GO!GO!CVSセーフティステーション活動報告会
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(通称JFA)が、
平成26年7月4日、京都パルスプラザ(京都府京都市)にて
『GO!GO!CVSセーフティステーション活動報告会』を開催した。
この報告会は、平成15年からスタートし、
全国47都道府県全ての開催を経て今では年2回定期的に開催されており
セーフティステーション活動(通称SS活動)の活動報告や防犯のための模擬訓練、
他店の模範となる活動に取り組んだ店舗の表彰などを行うものである。
SS活動とは具体的にどのような活動かについて触れておきたい。
JFAに加盟しているコンビニエンスストアが参加する活動のことで
「安全・安心なまちづくりに協力」、「青少年環境の健全化」を
目的とし、常に安全に気を配った店舗運営をするものである。
人々の“安全の場”としての側面もあるコンビニエンスストアだが
その意識を持ち続けるために、このような活動報告会が設けられているのであろう。
「コンビニチェーンオーナーと共に活動の意義を共有再確認し店舗でのさらなるブラッシュアップに繋げるため」
と活動報告会の冒頭で話があった。
これこそ、SS活動が定期的に開催される所以なのである。
JFAや本部だけでなく、オーナーもこの会に参加していることがキーポイントだ。
常に店舗を運営している彼らこそが、身近で親しみやすく
安心して駆け込める場所になるような場を創りあげていかねば
ならないので、彼らが主役と言っても差し支えないだろう。
今回のSS活動には、京都府内のセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート
サークルKサンクス、ミニストップなど8チェーンが集まり、防犯のための模擬訓練などが行われた。
以下は、報告会の流れをまとめたものである。
━━━━━━━━━━■報告会の内容━━━━━━━━━━━
【1】主催者の挨拶 JFA会長 山本善政氏
【2】SS活動報告 SS活動推進委員会 委員長 堂本敏雄氏
【3】模擬訓練・SS活動好事例表彰
【4】来賓講評
【5】協会挨拶 JFA専務理事 伊藤廣幸氏
【6】宣誓~SS活動の誓い~
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【1】主催者の挨拶 JFA会長 山本善政氏
フランチャイズ・ビジネスの市場規模は、売上規模は約22兆2200億円。
日本には1286チェーン、約25万店舗あるというのが現在の数字だ。
まさにフランチャイズ・ビジネスは、日本の一大産業として成長したと言えるだろう。
その中でのコンビニ業界というのは約5万店舗展開しており、売上規模は約10兆円にも迫る。
一日の来店数は約4000万人であり日本人口の約3分の1ともなる。
このことからも、コンビニが世の中に無くてはならない社会のインフラであるとわかる。
同時に、より一層国民の皆様のお役に立ち続けることが重要であって
そのためにも、SS活動はとても効果がある活動である。
【2】SS活動報告 SS活動推進委員会委員長 堂本敏雄氏
SS活動とは、平成12年警察庁がJFAに対して「安全・安心なまちづくり」
「青少年環境の健全化への取り組み」への協力を要請したことから
加盟するコンビニ13社で始めた活動のことである。
SS活動の具体的な例として、東北大震災の際
一般の小売店は再開の目処がつかなかったが、コンビニ各社は早期に復旧し
対応したことで、多くの被災者・帰宅困難者を救った。
最近では、地域の小・中学校などからの体験学習を受け入れている。
家庭では学びにくい社会のルールやマナーの大切さを意識させ、
少しでも万引き・いじめ問題の役に立てればと考えている。
SS活動推進委員会は、今後も活動を継続させ地域社会に貢献していくつもりだ。
【3】模擬訓練・SS活動好事例表彰、インタビュー
活動参加チェーンによる自主防犯について模擬訓練が行われていた。
従業員が日頃から自主防犯を意識することで、未然に強盗・万引き等を
防ぐ効果も上がると言えるし、意識の向上にもこの訓練は一役買っていると言える。
店舗が行う自主的なSS活動の中には、他店の見本となるような以下の好事例がある。
○地域防犯活動・犯罪抑止・防災活動に協力した事例
○振り込め詐欺等の被害を未然に防止した事例
○小学生や中学生の職場体験の受け入れや、たむろの解消に取り組んだ事例
○高齢者やお体の不自由な方の保護、子供の見守り活動に取り組んだ事例
○女性や子供の駆け込みに対応した事例
○事故や急病人などの緊急事態に適切に対応した事例
上記対象となったオーナーには山本会長より表彰盾が授与されていた。
【4】来賓講評
以下は、来賓からの言葉である。
注目したいのは、京都府警など公的な機関からの来賓があること。
フランチャイズが地域貢献にも役立っていることがわかるコメントだ。
○京都府府民生活部 青少年課 指導担当 副課長 森本真至氏
SS活動に日頃から取り組んでおられるコンビニには非常に感謝している。
そして青少年課としては、コンビニの取り組みを参考に今後活動していきたい。
また引き続きJFA・コンビニと協力し、「青少年の健全化」「安心・安全な地域」
を目標に活動し継続していきたい。
○京都府警察本部 生活安全部 生活安全企画課 犯罪抑止対策室長補佐 惣司匡樹氏
京都府警は、人目が少ない時間帯に犯罪件数が増える状況を踏まえ、
近隣のコンビニ・警備会社などと共に防犯訓練を行い、協力してきた。
そしてこれから先「コンビニがあるからこそ、安全安心な地域である」ということを
もっともっと社会に伝えなければならない。またJFA・コンビニとの取り組みを継続し続けていきたい。
【5】協会挨拶 JFA専務理事伊藤廣幸氏
ここで、JFAの伊藤専務理事から挨拶があった。
伊藤専務理事は、ローソンの社長室を勤めあげた経歴がある人物だ。
SS活動に日頃から取り組む各チェーンオーナー様に感謝すると
同時に、SS活動は9年目を迎え、内容はますます充実してきた。
例えば、現在約1万7000店舗のコンビニで配送サービスを
実施しているが、その際自主的に見守り活動も行っていること等はサービスを越えた究極のサービスだ。
また、1000件近い振り込め詐欺の防止、小中学生向けの体験学習なども行っている。
まさにSS活動は社会貢献活動として大きく認知されてきたと言える。
そして、消費者に一番近い存在は「コンビニだ」と自信を持っていただきたい。
【6】宣誓~SS活動の誓い~
最後にSS活動の意義の共有、確認のための宣誓が行われた。
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私たちコンビニエンスストアは「地域の安全・安心な生活拠点」として
セーフティーステーション活動の更なる継続・推進を通じ、社会的責任の
一環として地域社会との連携を図り、より一層信頼されるお店となることを
ここに誓います。
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上記の誓いでは、会場の空気が一体となった。
これから店舗運営をしていく上での意識を再確認する場となったことであろう。
〈編集部総括〉
コンビニ業界において、良いイメージも悪いイメージもあると思うが
このようなコンビニ業界の取り組みを知っていただろうか?
コンビニ業界はSS活動の意義を理解し継続し続けることで、地域に長く愛され
社会のインフラとしてますます社会に貢献してゆくであろう。
そして世界中に店舗展開して行き世界のインフラとして位置づけられる日も遠くはないだろう。