代表取締役の浅野忍圡
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人材不足への解はシニア活用ーー需要高まるベビーシッター事業にFC加盟した異色企業

有望なFC本部の発掘と育成をメインに展開する株式会社ATカンパニー。そもそもは、「コミルとメイド」もクライアントのひとつです。FC展開の上で課題となった“人材不足”を補うためにとった打開策とは? そしてFC加盟の理由とは? 当社の創業秘話とともに、代表取締役の浅野忍圡(あさの・しのただ)がお話します。

トップ営業として活躍するものの、変わりゆく理念や想いに違和感を感じて退職

自身のフランチャイズとの出会いと会社設立について語る代表取締役の浅野忍圡
自身のフランチャイズとの出会いと会社設立について語る代表取締役の浅野忍圡

ATカンパニーは、 “自らが加盟したい”と判断した「有望フランチャイズ」を発掘し、事業のステージに応じた適切な支援やコンサルティングをメインに展開している会社です。開発代行も同時に行なうことで、月平均でそれぞれ4〜5店舗の加盟店様の新規開発に尽力。2009年の創業以来、トータル400店舗にもおよぶ新規開発に携わるなど、フランチャイズ事業のプロフェッショナル的な存在です。

代表取締役を務める浅野がフランチャイズ事業に出会ったのは、ATカンパニーを創業するずっと前のこと。大学を卒業後、フランチャイズ加盟店の開発事業を行なう会社に営業職として入社したことがはじまりです。4年目からはマネージャーとしてチームをけん引するだけでなく、およそ数百人もいる営業マンの中で常にトップの成績をキープするなど、会社の拡大にも貢献してきました。

しかし、会社に対して抱いた“ある違和感”をきっかけに退職を決意することになるのです。

「急激に成長する企業にはよくあることかもしれませんが、会社がどんどん拡大していく一方で、当初抱いていた『理念』や『想い』とかけ離れていく部分を感じて……。であれば、退職して起業した方がいいと感じたんです」(浅野)

そこで2009年、退職すると同時に「ATカンパニー」を創業。とはいえ、“このビジネスでやろう”という明確なビジョンがなかった浅野は、フランチャイズとは関係のない分野で、営業代行やコンサルタント業をスタートさせることになったのです。

「フランチャイズのコンサルや開発代行は組織力を必要とする業務。ひとりで起業したので、前職でやってきた業務をそのまま事業に落とし込むのは難しかったんです」(浅野)

しかし、起業から1年後にはスタッフを雇うなどして組織力を強化した後、現在の事業にシフトすることになるのです。

「コミルとメイド」がフランチャイズ展開するにあたってコンサルを開始——そこで浮かび上がる雇用という問題

「コミルとメイド」の本部担当者と
「コミルとメイド」の本部担当者と

自身の得意分野でもあるフランチャイズに的を絞ってからは、その知見を生かしてイッキに加速。あるフランチャイズでは、当社が支援をはじめてからの2年間で100件以上にもおよぶ新規店舗を開発するなど、多くの実績を残してきました。また、コンサルや開発代行にとどまらず、支援しているフランチャイズに当社が自ら加盟をすることで、フランチャイジーとしての視点も養ってきたのです。

そんな当社が「コミルとメイド」にフランチャイズ加盟したのは、2017年4月のこと。じつは、その半年以上も前から「コミルとメイド」のフランチャイズ本部の支援をスタートさせています。

6年間の実績から、すでに確立されているビジネスモデルということもあり、ブラッシュアップを図ることで直営店しかない「コミルとメイド」のフランチャイズ加盟店を増やしていくのがミッションです。

そのためには、シッターさんの雇用が最重要課題……。しかし、どの業界でも人材不足が叫ばれている昨今、ベビーシッターの派遣事業も同様です。思うようにシッターさんの雇用ができなければ需要と供給のバランスが取れず、当社が定義づける「有望なフランチャイズ」と呼ぶには値しないどころか、「コミルとメイド」のフランチャイズ展開をスタートさせるにも疑問が残るところ——そこで本部との話し合いで、ある展開を考えました。

「面接や研修をするための拠点を増やすことができれば、それに伴ってシッターさんも増える。今まで品川を本拠地として活動しながらも、千葉のシッターさんを集めるために千葉で貸し会議室を借りるなどしていました。では、それを千葉だけではなく、FCの特性を活かして、全エリアを通してやっていきましょうよ、と」(浅野)

しかし、各地に拠点を作るには、言うまでもなく莫大な資金が必要です。では一体、どのようにしてその問題を解決していくのでしょうか……?

