らーめん伏竜 郡山店オーナー 坂本 令
らーめん専門店 伏竜のロゴ

らーめん伏竜に加盟で売上3倍以上——食わず嫌いのらーめんで再起を懸けた男の物語

もちもち太麺に豚骨ベースの濃厚スープがやみつきになる「らーめん伏竜」。東北地方を中心に全国展開する優勝軒グループのらーめん店です。ベーネコミュニケーションの店主 坂本令は、元フグ出汁らーめん店を改装して伏竜をオープン。瞬く間に人気店の仲間入りを果たすと共に、4年経った現在でも好調を維持。その理由とは一体?

業績低迷の時に重なった2つの出来事。らーめんで第2の人生をスタート

らーめん伏竜 郡山店
らーめん伏竜 郡山店

坂本が起業家として選んだ最初の地は、埼玉県や群馬県をはじめとする関東エリア。当時は焼肉屋やとんかつ屋など、ピーク時で7店舗を展開する敏腕オーナーとして活躍していました。しかし、次第に歯車が狂いはじめ、業績は低迷……。取り返しがつかなくなる状態にまで落ち込んでしまったのです。

「おれはこの先、どうしたらいいんだ……」

途方にくれた坂本は、らーめん伏竜を展開する「株式会社 優勝軒」の専務取締役でもあり、前職時代から親交のあった三宅宏通に相談をすることに。その時に紹介してもらったのが、言うまでもなく「らーめん伏竜」だったのです。

さらに時を同じくして、坂本が起業をする以前に働いていた頃にお世話になった上司から連絡があります。それは、「郡山で経営しているらーめん屋の立て直しをお願いできないか」という内容でした。

「元上司が経営していたのは、フグ出汁を使ったらーめん屋。いい時で月200万円の売り上げを誇る店舗でしたが、連絡をいただいた頃は月120万円にまで落ち込んでいました」(坂本)

偶然にも重なった2つのタイミング……。悩みに悩んだ末に坂本がくだしたのは、フグ出汁らーめんのお店を「らーめん伏竜」に一新するという大胆な決断でした。「らーめん伏竜 郡山店」に全身全霊をかけることになったのです。

しかし、飲食店の経験はあるものの、らーめん屋の経営は坂本にとってはじめてのこと。しかも幼少時代に食べて以来、33歳のその時まで1度たりともらーめんを口にしたことがなかったのです……(!)。

「ただ単に食わず嫌いだったんでしょうね。このお話をいただいてから埼玉県は新座市にある伏竜の本店に食べにいったら、とてもおいしくて。これなら絶対に売れる。立て直せると思ったんです」(坂本)

その後、1ヶ月の研修を終えて2013年5月に「らーめん伏竜 郡山店」がオープン。らーめん屋の店主として、第2の人生がスタートすることになったのです。

30人の行列&1時間待ちで、オープン初日から人気が大爆発

オープン当初、駐車場は常に満車状態
オープン当初、駐車場は常に満車状態

7店舗を経営していた当時は、新店がオープンする度に相当なコストと時間を割いていた販促活動も、オープンまでの準備に追われて折り込み広告を数千部投下した程度……。

しかし、いざオープンしてみると、ひっそりとしたスタートをするという大方の予想をみごとに打ち砕く大盛況(!)。なんと、オープン初日にも関わらず、ピーク時で30人を超える大行列ができる賑わいぶりでした。それは、長い時で1時間〜1時間20分待ちというもの。

とはいえ、飲食店にありがちなオープン特需はもちろん、「オープンから3日間限定 らーめん500円」というキャンペーンのおかげに違いない。そう思ったのもつかの間でした……。

オープンから1週間が過ぎ、1ヶ月が過ぎても客足が落ちることはありません。一般的ならーめん屋であれば、オープンキャンペーンが終わったら途絶える行列も、なんと1ヶ月ほども続いたのです。

ふたを開けてみると、オープン1ヶ月目の売上は400万円。フグ出汁らーめん時代が120万円なので、実に3倍以上もの売上でした。

「らーめん屋自体はじめてのことだったので、当時は『すごいなー』くらいの感覚でした。正直、この数字がいいのか悪いのかすら分からなくて……。のちのち聞いた話だと、周辺のらーめん屋さんのオープン時の2倍くらいの売上だったようです」(坂本)

その後も客足が衰えることはなく、6月、7月も順調に売上をキープ。この背景には「ブランド力」と「立地条件」にあると坂本は分析しています。

「最大の要因は、『優勝軒グループのらーめん屋』というブランド力。自分でイチからはじめていたとしたら、この売上は絶対にムリでしょうね。それと、店舗の目の前に交差点があるんですが、行列を見て、『今度行ってみようかな』という気持ちになってくれたんだと思います」(坂本)

