株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2017-06-04 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

上司の評価はまわりが決める!相手の立場に立った『伝え方』『聴きとり』をしよう

 このコラムのポイント

あなたは、相手に自分の思いが本当に伝わったかを何で判断しますか? 瞬間の表情で見る、伝えた後の行動をしばらく観察する、方法はいろいろあります。では逆に、自分の伝え方が相手にとってどうだったかはどうでしょうか?意外に自分では省みることはなく、相手が印象悪く受け取ってしまえば、それが貴方の他からの評価になり、ともすれば人が離れて行ってしまう原因になります。今回のコラムでは、SVから店長への「伝え方」のアドバイスを例に、上司の思いを部下がきちんとキャッチできる関係づくりについて知ることができます。

フランチャイズWEBリポート編集部

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上司も部下も同じ人間、知りたければ、まず「聴く」から始める

「自分のことは、自分ではなかなかわからないものよ。どう思われているか知りたかったら人に聴けば良いのよ」 

あるスーパーバイザーは、部下である店長にこのようにアドバイスをしました。

人は誰もが、「自分が周りの人にどの様に思われているのかを知りたい」と思っています。
しかし、それを知ることはとても恐いのです。

「もしも、嫌われていたらどうしよう… 」
「もしも、嫌な奴だと思われていたらどうしよう… 」
「仕事だから仕方なく言うことを聴いていると言われたらどうしよう… 」

リーダーにとって部下の本音は、知りたくも有り、また知りたくも無し… そんな複雑な気持ち、というのが本心なのではないでしょうか。

私自身も、店長やスーパーバイザー時代は、厳しく部下を指導しながらも、内心は「人として好かれたい」「嫌われたくはない」と思っていましたから、毎日かなりドキドキしながら仕事をしていたものでした。

当時の私は、部下やスタッフに対して、「こういうことはビシッと言わなくてはならない。優しく言っていたら甘えてしまうので部下のためにはならない」と、ガミガミ厳しい言い方をしていました。

なので…

「自分の指導方法、リーダーシップは、これで良いんだ!」と自分に信じさせながらも、
「部下との関係について不安感なんて全く無い!」… 何てことは、実は全然無かったのです。

正直に言うと毎日が不安だらけでした。

しかも、そんな不安な気持ちを部下に悟られたら「なめられてしまう」と意地も張っていたのでした。

 

相手に好かれることは、よりよく「伝える」効果的な手段になる

このコラムの元になっている拙著「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)の5章の最初に登場するスタッフリーダーも同じです。

彼女の場合は、「嫌われてもイイ。自分のやっていることは正しいんだから!」と、自分に対して言い聞かせてはいましたが、内心はそれがかなり苦しかったのです。

「こういう風に言われたら相手はどう思うだろうか?」
「どういう風に言ったら、相手に伝わるのだろうか?」 

リーダーや上司は、常に部下やスタッフとのコミュニケーションに頭を悩ませています。

でもね…

そもそもリーダーや上司にとって、コミュニケーションで大切なのは「嫌われるか好かれるか」の前に、「きちんと伝わっているかどうか」にポイントを置かなくてはならないのです。

「好かれること」は、ある意味「伝わること」の効果的な手段とも言えるのです。

だって、「嫌いな人」からの話って、「深く聴こうとはしない」し、「深く理解したい」とも思いませんからね。

だから、「嫌われても良いから言うことは言う」ではなく、「この人の言うことならば厳しいことでもしっかりと聴きたい」と思ってもらえるような、リーダーである方が良いのです。

だから「私の言っていることは正しい。だから、嫌われてもイイ」のではなく、「相手の為に愛を込めて真剣に伝える」ことで、リーダーとしての「敬意と信頼」を得ることが出来るようになるのです。

相手の反応は、自分の「伝える力」や「貢献度」のバロメーター

前出の拙著では、店長が代わりにリーダーに対する想いをスタッフに尋ねましたが、リーダー自身が、リーダーとしての「敬意と信頼」を得られるように部下達と接しておけば、自分からそれを聴くことが出来るようになり、部下も「良くわからないことは真剣に質問する」ようになります。

部下が、そのように真剣に聴くようになると、リーダーは、自分の存在価値、そして、そのチームにどのように貢献しているかを「部下の反応を通じて」感じ取れるようになります。

「嫌われてもイイ」「嫌われるのはイヤ」のレベルでは、自分本位で「貢献」を感じていても、決して「部下の反応を通じて貢献を感じる」ことはできません。

本当の意味での、「自分の価値」「自分の貢献」は、まわりが感じさせてくれるものなのです。

さて、あなたはいかがですか?

「嫌われてもイイ」「嫌われたくない」というレベルですか?
それとも、「リーダーとしての『敬意と信頼』を得られるような伝え方接し方」を先に考えていますか?

どっちかな??

後者の方ならば、自信を持って部下に尋ねることができます。

「私の伝え方ってどう思う?」

次回は「言葉にしないと真意は伝わらない」というテーマでお話しします。お楽しみに! 

 

  • 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。