店長がスタッフの眼になる!相手を支え高める「コーチ」になろう

2017-07-23  専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

人に悩みを相談された時、まずはその人の置かれている状況を聴きながら、利害関係の整理したり、過去の経験を例にしながら、その人にとってベストな解決策をアドバイスします。主観ではなく、自分を客観的に見て評価してくれる存在があれば、人は安心感や自分の判断に自信をもつことができます。今回のコラムでは、店舗という環境の中で、店長がスタッフを上手く導いていける存在になるために心がけるべきことについて知ることができます。

フランチャイズWEBリポート編集部

自分の気持ち?「わからない」から…いつも後まわし

「自分では、自分のことはちゃんと見えないんですよね~」
「自分の頭では、いろいろ考えているつもりなんだけど整理がつかないですよね~」
「自分の中では、こういうふうにしよう!と思っていてもなかなか動き出せないんですよね~」
「自分一人では、なかなか長続きしないんですよね~」 

そうなんです。人は「自分では」自分のことは見えないし、考えが整理できないし、行動に踏み切れないし、せっかく動き出しても継続できないのです。

不思議だけれど、多くの人ってこういうもんなのです。

では、うまくいっている人ってどうしているのでしょうか?

彼らは、特別な人なのでしょうか? 
自分のことがちゃんと見えて、考えが整理できて、行動に移せて、継続できるのでしょうか?

確かにそれができる人もいるでしょう。

しかし、うまくいっている人の多くは、うまくいっていない人と同様に、自分のことは自分ではわからなくて困っているのです。

では、何が違うのか? 

デキる人は、自分の弱みを「放置しない」 

彼らは、「自分では自分のことはわからない」ことを自覚しているのです。

そして、それを克服するために、彼らは「コーチ」や「コンサルタント」などをうまく使うのです。もちろん、彼らは「コーチ」や「コンサルタント」などに依存はしません。

しかし、「コーチ」や「コンサルタント」の質問やアドバイスによって、自分のペースを整えているのです。

自分の中の力を引き出すために、「コーチ」や「コンサルタント」を活用しているのです。

ある時は

・自分がどう見えているかについて俯瞰する作業を手伝ってもらいます。
・自分の考えを整理するために、質問を受けます。
・スイッチを入れるためのスターターの役目として使っています。

また、ある時は

・三日坊主にならないように、伴走する「ペースメーカー」として使っているのです。


これは、店長にも応用できることです。 

店長は、スタッフに対して、ただ単純に「指示」「命令」「依頼」「伝達」をすることが仕事ではありません。

それはただの手段です。

スタッフに考えさせ、やる気を引き出させ、行動を促すために「コーチ」や「コンサルタント」としての役割を果たす必要があります。そして、スタッフが、納得し、楽しく意欲的に行動できるようにするために「ペースメーカー」としての機能を果たす必要があるのです。

でないと、指示の効果は高まりません。 

いい店長は、スタッフとの呼吸の「ズレ」を放置しない

ただ伝えるだけで、スタッフがそんな風に動くはずはないのです。

だから、店長は「ペースメーカー」として、まるでコーチのようにスタッフ達の横について、質問し、観察し、承認し、確認しながら、スタッフ達の意欲をかき立て、継続してサポートをしていくのです。

それが『上手くいっている店長』です。

思い違いをしている店長は、ここで、無理矢理「自分のペース」に巻き込もうとします。 

これが、『上手くいっていない店長』です。

上手くスタッフとのペースが合っている場合は、スタッフを巻き込むことができますが、合っていない場合は、必ず「ズレ」が生じます。それによりスタッフのストレスが増えてしまい、ミスや思い違いや不満につながってしまうのです。

最終的に、自分のペースに巻き込むにしても、最初はスタッフのペースを理解し呼吸を合わせてあげなければ、スタッフはあごを出してしまいます。

だって、店長のペースの方が速いことがほとんどですからね。

ペースメーカーに必要なのは「無理矢理」ではありません。

相手を観察し、呼吸を合わせ、微妙なズレを修正していく「観察力」と「調和力」が必要なのです。

さて… あなたは店長として、どのようにスタッフのパワーを引き出し、スタートさせ、継続させていますか?

無理矢理の力業に頼っていませんか? もう一度よく観て、聴いてみましょう!

え?何をって?

それは「スタッフの呼吸」です。

しっかりと観て、聴いてみてくださいね。

ヒーヒーふう~~

 

次回は「部下に対して『敬意と信頼』を持って接し、部下からは『敬意と信頼』を持たれる…それが上手く行くリーダーの条件」というテーマでお話しします。お楽しみに! 

  

  • 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版) 

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