フランチャイズ研究会 中小企業診断士高木仁
2011-04-25 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
フランチャイズ研究会 中小企業診断士 高木仁

フランチャイズの活用ポイント ~失敗しない独立、開業~

 このコラムのポイント

そもそもフランチャイズってどんなシステムなのか?ということがわかるコラムです。フランチャイズビジネスを始める上でチェックしておきたいポイントもまとまっています。これからフランチャイズの加盟検討をする方におすすめの内容になります。

フランチャイズWEBリポート編集部

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近年、フランチャイズ加盟においては、法人による加盟が増加しています。しかし、個人創業の有力な手段としても、フランチャイズビジネスは重要な役割を担っています。連載の第1回目は、まず、フランチャイズの活用ポイントについてリポートします。

フランチャイズとは?

フランチャイズについて、(社)日本フランチャイズチェーン協会では、次のように定義しています。 『フランチャイズとは、事業者(フランチャイザー)が他の事業者(フランチャイジー)との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう。』 つまり、フランチャイズビジネスの特徴は以下の3点になります。

  1. 本部と加盟者は各々独立した事業体であり、契約に基づく共同事業である
  2. 本部から加盟者にフランチャイズパッケージが提供される
  3. フランチャイズパッケージの見返りとして、加盟者は本部に一定の対価を支払う

フランチャイズの活用を考えたらチェックするポイント

このように、フランチャイズビジネスは、独立した事業者同士が契約に基づいて行うものであり、業績の良し悪しは全て加盟者の自己責任である認識が必要です。このことを念頭に、フランチャイズを活用する際のポイントを確認しましょう。

独立、起業の方法としてフランチャイズ加盟が適切ですか?

独立、起業をする場合に、フランチャイズ加盟をすることは有力な選択肢の1つなります。しかし、フランチャイズ加盟は、自身の事業ビジョンを実現するための手段の1つであって、加盟そのものが目的となってはいけません。自身の創意工夫の発揮が事業の絶対条件である場合は、フランチャイズ加盟が向かないケースもあります。
フランチャイズにはいくつかのメリット/デメリットがあります。これらを参考に加盟の是非を考えてください。

○ 事業の経験がなくても、経営が可能

○ 独自に開業する場合に比べて危険度が低い

○ 比較的小資本で開業できるチェーンもある

○ 加盟者は自店の営業活動に専念できる

○ 安定した原材料・資材の供給を受けることができるとともに、価格メリットによる競争力の発揮が可能

○ 環境変化に適応した事業経営ができる

△ 本部の善し悪しで加盟者の業績が左右される

△ 標準化されたシステムであり、店舗の独自性を出しにくい

△ 個々の加盟者の意見が通りにくいシステムである

△ 本部への依頼心が出て、経営努力や販売努力を怠る場合がある

△ 加盟金やロイヤリティが必要

△ 契約解除後は、それまでの実績を活かした事業をできない場合が多い

その業種・業態、本部で良いですか?

フランチャイズの選択は自己責任です。「知人から勧められた」「儲かると言われた」など外部の意見から安易に判断していけません。第三者の意見を聞くことは大事ですが、自身の考えを中心に、自身の性格や指向を客観的に分析し、素直に「やりたい」と思う業種・業態、本部であるかを冷静に判断することが大事です。
また、万人によい本部などは存在しませんが、失敗しない本部探しのポイントはあります。詳しいことは第3回にリポートします。

事業計画は立てましたか?

事業計画書は、事業という海原に乗り出す際の海図ともいえます。自分の立てた事業目標への航路を計画書にすることで、航海途中の不測事態や危機に上手く対処することができます。また、店舗を増加、事業を拡大し法人化も行い、複数店経営を行っている加盟者は沢山います。そのためにも、短期的な計画だけでなく、中長期的な計画を立てて事業に取り組むことが重要です。
なお、事業計画の作り方については、第4回にリポートします。

契約の重要性を認識していますか?

フランチャイズビジネスは「契約」により結ばれた継続的な取引関係です。本部から提示される書類の内容を十分に理解しないまま契約し、後で「そんなことは知らなかった」となる加盟者が多く見られます。契約の重要性を認識し、本部から提示される書類を十分に確認のうえ、慎重に検討してください。
なお、加盟契約に関するポイントについては第5回にリポートします。

自己資金は十分に準備できていますか?

フランチャイズビジネスを始める際には、大きな資金が必要になります。間違っても全額借入で事業を開始してはなりません。自己資金は開業資金の最低でも3分の1、できれば半分以上を充当できることが望まれます。また、事業の立ち上げ時には期待した売上が上がらないことも考えられます。したがって、事業が軌道に乗るまでの生活費を自己資金の中から確保しておくことも必要です。「創業時の自己資金-事業が軌道に乗るまでの生活費=事業に投入できる資金」と考えてください。

フランチャイズ研究会 中小企業診断士 高木仁

1975年生まれ。1998年ソフトウェア開発会社に入社。システム開発を経験後、業務/ITコンサルに従事。2010年中小企業診断士登録。2012年カーネルコンサルティング事務所設立。FC本部の構築、本部機能の改革、FCマニュアル作成支援などに携わっている。専門分野は、ビジネスモデル改革、IT戦略立案、現場改善。著書として「フランチャイズ本部構築ガイドブック(同友館:共著)」など。社)東京都中小企業診断士協会認定フランチャイズ研究会幹事。