有限会社Stay Dream Project 代表取締役・篠塚知美
宅配クック123のロゴ

居酒屋以外の第2の柱を求めてFC加盟! 高齢者向け弁当宅配業に魅せられた経営者

千葉県で居酒屋3店舗を運営する有限会社Stay Dream Projectの代表取締役・篠塚知美は、紆余曲折を経て「宅配クック123」への加盟に至っただけでなく、黒字転換するまでに数々の試行錯誤を繰り返します。その背景にあったストーリーをご覧ください。

昼間の柱となる事業でフランチャイズ加盟を検討

篠塚が全3店舗経営している居酒屋の写真
篠塚が全3店舗経営している居酒屋の写真

「お弁当を配るのではなく、会いにいくというのが大事。お弁当を届けるというのはひとつの手段なんです。この想いがドンピシャではまりました」(篠塚)

そんな「宅配クック123」のコンセプトに魅力を感じて加盟を決意したのは、「有限会社Stay Dream Project」の篠塚知美。千葉県は木更津・君津市内で3店舗の居酒屋などを展開する会社で代表取締役を務める人物です。

起業する以前は、電気機器業界の資材バイヤー職としてエリアを日々奔走していた篠塚ですが、担当していた事業が他部門に移ることに……。これが彼にとって大きな転機となりました。

「上司が変わって新たに信頼関係を築き上げるとなると、3〜5年は必要。であれば、仕事を変えるのもひとつの手段かな、と。そんなタイミングで高校の同級生でもあり、弊社が現在加盟している居酒屋の社長と再会しました。既に違う居酒屋で成功を納めていた彼が新たなお店をオープンするということで、ビジョンに共感してフランチャイズ加盟させてもらうことになったんです」(篠塚)

こうして電気機器業界の資材バイヤー職としてのキャリアに終止符をうつと共に、2004年4月「有限会社Stay Dream Project」は産声をあげました。そして同年の6月に居酒屋の1号店を、翌年には2号店を、さらにその翌年には3号店をオープンするなど、順調に店舗を増やしていきました。

しかしその一方で、ある考えが脳裏をよぎったのです。それは、「5年後や10年後も居酒屋だけで会社が存続していけるのか」というものでした。

「人口の減少や若い人の酒離れが叫ばれているこの時代。いい時もあれば悪い時もあるなど、居酒屋の売り上げはどうしても安定しません。安定した売り上げを継続させるためにも、昼間の業態で柱となる事業を展開することが得策と考えました」(篠塚)

居酒屋の経営ノウハウから見えた、成功への道すじ

現在は本部と二人三脚で売上アップを目指す
現在は本部と二人三脚で売上アップを目指す

新たな事業といっても、当時の篠塚の先に見えていたのは飲食業一択でした。

「経験上、お客様からダイレクトに『ありがとう』と言ってもらえる仕事は飲食業以外に考えられませんでした。電気機器業界で部品の選定や調達に勤しんでいた頃もとても有意義な仕事だと感じていましたが、いくらいい部品を組み込んでもお客様から直接『ありがとう』という声は聞こえてこない。結局は、値段が安くなることで『ありがとう』となるわけですから……。エンドユーザーが目の前にいるのといないのでは、全然違うんですよね」(篠塚)

飲食の中でも、「ノウハウを享受すること」を目的にフランチャイズに的を絞って新規事業を探しはじめた篠塚。そして、数ある中から彼の目に止まった事業こそが、まさに「宅配クック123」だったのです。

「興味を持って資料請求をしたら、担当の方がすぐに茂原まで会いにきてくれました。ひととおり事業の説明を聞いたら、居酒屋のノウハウが通じると感じたんです。ほかのフランチャイズ事業もいくつか検討しましたが、5年後10年後を考えた時に、高齢者を対象にした仕事が伸びていくと感じ、宅配クック123オンリーで検討を進めました」(篠塚)

その後は、既に加盟しているオーナー様から話を聞いたり、本部の開発担当と共に周辺の地域包括支援センターでヒアリングしたりすることで、高齢者向けの宅配弁当の需要を強く実感するなど、篠塚の加盟への想いが最高潮に達します。しかし、今すぐにでも加盟したい想いとは裏腹に、大きな壁が立ちはだかるのです。

1年間の赤字収支モデルで加盟を一時断念……その後、加盟するも苦戦

宅配クック123が提供するお弁当の一例
宅配クック123が提供するお弁当の一例

フランチャイズ加盟を検討している企業や個人にとって、本部が提案する収益モデルは加盟を決定する大きな材料になります。篠塚も例外に漏れず、宅配クック123の本部から収益モデルを提案してもらっていました。しかし、そこに提示されていたのは、2年目以降は黒字に転換するものの、加盟から1年間は赤字が続くという収益モデルだったのです……。

この収益モデルを片手に新規事業の決裁権を持つ自社の担当に加盟を打診しにいきます。しかし、担当が下した答えは、篠塚の想いを打ち砕くNO。既に展開している3店舗の居酒屋で赤字分を補填することは到底できず、会社が傾いてしまうという理由でした。

