株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2017-03-26 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

相手軸で考えれば発想は無限大!脱受け身に導く「ポジティブシンキング」と「考える習慣」

 このコラムのポイント

問題が起こる度、外部から自分たちの意に沿わない課題を投げられた時、チームを率いるリーダーがどう反応し行動するのか。その後の結果が大きく変えるばかりでなく、チームの評価や周囲の協力体制にまでも悪影響を与えてしまいます。今回のコラムでは、著者がコンサルティングの中でよく出くわす、トップダウン式のキャンペーンに対する店長の不満を例に、リーダー自身が問題に対してポジティブになることの重要性を説きます。

フランチャイズWEBリポート編集部


コンサルに関わる中で聴く「現場の事をわかってない」の声

「まったく、本社って不親切だよな〜 現場のことわかってないよ。こんな説明書でスタッフが理解できるわけ無いじゃないか!」

私は、多くの会社の店長達から、本社から送られてくるフェアやキャンペーンなどの販促物についての文句や不満の声を聴きます。コンサルティングの中で、彼らの本音を聴く時間を持つのでドンドンそんな声が入って来るのです。

確かに、本社から送られてきた説明書を読んでみると、小さな文字がこれでもかと並び、そのくせポイントはついておらず、いろんなケースに対応できるような柔軟性も無い。さらには、この説明書が送られてくるのはキャンペーンが始まる直前だったりするのです。

これでは、キャンペーンやフェアも上手く行くはずが無いですよね。

そんなことで良いのでしょうか?… 良いわけありませんよね。

不満や文句…その根底にあるのは受け身な意識が原因? 

では、この状態、煮えたぎる不満や文句… その原因は本社の販促担当者にあるのでしょうか?

もちろん半分は、販促担当者の問題です。

わかりにくくて、使いづらくて、時間ギリギリなのは、それを作った人の問題です。しかし、もう半分は、現場の問題なのです。 

受け身意識があふれてしまっている、店長の気持ちに問題があるのです!

そんな気持ちでいるから仕事が楽しくないのです。

脱受け身!相手軸シンキングで「文句」を「提案」発想に

事実、「わかりにくい」とか「使いづらい」のかも知れません。

しかし、受け身気分では無く、前向きな気分で受け止めれば、見え方は変わってくるのです。 

たとえば… 

▼ 本社から送られてきたキャンペーンの説明書だけど、チョットわかりにくいところがあるな~

▼▼ うちの店の場合はこのまま使ってもチョット伝わりにくいところがある… ここはスタッフと工夫してみるか!

▼▼▼ 全店に合わせて作っているキャンペーンだから、うちの店の立地やターゲットから考えると、そのままでは効果が出にくそうだな…

▼▼▼▼ 明日本社にキャンペーンの効果を高めるための提案をしてみよう!


こういう風に考えて、スタッフといっしょに、このキャンペーンを成功させるために、本社が作ってくれたツールを最大限に活用する方法を検討すれば良いのです。

そして、それを提案すれば良いのです。ブツブツ文句なんか言っているヒマはありません。

販促担当者にもっと良い仕事してもらうには、つまり現場が自分達の仕事をもっとやりやすくするには「文句」ではなく「提案」をするのです。

それが、賢い店長です!

トップが率先!「考える習慣」が生む ”考える”ミーティング

拙著「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)の「従業員満足ステージ3の4」では『考えるミーティングをしよう』というテーマで語らせていただいています。

ぜひ参考にしていただきたいのですが、このような『考えるミーティング』をするには、まず店長自身が「考える習慣」「より良いものにしようとする習慣」「疑問を持って深掘りする習慣」などを持つ必要があります。

いくらスタッフに「考えよう」と言っても、店長自身の考えが浅かったり、資料をそのまま鵜呑みにしたりするようでは『考えるミーティング』などできないのです。

また、店長自身がネガティブな気持ちだと、良い考えなど浮かばないのです!

店長自身が「考える習慣」を持っていないと、すぐに文句を言ったり、批判をしたり、愚痴を言ったりしてしまうので、スタッフもやる気が出ないのです。

「文句や批判」をするヒマがあったら、もっと良いものにしようと工夫をすれば良いのです。
「文句や批判」をしたいのならば、直接本社の担当者に言えば良いのです。

でも、それだけではいけません。

「文句や批判」をした以上のものを、自分達で工夫するポジティブな改善力・前進力がないと、せっかくミーティングでスタッフと考えようとしても、スタッフ達も本気では考えなくなってしまいます。

ポジティブのインフルエンサーになって悪循環を変える

スタッフ達を巻き込み、「もっと良いものにして行こう」とする店長の姿勢は、自然とスタッフ達を本気にさせ、彼らの中にも「もっと良い店にして行こう」とするエネルギーが高まっていきます。

『考えるミーティング』は、何も本社からの販促ツールに対する工夫を検討するだけではありません。

もっと、お客様のためにできること
もっと、たくさんの潜在顧客に知ってもらうこと
もっと、素敵なお店になるためにできること
もっと、スタッフが楽しく仕事ができるように工夫をすること…etc.

もっともっと、と『考えるミーティング』のネタはたくさんあるのです。

そのためにも、あなたがまず「最高に前向きでポジティブな店長」になりましょう! 

ポジティブマンに成長しなくてはならないのは、店長が先か?スタッフが先か?
もちろん店長が先です!つべこべ言わずに前向きに考えましょう!

ほら、スタッフがもっと良いこと考え始めていますよ!

 

次回は「店長は『予言者』になろう」というテーマでお話しします。お楽しみに! 

 

  • 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。