しかし、梅雨明けが発表され、うだるような暑さが続く8月に突入すると自体は急展開……。あれだけ行列ができていた「らーめん伏竜 郡山店」ですが、突然、閑古鳥が鳴く状態に急変してしまったのです。

1秒にこだわった基本の徹底で売上がV字回復

坂本イズムを受け継ぐ店長・庄司康浩
坂本イズムを受け継ぐ店長・庄司康浩

「らーめん伏竜 郡山店」にとって、はじめてとなる低迷期。この事態を重く見た坂本は打開策として、あるメニューの導入を決めます。それは、夏の風物詩とも言える「冷やし中華」。

「夏は売上が落ちるのはある程度想定内でした。とはいえ、なんとかしないといけないと思って、夏場でも足を運んでもらえるように『冷やし中華』をメニューに追加したんです」(坂本)

これで、一度離れてしまったお客さまが戻ってきてくれる——そう信じた坂本でしたが、結果は無残にも導入前と変化なし……。依然として売上が回復することはありませんでした。

「なぜだ、なぜなんだ……」

人生のリスタートという特別な意味を込めてオープンさせた「らーめん伏竜 郡山店」だけに、このまま引き下がるわけにはいきません。オープンからこの3ヶ月間で何が変わってしまったというのか——坂本がたどり着いた答えが、原点回帰だったのです。

「例えばチャーシューを煮たり、もやしや麺を茹でたりする時間。1秒にこだわるところから見直そうという結論に達しました。たかが1秒でもズレてしまうと、まるで違う食感になってしまうんです。タイマーで管理することで、決められた時間を徹底することはもちろん、店長はもちろんアルバイトスタッフなど、誰が作っても同じ味を再現できるようにマニュアルを作成しました」(坂本)

すると、次第に売上が回復。坂本の思惑がみごとに的中したのです。

「基本を徹底してから3ヶ月くらいでお客さまが戻ってきてくれました。結局、夏だから来なかった訳じゃないんです。我々がご提供する商品の品質にブレが生じていただけなんですよね。らーめんは日常食なので、お客さまは頻繁に足を運びます。そうすると、『炒めすぎてる』『味が薄い』など、少しの変化でも敏感に察知するんです」(坂本)

こうして窮地を脱した新生「らーめん伏竜 郡山店」は、話題を呼ぶ人気店へと快進撃を進めることになるのです。

数あるお店の中から「選ばれる存在」へ。売上好調で他店舗展開も視野に

2店舗目3店舗目へ先の目標を語った「らーめん伏竜 郡山店」店主の坂本
2店舗目3店舗目へ先の目標を語った「らーめん伏竜 郡山店」店主の坂本

いつ食べても最高のクオリティを——オープン当初の気持ちを取り戻すことで、らーめん屋、ひいては飲食店のオーナーとしてもっとも大事なことに気付かされた坂本。その後は売上をキープするどころか、右肩上がりに上げていきます。

1年目が月400万円だった売上に対して、2年目は月420万円。3年目以降は420〜425万円くらいを推移。一見、簡単そうに見えますが、一般的に開店から2年以内に約5割の飲食店が廃業すると言われていることから考えても、並大抵のことではありません。

次から次へと新たな飲食店がオープンするこの時代。新しいお店がオープンすると、客足は一旦、新店へ流れます。その上で、最終的にどのお店へ足を運ぶかを決めるのはお客さま。そのためにも、数あるお店の中から「選ばれる存在」にならなくてはなりません。

では一体、いかにして選ばれているのか? 「らーめん伏竜 郡山店」をオープン当初から見てきた「株式会社 優勝軒」の三宅はこう分析しています。

「毎日の営業努力、このひと言に尽きると思います。フグ出汁らーめんの頃から営業しているので、正直、建物自体はお世辞にもきれいとは言えません。ですが、それを感じさせないのがここの特徴です。店内が清潔に保たれているのはもちろん、例えば、マンガ本が1巻から順番に並べられていたり、調味料が等間隔で配置されていたり。こういったことを継続することで、お客さまは自然と居心地の良さを感じて、『また来たい』と思うんですよね」(三宅)

「らーめん伏竜 郡山店」のオープンから丸4年が過ぎた今、坂本は大きな目標を掲げています。それは、1年に1店舗の出店をするというもの。

「大企業の出店計画と比較するとスローペースかもしれませんが、1つひとつのお店を繁盛店に育て上げながら多店舗展開を繰り広げていきたいので、なかなかタフな戦いになると思います」(坂本)

オープンから3ヶ月目の夏に直面した苦悩から学んだ基本の大切さを胸に——らーめん伏竜の加盟店 店主となった坂本の第2の人生は、まだまだ始まったばかりです。


らーめん伏竜に加盟で売上3倍以上——食わず嫌いのらーめんで再起を懸けた男の物語(2017.7.7公開)
※掲載情報は取材当時のものです。



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