悲鳴
（ヒメイ）

ダイヤモンド社が発行する「週刊ダイヤモンド」2010年9月11日号のタイトル。
電車の中吊りや新聞広告を見るとかなりドキッとさせられます。業界関係者としては超ドキッです。

しかし、中身を拝見すると、ここでいうフランチャイズとはコンビニチェーンと以前から新聞等でもその問題が報道されている外食チェーンのことだけだというのが分かります。つまり数多くあるフランチャイズ本部のごく一部、あるいはその中の一部の業種のことだけです。そのことから、このタイトルについては少し疑問があります。

”フランチャイズの悲鳴”よくできたタイトルだとは思いますが、これだけを見た方はフランチャイズシステムそのものに問題があり、そのことが社会問題化していると取ってしまうのではないでしょうか。実際にそうではないことは中身を読めば分かりますし、そこにはフランチャイズシステムへの啓蒙的な効果も期待できるような内容がありますから、少し残念な気がします。

もしも”フランチャイズの悲鳴”とうたうのであれば、いま話題になっている”フランチャイズ法”やフランチャイズの仕組みそのものの問題点を掘り下げて論究されるべきのような気が致します。

しかし、大手説明会に潜入して話を聞き出すなどは週刊誌ならではの切り口だなと感心させられる点も多い一冊でした。

特集の一つ、チェーンランキングについては、業界のご意見番「フランチャイズ研究所」の黒川氏が見事にその不備さ加減を突いておられます。加盟基準としての真のメルクマールは加盟者一人一人の心の中にあるのだと痛感させられる一文です。