BBQ王のフランチャイズに加盟されたオーナーの写真
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飲食系企業がサイドビジネスとして加盟!「餅つき王」と既存の飲食店とのシナジーとは

2017年11月に「餅つき王」のフランチャイズに加盟した「有限会社 胡座(あぐら)」。九州で古民家レストランや焼肉店、食パン専門店、ラーメン店などを展開する会社です。なぜ、餅つきのケータリングサービスである餅つき王に加盟したのか、そして既存の飲食店とどういうシナジーがあるのか。同社の川端康正CEOが語ります。

飲食店を経営する傍らで始めた餅つきデリバリーサービス

手ぶらで餅つきを楽しめる、餅つき出張サービスの「餅つき王」
手ぶらで餅つきを楽しめる、餅つき出張サービスの「餅つき王」

「餅つき王はサイドビジネスにも最適ですね。ほかの飲食系フランチャイズと比べて初期費用を抑えられるだけでなく、100人規模の依頼でもスタッフはひとりいれば対応できますし、原価も圧倒的に安い。ロイヤリティなど諸々を差し引いても、利益は他の飲食の5倍くらいはあります。まだまだブルー・オーシャンで競合もほぼゼロですし、12月と1月の2ヶ月間だけの稼働でも、小規模な飲食店の1年分の利益を上げられますよ」(川端オーナー)

「餅つき王」は、餅つきのケータリングサービスを展開するフランチャイズチェーン。餅つきに必要な道具や食材などを指定の場所まで届け、手ぶらで餅つきを楽しんでもらうのが「餅つき王」のサービスです。BBQのケータリングサービスである「BBQ王」を20年以上も運営し、フランチャイズ展開する株式会社HFが運営しているので、安心して加盟できるのも特徴のひとつになっています。

そんな「餅つき王」のフランチャイズに加盟し、FC1号店として活躍する川端オーナー。九州は福岡県で古民家レストランや焼肉店、食パン専門店、ラーメン店などを展開する「有限会社 胡座(あぐら)」のCEOを務める人物でもあります。

「飲食店以外にも、自社で作った野菜などを卸す農業法人を経営しています。あとは、別会社でコンサル事業も展開していて。飲食関係のコンサルはもちろん、アメリカに14年住み、海外で飲食事業を行なっていた経験を生かし、海外展開を見据えている法人・個人のコンサルなどもしています」(川端オーナー)

いわば、川端さんは飲食のプロ中のプロ。日本国内はもちろん、アメリカの外食産業も知り尽くす彼が「餅つき王」のフランチャイズに加盟したのは、餅つきのケータリングサービスがブルー・オーシャンだったことが大きく関係しています。

ちなみに「ブルー・オーシャン」とは、競合のいない市場のこと。多くの市場が飽和状態の今、既存の市場で競合優位性をキープし続けるのは、そう簡単なことではありません。そういった中、川端さんは競合がほぼ存在しない餅つきのケータリングサービスで勝負することにしたのです。

「餅つきのケータリングサービスをやっている会社なんてほとんどないんです。とはいえ、イベントなどで『餅つきをしたい!』という需要はありますし、なによりその場でつき上げた餅を食べられるので、お客さまにとても喜んでいただけます。餅つきの文化が衰退している中でもこういった需要はありますので、文化を継承していかないといけない。そういった使命を持って事業を展開しています」(川端オーナー)

ほかの飲食と比べて初期費用やランニングコストを抑えられる

アメリカで飲食関連の事業を数多く手掛けていた頃の川端オーナー
アメリカで飲食関連の事業を数多く手掛けていた頃の川端オーナー

川端さんが「餅つき王」に加盟したのは、市場がブルー・オーシャンだったからだけではありません。初期費用をおさえられるのも加盟する大きな要因になりました。

「機材は1回揃えたらそれで十分。というのも、基本的には杵や臼などを一式揃えるだけですからね。1畳ほどのスペースがあれば保管できますし、機材の費用は30万円もあればお釣りがくるはずです。初期費用を抑えられるのも加盟した一因ですね」(川端オーナー)

通常、店舗型の飲食店を立ち上げるとなると、店舗取得費や加盟金などを合わせて数千万円は必要になってくるのが当たり前。しかし、「餅つき王」の場合は無店舗でビジネス展開できるだけでなく、少ない機材でスタートできるので、初期費用を抑えられるのです。

「お餅って、原材料である餅米の段階なら安いんですが、蒸したりついたりしてお餅になると付加価値がついて高くなる。餅つきケータリングサービスの料金は、原価というよりも人件費や仕込み・片付けの手間代にかかっているので、利益率が高いんです。

また、ランニングコストも他の飲食と比べると低い。飲食店を経営していると、食材のロスに悩まされますが、『餅つき王』はオーダーが入ってから食材を購入するので在庫を抱えません。つまり、ロスがないんです。もし、当日雨が降っても、雨が避けられる場所さえあれば決行できるので、リスクを抑えられるのも大きなメリットですね」(川端オーナー)

また、複数の飲食店を経営していることから、これらとのシナジーも大いにあると川端さんは続けます。

「『餅つき王』では砂糖やあんこ、きなこなど調味料として用意しているんですが、うちではそれ以外にも、古民家カフェで出しているぜんざいや豚汁をオプションでご用意しています。これは既に飲食店を経営しているから出来ることですけど、強みとも言えます」(川端オーナー)

