株式会社経営教育研究所 FCアナリスト・コンサルタント今野篤
2017-03-08 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社経営教育研究所 FCアナリスト・コンサルタント 今野篤

増える早期退職者のFC独立ーーFCアナリストに学ぶ優良フランチャイズの条件とは?

 このコラムのポイント

情報過多な現代において、数ある情報の中から今の自分にとって最適な答えを選び出すには、それなりに知識や情報を見極める目が必要になってきます。今回のコラムでは、これから独立・起業をお考えの方にとって大きなメリットをもたらす「フランチャイズ」というビジネスモデルの中から、何を基準に・どんな視点で比較検討を進めていけば良いかについて知ることができます。

フランチャイズWEBリポート編集部

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進む商売のフランチャイズ化。変わる社会、増える加盟者

現在フランチャイズ(以下、FC)ビジネスは、あらゆる業種に入り乱れている。コンビニをはじめ、ラーメン、カフェ、買取屋、学習塾、介護などを代表に、FCがない業種を探すのが難しいくらいFC化が進んでいる。

元々フランチャイズはアメリカで150年以上前に生まれたビジネスであり、今はアメリカだけでなく全世界規模で発展し続けている。日本は言うまでもなく、最近はアジアでの発展が凄まじい。この歴史の中で、数多くの栄光と挫折があったことも間違いない。

ほんの少し前までは、いい大学を卒業して大企業に定年まで勤め、リタイヤ後は好きなことをして暮らす、このようなことが疑いもなく日本の社会で理想とされていたし、誰も信じて疑わなかった。だから皆、企業戦士となり必死に働いてきた。

しかし、このような中で育ってきた企業戦士が、ある日突然、リストラにあったら。残念ながら、希望通りの再就職は難しい。となれば、妥協して職を探すか、自分で起業する道しか残されていないわけだ。そんな早期退職者にとって、直ぐに一国の主人になれるFCビジネスは魅力的に映るかもしれない。また直営店で実績を上げた社員にとってFC部門は、出世の第一歩になるはずだ。FCビジネスは大きなキャリアアップになるだろう。

FCアナリストが考える優良フランチャイズチェーン6つの定義

その要素は、以下の6項目にまとめられると考えられる。

1.フランチャイズ理念が明確である

理念なき経営は、危機時に社員を路頭に迷わせる。

同じことがフランチャイズ経営にも言え、理念なきFCは、社員ばかりか加盟者まで路頭に迷わせることになる。危機時こそ社員も加盟者も一致団結し、困難を乗り越えなければならない。そのベースになるのが理念になるだろう。 

2.加盟プランが明朗である

加盟者にとって難解で不利になるような加盟プランはNG。FCビジネスは以前に比べ複雑になってきており、加盟希望者は納得がいくまで契約をしてはならない。そのためにインターネットだけでなく、FCフェアやセミナーに足を運んで欲しい。

3.出店計画が戦略的である

一般的にFCビジネスは、ドミナント(同一商圏に集中的に出店)展開を描くことで、ビジネスとしての旨味が増してくる。出店を計画的、戦略的にせず、無闇にあちこち店舗開発しているうちは、中途半端な規模のビジネスとなり、FCチェーン本部(以下、FC本部)、加盟者の双方にとってメリットは少ない。過剰店舗開発によるカニバリズムは、加盟店を疲弊し、結果FC本部も衰退していくだろう。

4.FC本部サポート(加盟者研修、スーパーバイザー)が手厚い

FCブランド向上のためには、加盟店舗の人材育成が重要になる。そのための定期的な店舗研修会とスーパーバイザー(SV)による定期的な経営指導が欠かせない。研修はエリア・スキル別になっているか、SVのトレーニングシステムはあるかどうか。にわか仕込みのSVに経営指導ができるはずがない。

5.差別化ポイントがある(商品とサポート)

急激に変化する市場環境と、厳しさを増す競争環境に対応するには、二つの差別化が必要。

ひとつが「商品」そのものの差別化。他社と違った機能やシステムがあるどうか。多様化するニーズに合わせた商品の提供、ターゲティングに基づいたマーケティング活動、展開エリアにおける情報やネットワークをどれだけ持っているか。これらがひとつにまとまれば、大きな集客エンジンとなる。単に折込チラシを撒くだけでは、もはや反応は望めなくなった。

二つ目の差別化は、「FC本部機能」自体の差別化。参入障壁が低いビジネスは誰でも参入しやすいため、差別化は難しくむしろ同質化しやすい。だからこそFCとしての差別化ができていれば市場のチャンスはある。そのためにFC本部機能の充実が大きなポイントとなる。

集客や商品・サービス向上などのノウハウを共有できる研修の場がある、充実したマニュアル(商品・オペレーション)、経営視点から加盟者を指導できるSVの存在、エリア展開できるノウハウ、他の教育パッケージとの融合性の高さ、法人向けの加盟パッケージなど。

これらがすべて揃っていれば言うことはないが、FC本部によってそれぞれ方針や考え方は違うので、よく確認して欲しい部分である。

 

6.FC本部とオーナーの交流が活発である

オーナー総会や理事会があり、機能しているか。

優良FC本部なら、オーナー総会にて、優秀店舗の表彰やパーティーがあり、加盟者を労う場がある。またFC本部側と加盟者側が話し合う理事会を設定するFC本部もある。

しかし中には、加盟者同士の接近を嫌うFC本部もある。このような考え方をするFCチェーンは、加盟者には言えない後ろめたいことでもあるのだろうか。

  • 産学社 今野篤著「フランチャイズ」フランチャイズの実態より転載 

まとめ

ビジネスは十人十色。以上6つのポイント解説を踏まえ、今加盟を検討されている方、また将来の独立に向け情報収集している方にとって、良い本部と出会う判断材料の一つとしてお役に立てれば幸いだ。

 

 

株式会社経営教育研究所 FCアナリスト・コンサルタント 今野篤

株式会社経営教育研究所 代表取締役。FCアナリスト・コンサルタント。経営学修士。 旅行代理店、学習塾FC、ベンチャーを経て独立。専門は教育とサービスFC。 スーパーバイザー(SV)経験を活かし、FC本部の構築やSV育成を行う。 著書「フランチャイズ」「塾・予備校(協力)」。毎年「フランチャイズ・ハンドブック」発刊。