城南コベッツを3教室展開している知野雄大
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塾経営(城南コベッツ)はお金儲けではない——元サラリーマンが抱く教育への熱い思い

城南進学研究社が運営する個別指導塾「城南コベッツ」。予備校母体の塾なので、大学受験対策に強い学習塾経営ができる点が特徴です。「明るい未来塾株式会社」の代表取締役でもあり、城南コベッツを3教室展開している知野雄大。そんな彼が歩んできたこれまでの道のりと、教育に対する熱い思いとは?

「教育とお金儲けは別物」と考えて、教育以外の業界でキャリアをスタート

城南コベッツに加盟以前は東京都内だけでなく、海外の店舗で働く日々を過ごす
東京都内だけでなく、海外の店舗で働く日々を過ごす

「もともと教えることが好きで、子どもに関わることに興味がありました」

そう話すのは、個別指導塾「城南コベッツ」を3教室展開している知野。大学生時代は、家庭教師のアルバイトや、ボランティア系のサークルに所属して、在日外国人に日本語を教えたり、子どもに勉強を教えたりするなど、教育業界に携わっていました。しかし、キャリアの歩みは、意外にも「教育」とはほど遠い業界からスタートしています。

「当時は、教育業界に就職するという選択肢すらありませんでした。塾もそうですが、給与水準が決して高い業界ではないことを知っていたので、自分(の生活)に余裕がない状態で子どもに関わることはできないと思ったんです。であれば、本職とは別にボランティアなどで子どもに関わることができればいいと考えていました」(知野)

その結果、卒業後は誰もが一度は聞いたことのある大手小売店に入社し、東京都内だけでなく、海外の店舗で働く日々……。しかし、入社から1年後には別の道を歩むことになります。

「新卒としては給料も申し分なかったんですが、基本給と残業代が同額になるくらい激務でした。勤務を終える頃には日付が変わっているので、週休2日とはいえ、休みは実質、週に1.5日とか1日程度。発注や仕入れなどの業務もしていましたが、結局は単純作業なので、『この仕事をずっと続けるのか?』と自問自答したときに、出した答えが否だったんです。そこで、肉体労働ではなく、頭を使う仕事をしたいと思って転職することにしました」(知野)

過酷な労働環境に耐えかねて転職サイトを見ていると、ふと目に留まった商社の求人。その会社に対する強い思いはなく、「なんとなく」という理由だけで応募することに……。すると、見事内定を勝ち取るのです。

「肉体を酷使して働いていたことで、考える癖がなくなっていたんでしょうね。転職サイトの最上位に表示された会社に応募しました(笑)。これはあとから聞いた話ですが、倍率は130倍だったそうです。本当にたまたま入社できたようなものですね」(知野)

そうして、知野は東京都内に本社を構える商社で、第2のキャリアをスタートさせることになったのです。

教員採用試験に向けて、商社を退職

「オーナーだからこそ、指導するスキルは必要」

超多忙な小売店の店舗スタッフから商社の営業マンへキャリアチェンジした知野は、右も左も分からない日々を過ごしながらも、「完全週休2日制」の生活を手に入れます。前職とは一変、時間に余裕ができた彼は、ある決断をすることになったのです。

「従業員数は100人程度、数十億円の年商を稼ぎ出す会社でした。会社に対して特に不満もなく、仕事もおもしろかったんですが、給料がいいかといったらそれはまた別の話で……。近い将来というわけではありませんが、小学校の教員になりたいとも考えていたので、働きながら教員免許が取得できる大学の通信教育に通いはじめました」(知野)

そしてある日、業務の関係で訪れたイベントの隣で、たまたま日経が主催するフランチャイズ・ショーが開催していたのです。興味本位でフランチャイズ・ショーの会場をブラブラしていると、ふと「城南コベッツ」のブースを発見。この出会いがのちにフランチャイジーとして「城南コベッツ」に加盟するとは、その頃の本人はまったく知る由もありません。

「将来的にフランチャイジーとしての独立も視野に入れていたので、選択肢を増やすためにもブースで話を聞いたんです。その時は『こういう塾なんだ……』ぐらいで、特に気にもとめていませんでした」(知野)

その後、本格的に教員を目指すため4年と半年を過ごした商社を退社することに……。そして、教員採用試験までの期間を利用して、塾講師のアルバイトをはじめることになったのです。すると、彼の考えにある大きな変化が訪れました。

「最初は軽い気持ちではじめたんですが、塾講師のおもしろさにのめり込んじゃったんですよね。結局、教員採用試験は受けず、1年数ヶ月働いてから社員になりました。城南コベッツに加盟するという選択肢もあったんですが、当時は、フランチャイズといったら本部から大量のロイヤリティを搾取されるというネガティブなイメージしかありませんでした(笑)」(知野)