担当のぐうの音も出ない言い分に、宅配クック123へのフランチャイズ加盟を諦めざるをえない状況になった篠塚……。加盟できない理由を伝えるため、宅配クック123の本部を訪れます。篠塚が資料請求をした日から1年以上の月日が経った、2013年の年末のことでした。

「絶対に加盟したい!」という想いが夢物語と化してすっかり意気消沈してしまった彼は、事務所がある茂原へまっすぐ帰らず、多くの居酒屋が立ち並ぶ有楽町で途中下車……。居酒屋で呑んだくれているその時に篠塚の携帯が鳴ったのです。相手は、何度も茂原まで足を運んでくれた宅配クック123の開発担当からでした。

「強い想いを持っている篠塚さんにぜひ加盟してほしい。そういうオーナーさんと一緒に事業を育てるのが弊社にとって本望です、と……」(篠塚)

そこで再度、社内で宅配クック123へのフランチャイズ加盟を相談。すると、篠塚はもちろん、本部の熱い想いに共感して決裁が下されたのです。こうして2014年3月、晴れて「宅配クック123 木更津君津店」をオープン。

加盟までに幾度となく開発担当とコミュニケーションを重ねてきたことで、仕事内容に対するズレは生じなかったという篠塚。むしろ、イメージしていた以上に「すばらしい仕事」であると日々実感しています。

「話してるだけでよろこんでもらえるだけでなく、『今日も来てくれてありがとう』って感謝されるんです。こんな仕事はなかなかないですよ。この間なんか従業員から『私はこの仕事にとても誇りを持っているんです』って言ってもらえたんです。涙が出るほどうれしかったですね。高齢者の方たちとコミュニケーションを図ることで、人間としての暖かさや朗らかな気持ちを持てるようになるなど、自分たちも成長できる仕事であると実感させられました」(篠塚)

あとは収支面。本部の収支モデルでもあった赤字スタートをいかに早く黒字転換するか……。意気揚々と加盟を決意した篠塚も、経営者として不退転の覚悟で抜本的な大改革がはじまりました。

「加盟=ゴール」ではない。本当のスタートは加盟後だった……抜本的な改革で黒字に転換

今日も笑顔でお客さまに会いにいく
今日も笑顔でお客さまに会いにいく

フランチャイズ加盟を果たしたからには、事業としての採算性は必要不可欠。昼間の柱となる事業として「宅配クック123」に加盟しただけに、一刻も早く黒字転換することがオーナー兼店長でもある篠塚の使命です。

「大手がブランド力だとしたら、我々は人間力で勝負しています。そのためには、毎月の営業はもちろん、ケアマネジャーをはじめとしたキーパーソンに直接会う回数を増やすことが大事。信頼関係を築くのは簡単なことではありませんが、一度築いてしまえばなかなか壊れないですからね」(篠塚)

会う回数を増やすのはもちろん、ケアマネ専用ダイヤルを開設し、常に篠塚が電話に出ることで安定した対応をキープ。その結果、継続した大口契約を獲得しています。

また2016年5月からは、月に1回、「なのはな通信」というオリジナルの店舗新聞を作ってお客様全員に配布。木更津・君津の昔の風景や従業員の紹介をすることで、お弁当を持って会いにいった時に話のネタになるだけでなく、お客さまから大変ご好評をいただいています。

さらに、それまでは他のスタッフに任せっきりだった調理作業に着目。篠塚自身が厨房内の指揮をとることで、徹底的に無駄を排除していったのです。

「担当エリアが広いので、配達はどうしても非効率的なんですよ。であれば、厨房の効率化を図ろうと考えました。朝から厨房に入って全体を把握したら、まずは経費を削減できると思ったんですね。それまでは発注作業もアルバイトスタッフに任せていたんですが、かなり先のものまで発注していて……。さらに、作業のムダを省いていったら、1人1時間、合計で1日2時間分の人件費を削減することができました」(篠塚)

その結果、2017年2月ついに黒字化を実現しました。赤字が3年間続いたら撤退を決めていた中で嬉しい出来事でした。そして、その後も「昼間の柱」となる事業として順調に成長中です。

まずは宅配クック123事業を昼間の柱に——そのためにも、この事業を通じて1人でも多くの高齢者に喜んでいただけるように君津市から千葉県に、そして高齢化社会に貢献していきます。


居酒屋以外の第2の柱を求めてFC加盟! 高齢者向け弁当宅配業に魅せられた経営者(2017.6.23公開)
※掲載情報は取材当時のものです。



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宅配クック123は、シニアの方向けにお弁当を宅配するサービス。 ただお弁当を届けるだけでなく、安否確認の役割も担ったり、オーナーが認知症サポーターの資格を取得し認知症のお客様にも安心して利用いただいたり・・そんな心配りも大切にしているフランチャイズです。

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