次なるブームはチキンバーガー?アメリカでブームを起こしたチキンバーガーが日本に与える影響

フランチャイズWEBリポート編集部 |2021年04月13日 公開 (2021年06月14日 最終更新)
チキンバーガー

近年の食パンやタピオカなど、飲食の世界には時代毎のブームがつきもの。飲食ビジネスに興味がある人などは、次にどのようなブームが来るか、常にアンテナを高くしておく必要があります。

そんな中で、次のブームが確定と言っても過言ではない商品があります。それが、チキンバーガー。アメリカでは既に一大ムーブメントを巻き起こしているチキンバーガーについて、そのブームの背景や今後の日本市場への影響について紹介していきます。

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アメリカでチキンバーガーブーム到来

チキンバーガー

お手軽で美味しいファストフードの代名詞、ハンバーガー。ハンバーガーといえば、文字通りビーフのハンバーグを挟んだものが一般的ですが、ハンバーガー大国アメリカでは、その常識を覆す出来事が起こっています。

それが、ハンバーグの代わりにフライドチキンを挟んだ、チキンバーガーの台頭です。

チキンサンドをめぐり起きた“チキンサンド戦争”

チキンと言えば、日本ではケンタッキーフライドチキンなどが有名ですが、アメリカではケンタッキーフライドチキンをしのぐ勢力として、「ポパイズ・ルイジアナ・キッチン」「チックフィレイ」という2つのチェーン店が、確固たる地位を築いています。アメリカ南部発のこの2つのお店は、日本ではあまり知られてはいませんが、それぞれ2500店舗以上を展開する巨大チェーン。

そして、そんな二社の間で起こったのが、人呼んで「チキンサンド戦争」です。

元々アメリカ南部の黒人奴隷のソウルフードとして人気だったフライドチキンは、現在も南部の家庭料理として親しまれています。そんなフライドチキンですが、この二社が2019年に新発売したチキンサンド(チキンバーガー)が、SNSなどをきっかけに大ブームに発展。

アメリカ全土の店舗で品薄状態となり、購入できなかった客が店員を銃で脅したり、品切ればかりの状況に訴訟を起こしたり、割り込みが原因で殺人事件が起きたりと、その様子はまさに大混乱の一言。チキンバーガーは、もはやアメリカ人全員が喉から手が出るほど食べたい食事の一つになったのです。

またこうした巨大チェーン店の騒動以外でも、「クラックシャック(The Crack Shack」というチキンバーガー専門店がラスベガスの一等地に出店するなど、アメリカではチキンバーガーを取り巻く環境が劇的に変化しています。

日本にもチキンバーガーブームが来るのか

チキンバーガー

大手ファストフード店でもチキンバーガーは確かな人気

アメリカで一大ブームを巻き起こしているチキンバーガーですが、日本人にはあまり馴染みのない話と感じるかもしれません。しかし、マクドナルドのチキンフィレオやチキンクリスプ、モスバーガーのチキンバーガー、ケンタッキーのチキンフィレサンドなど、チキンバーガーは存在しており、安定した人気を誇っています。

マクドナルドのチキンタツタは1991年に初めて登場し、2008年にオリコンが集計した「復活してほしいファストフードのメニュー」で、2位を大差で引き離してトップを飾るなど、確かな実績を残しています。

さらに、北海道を拠点とするご当地バーガーショップ「ラッキーピエロ」では、大ぶりのからあげをバンズに挟んだチャイニーズチキンバーガーが、人気No.1商品の座を獲得しています。

また居酒屋としてお馴染みの鳥貴族が、チキンバーガー専門店「TORIKI BURGER」を2021年夏にオープン予定と発表するなど、日本にもチキンバーガーの波が訪れているのは間違いないでしょう。

牛肉より安価で多くの人に愛される“鶏肉”

またバーガーという形式にとらわれなければ、2020年頃から日本では空前の「からあげブーム」が起きていると言っても過言ではありません。街を歩けば、必ずと言って良いほどからあげ専門店を目にすることができる今日この頃です。

この状況だけを見ても、牛肉よりも安価でヘルシーな鶏肉は、多くの人に愛される食材であることは間違いありません。さらにからあげ専門店のメニューを見てみれば、オーソドックスな味のものだけでなく、色々なトッピングやソースを用いた一風変わったメニューも豊富です。それだけ、人々のからあげに対する期待が高く、色々な形で鶏肉を味わいたいというニーズがあるということ。

ビジネスとしても要チェックのチキンバーガー市場

ビジネスとしても大きなチャンス

チキンバーガーの台頭は、消費者としてだけ注目するものではありません。消費者の間にブームが起こるということは、それだけビジネスとしても大きなチャンスがあるということです。

コロナ禍で中食市場が過熱

女性の社会進出や働き方改革、近年のニューノーマルな生活様式など、テイクアウトやデリバリーといった中食事業は、これからもますます拡大していくことが予測されます。実際、コロナ禍において多くの飲食店がダメージを受ける中、テイクアウトに力を入れたお店では逆に売り上げが増大した、というところも少なくありません。

またハンバーガーというのは、いつの時代も人気のある業態であり、その勢いが弱まった時期はないと言っても過言ではありません。

2020年11月にオープンしたテイクアウト専門のプチグルメバーガーショップ「ブルースターバーガー(Blue Star Burger)」でも、予約注文が殺到し、連日行列ができるほどの人気を博しています。同店は完全キャッシュレス注文で、注文から受け取りまで店員と接触しない完全非接触のテイクアウト店であり、そうした目新しさも注目を集めやすかったポイントであることは間違いありませんが、ハンバーガーそのものの魅力があったからこそ、ここまでの人気を獲得できたと言えるでしょう。

また、やきとり家すみれを展開するダイニングイノベーショングループの株式会社すみれもチキンバーガー専門店「Doo Wop」をオープンしました。「ファストフード×DX」のコンセプトのもと、展開を続ける「ブルースターバーガー」に続くDX業態として展開するチキンバーガー専門店の「Doo Wop」。もも肉を使用したボリューム感のあるチキンバーガーを自社専用に開発したシステムを取り入れることで人件費等を削減し、原価率50%を超えるチキンバーガーを実現しました。

ブームの要素が揃っている

既にからあげなどでブームを巻き起こしている鶏肉。さらにいつの時代も不動の人気を誇るハンバーガー。この二つが組み合わされば、ムーブメントを巻き起こすことは決して難しいことではないはずです。だからこそ、チキンバーガーはビジネスとしても注視していかなければならないものなのです。

タピオカの時などは、いち早くブームに乗った店舗が大きな成果を上げた一方、その成功を見て後追いをした店舗は、思い通りの結果を得ることができなかった事例というのも少なくありません。このように、ブームというのはいかに流れに乗るかが重要となります。タイミングを逸してしまっては、いくら魅力的な商品やメニューを用意したとしても、成功へとつなげることが難しくなってしまうのです。

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ブームを先取りしてチキンバーガービジネスを検討

チキンバーガーのような新トレンドに注目

アメリカでブームとなっているチキンバーガーについて、その経緯や今後の日本市場への影響について見てきました。先に触れたように、テイクアウトやデリバリーといった中食は今後もニーズを高めていくことが予想されていますし、フライドチキンのような鶏肉料理の人気も高く、バーガー系はシーンを選ばず、選ばれやすい傾向にあります。

飲食をビジネスとして考えた時は、どうしても一般的な店舗の飲食店をイメージしてしまいがちですが、今の時代だからこそ、こうした中食ビジネスや、チキンバーガーのような新トレンドに注目してみるのも良いのではないでしょうか。

チキンバーガー

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