そうして、学習塾の講師としての新たなキャリアを歩みはじめた知野でしたが、想定外の事態が彼を待ち受けていたのです。

1号教室の開校からおよそ2年で3教室のオーナーに

城南コベッツ 千葉中央教室、西千葉教室、千城台教室の3教室を展開
3号教室の「城南コベッツ 千葉中央教室」。他にも「西千葉教室」「千城台教室」の3教室を展開

「社員になってから1年後くらいに責任者がガラっと変わったんです。すると、講師が生徒を車で自宅まで送ったり、職員室の机に足を乗っけたりするなど、著しくモラルが低下しちゃったんですよね。会社の経営自体が悪化してしまって将来が不安になったという背景もあり、思い切って辞めることにしたんです」(知野)

予期せぬ形で退職を余儀なくされた知野が新たな門出に選んだのは、「フランチャイジーとしての起業」でした。とはいえ、決してポジティブなイメージを抱いていなかったフランチャイズ加盟に至った決断の裏には、ある戦略が潜んでいたのです。

「そもそもはフランチャイズに加盟するつもりはありませんでした。ただ、イチから起業するとなると、給与計算やチラシ作成など、指導以外の部分が手間になってくるので、フランチャイズ本部にロイヤリティを払うことでノウハウを買った方がうまくいく。そう考えたんです」(知野)

そうと決まってからは、フランチャイズ本部が開催する説明会に足を運ぶなど、情報を収集する日々……。数ある個別指導塾の中でも「城南コベッツ」を選んだのにも大きな理由が隠されていました。

「小中学校の経験はありますが、大学受験の指導については未知の領域です。『城南コベッツ』は予備校から誕生した個別指導塾ということで、大学受験に強いのが特徴。高校に行くなど外部との交渉が発生する際に、大学受験の情報を享受できる点は大きなメリットになると思い、『城南コベッツ』に加盟させていただくことにしました」(知野)

そうして2014年11月、知野にとって1号教室となる「西千葉教室」を開校させました。さらには、2015年6月には2号教室となる「千城台教室」を、2016年3月には3号教室となる「千葉中央教室」を開校させています。

フランチャイズオーナーにとって目標のひとつとなる「複数店経営(多店舗展開)」を現実のものとするなど、順風満帆に見えるかもしれません。しかし、この後に思いもよらない事態が知野を待ち受けているのです。

とことん生徒の面倒を見たい——教育への思いが生んだ、人とのつながり

城南コベッツのオーナーとして事務作業などもこなす
オーナーとして事務作業などもこなす

西千葉教室の開校からおよそ2年で3教室のオーナーとなった知野。スタート2ヶ月目にして生徒数が20人に達するなど、順調なスタートを切ることができました。

「生徒には本当に恵まれています。どこから耳にしたか分かりませんが、以前勤めていた学習塾の元教え子たちが、開校後たくさん入塾してくれました。中には、往復3時間近くかけてわざわざ通ってくれた元教え子もいたんです。その子たちの兄弟が入塾してくれたり、親御さんが口コミで広げてくれたり。開業から1年後には60人くらい、最大時は93人の生徒がいました」(知野)

これを「運が良かった」と振り返る知野ですが、実に2年以上もの間、運だけで生徒数をキープすることはほぼ不可能です。背景には、それまでに彼が築いてきた教育への、そして生徒への情熱が関係しています。

「学習塾の講師時代もそうですが、本気で指導するのはもちろん、とことん生徒の面倒を見てきました。以前、推薦入試を控えている生徒がいたんですが、〆切の前日になっても必須の提出物を完成させてなかったんです。冗談交じりで親御さんに『一緒に徹夜でやりますよ』と言ったら、『お願いします!』と言われたこともありました。こんな風に本気で向き合えるのも、教員採用試験をパスして塾講師として生きていこうと思った理由なんですけどね」(知野)

その一方で、業界に蔓延する講師不足には悩まされることもあるといいます。

「千葉大でトップレベルの成績を誇る優秀な学生など、トントン拍子に講師が増えていきました。ただ、社員の採用は本当に大変で……。現在は1教室につき社員ひとりを配置している体制をとっているんですが、以前採用した社員が2016年の年末に退職してしまって(笑)。ギリギリの人数で運営しているので、ひとりでも欠員が出るとキツいんです。そのときは家族に手伝ってもらうなどして、なんとか乗り切りました」(知野)

その後は無事に優秀な社員の採用に成功。スタッフはもちろん、生徒やその親御さんなど、環境に恵まれているのは、彼が塾経営を「お金儲け」と位置付けていないところにあります。教育にとことん向き合うことで、お金は後でついてくる——これからもこの思いを持ち続け、教育業界をけん引していく存在になってくれることでしょう。


塾経営(城南コベッツ)はお金儲けではない——元サラリーマンが抱く教育への熱い思い(2017.5.19公開)
※掲載情報は取材当時のものです。



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