各地に拠点を増やすことで「人材不足」という課題を解決

シッターさんのメインターゲットを40代〜70代に設定することで人材不足を解消
シッターさんのメインターゲットを40代〜70代に設定することで人材不足を解消

そこで案じた打開策が、フランチャイズ加盟者の方には、加盟と同時に駅近に1ルームの物件を契約してもらうこと。

「加盟店が増えれば増えるほど、いろいろなエリアに事務所ができるんですよ。弊社は秋葉原に本社があって、コミルとメイドの事務所を麻布十番に構えている。そして、コミルとメイドのフランチャイズ本部が品川にあるので、自然と人が集まりやすくなります。たとえば、渋谷や新宿にしか拠点がない場合、雇用するのもなかなか難しいんですよね」(浅野)

しかし、各地に拠点を設けただけでは、人材不足を完全に解決できるとは限りません。そこで浅野が着目したのは、雇用する方の「年齢」です。一般的にシッターさんとして働く方の多くは20代〜30代の方がボリュームゾーン。ですが、「コミルとメイド」がメインターゲットとしているのは、40代や50代はもちろん、60代以上のシニア層の方なのです。

「大手の競合他社は新宿や代々木に拠点があるので、千葉から行くとなると1時間以上はかかりますよね。20代〜30代の方にはいいかもしれませんが、それ以上になってくるとなかなか重い腰が上がらないので、自然と若い層が集まります。しかし、高齢化社会といわれている日本において、雇用しやすいのは我々がターゲットとしている層。この辺のことを考えても、とても理にかなっているんです」(浅野)

40代以上の方をターゲットにするには、ほかにも理由があるのです。それは、働くことをただのお金儲けとして捉えないことが多い層だから。そう浅野は続けます。

「一概には言えませんが、20代や30代の方に比べて、それくらいの年齢になってくるとお金にもある程度余裕が出てくるはずです。また、特にシニア層の方に限っていえば、社会との接点を求めて働きはじめる方も多くいます。そういった場合、シッターさんなどといった社会性のある仕事は需要が高いんです」(浅野)

待機児童問題などを背景にニーズが高まるベビーシッター事業に大きな可能性を感じて……

「仕事」と「育児」の両立にはベビーシッターの存在が欠かせない時代に
「仕事」と「育児」の両立にはベビーシッターの存在が欠かせない時代に

こうして一番の課題であった「雇用」の問題を解決できたものの、気になるのがベビーシッターの需要です。いくらシッターさんを集めても、需要がなければビジネスとして成り立ちません。しかし、女性の社会進出が進む現代において、共働き夫婦が増えているのは周知の事実。ある調査(※参照 http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)によると、2016年の共働き世帯数は1129万世帯にもおよび、この5年間で14パーセントも増えているそうです。

その一方で、待機児童問題が深刻化している日本では、ベビーシッターのニーズが右肩上がりに伸びているだけでなく、今後はその勢いがさらに加速すると予想されています。

「子どもが熱を出したら、ほかの園児に移るかもしれないという理由で保育園は預かってくれないんですよ。病院でも預かってくれる施設はあるんですが、それも定員が1日あたり2〜3名など、限りなく少数なのですぐに埋まってしまう。親にお願いしようにも、地方にいらっしゃるようであれば絶対にムリ。では、共働き夫婦の場合はどうするのか? もう、ベビーシッターにお願いするしかないんですよね」(浅野)

2017年4月にフランチャイズ展開がスタートした「コミルとメイド」ですが、3ヶ月が経過した6月時点で、すでに10件の加盟が決まっています。今後は本格的に告知をするなどして、月6〜7件ペースで増えていくと想定。そして、2018年4月までには約100件の加盟、それに応じて面接や研修を受けられる拠点が増えていく見込みです。

近い将来、当社も周辺エリアで2店舗目、3店舗目となる多店舗展開を予定。その後はその周辺エリアを網羅するくらいのメガフランチャイジーになることも視野に入れています。拠点が増えれば増えるほど、シッターさんが集まりやすくなる利点も考慮してのことです。

社会性の高い事業ということで、シッターさんだけでなく、ユーザーからもよろこばれる「コミルとメイド」のベビーシッター事業。今後、女性の社会進出がより盛り上がりを見せる日本において、仕事と育児の両立を図る上では欠かせない事業になるはずです。


人材不足への解はシニア活用ーー需要高まるベビーシッター事業にFC加盟した異色企業(2017.8.4公開)
※掲載情報は取材当時のものです。



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