフランチャイズ本部は、このビックデータを駆使し、商品開発や出店戦略、サービス、販促を見直し、売上を更に改善を図っています。

5.融資限界は、人の資本でカバーする

最後は、資金調達となります。多店舗展開を直営店で行うと必ず出てくるのが、この融資限界というものです。ゆっくり店舗展開を行えば、そこまで大きな問題にはなりませんが、急激に店舗を増加し、拡大を図る際には、課題として出てくるものです。

しかし、現在は時代の流れが非常に速いです。行けるタイミングでアクセルを踏む必要がある時代でもあります。そうすると、多店舗展開で検討しなければならないのは、『のれん分け』であったり、『フランチャイズ本部展開』であったりします。

最終的には、独自のビジネスモデルであれば、こういった対応も検討していく必要が出てくるとなります。

フランチャイズで起業される場合は、この段階になれば、メガフランチャイジーとして新たなビジネスモデルに挑戦されるタイミングになってくると思います。

まとめ

本日は、多店舗展開を中心に支援を行っている私が、重要であると考える5つについてお話をさせて頂きました。複数店舗展開や多店舗展開は早い方は開業後、6ヶ月程度実施される方もいます。開業前の段階から、独立されるビジョンを明確にされ、しっかりご準備して頂ければ幸いです。

販路企画 代表 田口 勝

大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。マーケティング戦略立案・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。その後、業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部にて10年勤務、店長・スーパーバイザー・マネージャーを経験。退社後は販路企画を立上げ、商圏に基づくエリアマーケティング戦略立案・出店調査・FC本部展開支援・従業員戦力化研修、セミナー講演活動を行っている。