「俺のイタリアン」が新展開!フランチャイズ展開も見据えたモデル店も開店予定

フランチャイズWEBリポート編集部 |2015年10月12日 公開 (2021年11月18日 最終更新)
俺のイタリアン

2015年9月、かねてから飲食スタイルを“従来の立食型”か“着席型”かの実験をしてきた「俺のシリーズ」が、『今後出す新店舗を原則、全店着席スタイルにする。』と、創業者である坂本孝社長のインタビュー記事を日経新聞が掲載しました。大型店も計画し、今冬には国内フランチャイズチェーン展開を見据えたモデル店も開くとのこと。

立ち食い形式で顧客回転率を上げ、高級食材を安く提供することで人気を集めていましたが、さて…。この展開にはどんな目論見があるのでしょうか?

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当初の“俺”、近年のオレ。

「俺のシリーズ」を展開する 俺の株式会社は、関東の名立たる立ち飲み店やバル、バール・ビストロなどをベンチマークして、2011年9月「俺のイタリアン」を開発したことが、坂本孝社長の著書「俺のイタリアン、俺のフレンチ ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方」(2013年4月10日初版・商業界)の中でも明らかにされています。

小規模な店で料理のレベルを落とさず、立ち飲みにすることでハイレベルの料理を低価格で提供。しかも何品も食べられないほどのボリュームで出して、圧倒的なコストパフォーマンスをアピール。 座れる席を絞り込み、行列をつくりだして、噂が噂を呼び、コストパフォーマンスを重視の「食べログ」ユーザーにも好評価を得、マスコミも頻繁に報道し、さらに行列が長くなるといった手腕は、業界人も舌を巻く圧倒的な好循環を生み出しました。

しかし近年では、消費者の慣れや着席型を求める声などもあり(激戦区の銀座・新橋地区のシリーズ1号店「俺のイタリアン新橋本店」フレンチの1号店「俺のフレンチ銀座本店」などを除く)どの店も時間帯によっては空席が目立つような状況で「営業の2時間前から行列ができはじめ、閉店まで行列が途切れず常に満席」といった、"俺のシリーズ"では当たり前の光景にも陰りが。

いかに「俺のシリーズ」と言えど、顧客が一巡してブームが去って通常の状態に入りつつあり、また時を同じくして円安による輸入食材高騰、電気代や消費税のアップ…、実質値上げの決断もせまられたことかと推察されます。

これからの「俺のシリーズ」、ニーズに応え全席着席・店舗の大型化

「着席の方が接客がしやすい」という現場の声や「多少高くても座りの方がいい」という顧客の声に応える形で、大きく方向転換を図るという今回。いざ全席着席となると最も懸念されるのは、やはり回転率の低下です。

立ち食い店の顧客回転数は平均3~5回転。全席着席の店では2時間の顧客入れ替え制にして平日のディナータイムでも3回転を確保。厨房のレイアウトやオペレーションも見直し、客席が多少減っても単価を上げて利益が出るようにするとのことです。全席着席型で客単価は立ち食い型より2~3割高まり、5千円前後の水準を維持する方針。既存店でも100平米以上の店舗はすべて着席型に切り替える計画に。

国内FC展開で事業の多角化を目指す

2015年11月にフランチャイズ店のモデルとなる直営店2店を都内に開く計画が進行中。 おでんとそばを合わせた和食と、フレンチと割烹を組み合わせた業態を出展する模様です。モデル店の面積は約100平米。2015年12月にはFCオーナーの募集を開始し、来年夏頃にはFC第1号店を国内に開く予定とのこと。地方での開業要望も増えてきていることから、このモデルを確立させ、多店舗展開ができる体制を整えたいとしています。

2011年9月に東京・新橋に1号店を開いてから4年。海外の3店を含め約40店舗を展開。14年10月期の売上は約74億円。ブランドの特徴を180度転換するという驚きの方針転換で、業界に新たな一石をを投じた“俺のブランド”の今後に再び注目です!

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