需要さえあればこういった加盟店独自のメニューを、オプションとして提供できるのも「餅つき王」のフランチャイズの魅力のひとつ。餅つき王が、立ち上げ期のフランチャイズだからこそかもしれません。

誰にでも出来ることだからこそ、まずはオーナーが現場で実践する

年末年始だけでなく、結婚式や会社行事、建設現場などさまざまな場面で参加型のイベントとして人気のある餅つき
年末年始だけでなく、結婚式や会社行事、建設現場などさまざまな場面で参加型のイベントとして人気のある餅つき

「『餅つき王』はおもに12月と1月の2ヶ月しか稼働していません。そうなると、専任のスタッフを採用するのは難しいんです。でも、弊社の場合はすでに別事業でスタッフがたくさんいるので、この2ヶ月だけ既存のスタッフに餅つきのほうの仕事をお願いすることだってできますから。そう考えると、別に飲食店を経営している会社だけがサイドビジネスに適しているわけではないんです。電気店などの異業種から、餅つき王にFC参入するのでもいいんじゃないですかね」(川端オーナー)

複数の事業を展開している「有限会社 胡座」ですが、餅つき王の事業は初年度からおもに川端さんが現場に行き、プレイヤーとして動いています。アルバイトスタッフを含めると100人以上もいる会社にもかかわらず、CEOである彼がプレイヤーを務める意味とは──?

「餅つき王の事業はなにも難しいことなんてないんですよ。本部が用意している研修さえ受ければ、未経験でもすぐに始められます。しかし簡単だからこそ、安易にスタッフ任せにしてしまうと失敗してしまう。

というのも、餅つきの事業はいかにリピートにつなげられるかがカギになっていて、競合がいないこともあり、お客さまにご満足いただければ、ほとんどの確率でリピートしていただける。なので、まずは土台を作りつつ、オーナーである私が先頭に立って背中を見せないとスタッフもついてきてくれないですからね。今は私が現場に入って働く段階です」(川端オーナー)

川端さんの努力の甲斐もあり、2019年シーズンの売り上げは昨年度対比で180パーセントほど。毎年、売り上げはほぼ倍々で増えているといいます。

「平均すると50人~75人くらいのグループが多いですね。なかには、700人~800人という大型の受注もありましたが、それでも、まだ私を含めて3人で回せるくらい。お餅をつくのはお客さまなので、人数にかかわらず当日やることは変わらないんです。なので、大型の案件のほうが嬉しいですね(笑)」(川端オーナー)

餅つき王のサービスに必要なのはオーナーの情熱

餅つき王の新たな営業先として、住宅メーカーとのコラボを考えている川端オーナー
餅つき王の新たな営業先として、住宅メーカーとのコラボを考えている川端オーナー

売り上げが伸び続けている背景には、日々の地道な周知活動が関係していることも忘れてはいけません。餅つきのケータリングサービスはブルー・オーシャンで競合がほぼ存在しない一方で、まだまだ認知度が高いとは言えないのが現実なのです。

「ホームページだけでは集客が見込めるとは言い切れないので、ポスティングやDM、企業への営業活動が重要です。たとえば、工場とかって年末に仕事納めの一環として、従業員が集まって餅つきをしたりしてるんですよ。それを『餅つき王』がすべて請け負いますよ、と。ほかにも、結婚式場やアミューズメント系の施設、住宅展示場など、法人さまからも多くご依頼いただいています」(川端オーナー)

お客さんに餅つきを楽しんでもらうのがほとんどですが、オプションで餅をつくサービスも提供している「餅つき王」。ゆえに、体力が必要とされる場面も多く存在します。

「準備や片づけだけでなく、仕込みも重量のあるものを運んだりと体力勝負になるので、気合いを入れて事業に取り組まないと続かないですね。どんな商売にも必要ですが、いかに情熱があるかないかが重要だと思います。なので、『儲かりそうだから』という理由で加盟してもうまくいかない。『お客さまに喜んでいただきたい!』という強い思いを持っているオーナーさんと一緒に餅つき王を盛り上げていきたいですね」(川端オーナー)

今後はスタッフを巻き込んで事業を拡大していくことも見据えている川端さん。そこで彼が注目しているのが住宅メーカーです。住宅メーカーが上棟式の際に実施するある風習に、餅つき王のサービスをコラボさせられないか策略を巡らせています。

「エリアによっては実施しないところもあるかもしれせんが、上棟式のときに餅投げをしますよね。そのお餅を『餅つき王』が請け負えないかな、と。住宅メーカーと組んで、家を建てた人にはサービスで組み込んでもらうイメージです。年間、何百棟も建つので、コラボできれば安定した売り上げが見込めますからね」(川端オーナー)

川端さんのように「餅つき王」をサイドビジネスとして活用するのはもちろんですが、フランチャイズ本部が推奨しているのは「BBQ王」との併用です。BBQのオフシーズンである冬の時期に餅つきのケータリングサービスを提供することで、1年を通して収益化するのが狙いです。

サイドビジネスという位置付けとはいえ、「餅つき王」のビジネスに本気で取り組み、“餅つきサービスをテキ屋っぽいイメージから変えたい”と語る川端さん。餅つきという日本の伝統文化を継承していくという強いプライドを持って取り組んでいる彼なら、必ずや実現してくれることでしょう。


飲食系企業がサイドビジネスとして加盟!「餅つき王」と既存の飲食店とのシナジーとは(2020.3.29公開)
※掲載情報は取材当時のものです。



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