フランチャイジーって?意味やなり方、フランチャイザーとの違いなどを解説

フランチャイズWEBリポート編集部 |2024年01月19日 公開
「フランチャイジー」意味やなり方、メリットとは

独立開業を目指している方であれば、フランチャイズでの開業を選択肢に入れている方も多いのではないでしょうか。フランチャイズについて理解を深めていくなかで目にする言葉のひとつに、フランチャイジーというものがあります。

本記事では、フランチャイジーの意味やフランチャイザーとの違いのほか、フランチャイジーのなり方について解説します。

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フランチャイジーの意味をおさらい

まずは、フランチャイジーとはどのようなものなのかおさらいしましょう。

フランチャイジーとは

フランチャイジー(franchisee)について理解するためには、まずフランチャイズとはどんなものかについて知る必要があります。フランチャイズとは、フランチャイズ本部が持っているノウハウや運営システム、商標などを、別資本の事業者が使用する契約のことです。

フランチャイジーは、フランチャイズ本部が立ち上げたフランチャイズに共感・同意し、フランチャイズ契約に則ってサービスや商品を提供する企業のことを指します。フランチャイジーは「加盟企業」や「加盟店」と呼ばれることもあります。

メガフランチャイジーとは

フランチャイジーのなかでも、とくに規模の大きいフランチャイジーのことを「メガフランチャイジー」と呼びます。株式会社日本フランチャイズ研究機構では、メガフランチャイジーの定義を「30店舗以上を経営しているか、売上高20億円以上の規模のフランチャイジー」と定めていますが、明確な定義はありません。両方の条件を満たしている企業のみを指す場合もあるようです。

「フランチャイザー」や「加盟店」とはなにが違う?

以下では、フランチャイジーが「フランチャイザー」や「加盟店」とどのように異なるのかを解説します。

フランチャイザーとフランチャイジーの違い

フランチャイザーは「フランチャイズ本部」とも呼ばれ、フランチャイズを提供する企業のことを指します。フランチャイザーはブランドパワーや商品のほか、サービスやノウハウをフランチャイジーに提供し、ロイヤリティを受け取ります。フランチャイジーとフランチャイザーは、あくまでも対等な関係性です。どちらも独立した事業主であり、それぞれで売上や利益を追求しするため、雇用関係とは異なります。

加盟店とフランチャイジーの違い

加盟店とは、フランチャイズ本部とフランチャイズ契約を結んだ事業者が運営している店舗や施設などを指します。フランチャイジーとの違いは、フランチャイジーが「フランチャイズ本部と加盟契約を結んでいる事業者」のことを指す一方、加盟店はあくまで「店舗」単位での呼称である点です。つまり、フランチャイジーが運営している店舗が加盟店です。それに対して、フランチャイズ本部が運営している店舗は直営店と呼ばれます。ただし、「加盟店」は「フランチャイジー」と同義で使われているケースもあるようです。

フランチャイジーになるメリットと魅力

フランチャイジーとして店舗を開業するメリットや魅力は、主に以下の3つです。

本部の知名度や信頼を活かせ、高度なシステムを使える

独立開業を個人で行なった場合、知名度や信頼を獲得することは非常に大変です。フランチャイジーであれば、フランチャイズ本部がこれまで築いてきた知名度や信頼を活かせます

またフランチャイズ本部は、各加盟店のサービス品質を均一にしたり、オペレーションの簡易化などを図るため高性能なシステムを導入しているケースも多く、効率的な運営が可能になります。

他店の成功事例を共有してもらえる

フランチャイズ本部は数十~数百の店舗を運営しているケースが多いため、フランチャイジーになれば、他店の成功事例から得た再現性の高いノウハウを本部から提供してもらえます。経営の経験を積むために、企業や個人がフランチャイズに加盟するケースも珍しくありません。

失敗するリスクを抑えられる

フランチャイジーの5年後廃業率はおおよそ30~35%といわれている一方で、中小企業が出店する店舗の5年後廃業率はおおよそ60%といわれています。そのため、フランチャイジーになることで、失敗するリスクを抑えられるといえるでしょう。

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フランチャイジーになるデメリットと懸念点

フランチャイジーとして店舗を開業するデメリットや懸念点には、以下の3つが挙げられます。

ロイヤリティの支払いが発生する

フランチャイジーになった場合、売上の一部をフランチャイズ本部に支払わなければなりません。本部のブランド力やシステムなどを利用できますが、ロイヤリティが大きな負担になる可能性があることを頭に入れておきましょう。

マニュアルやルールに縛られる

フランチャイジーとして店舗を運営する場合、契約書で定められたルールやマニュアルの範囲で運営する必要があります。そのため、取り扱う商品や営業時間などを、オーナーが自由に変更できないケースもあります。

解約金や競業避止義務などのリスクがある

フランチャイズのブランドを毀損したり、契約に従わなかったりした場合、解約金や損害賠償などを支払わなければなりません。また、加盟契約書で競業避止を義務付けている場合は、似た業態の事業を始められなくなるリスクもあります。

フランチャイジーになるための3つのステップ

フランチャイジーになるためには、以下で紹介する3つのステップについて把握しておきましょう。

【STEP1】おおまかな事業計画を立てる

まずは大まかな事業計画を、自分で立ててみることが大切です。以下のようなポイントについて考えてみましょう。

①事業内容(どんな事業をしたいのか)
②経営方針(どう経営したいのか)
③目標利益(どれくらい稼ぎたいのか)

なお、銀行などに提出する事業計画書は、フランチャイズ本部からサポートを受けながら作成することができます。

【STEP2】自分にあったフランチャイズを探す

フランチャイズブランドは、それぞれで特徴が異なります。サポートがあまり手厚くない代わりに自由度が高い場合もあれば、サポートが手厚い代わりにロイヤリティが高めだったりと、その内容はフランチャイズ本部によってさまざまです。

また、契約内容はもちろんですが本部の気風や姿勢が「自分に合っているか」という基準で選ぶのも、実は重要なポイントです。長くフランチャイジーとして店舗を運営するうえでどこを一番重視したいのか、慎重に考えてベストなフランチャイズを探しましょう。

【STEP3】フランチャイズ本部との契約締結

理想的なフランチャイズに出会い、事業内容や本部の姿勢にも納得できれば、いよいよフランチャイズ契約の締結を行ないます。フランチャイズ本部と加盟契約を締結する前には、加盟契約書の内容をよく確認しましょう。とくに営業時間など働き方に関する内容に認識のズレがあると、あとからトラブルに発展することもあるため、入念に確認する必要があります。

フランチャイジーとして成功するためのコツや秘訣

以下では、フランチャイジーとして店舗を開業したあとに、しっかりと利益を生み出すためのコツや秘訣について紹介します。

開業後も継続してスキルアップを目指す

フランチャイジーとして成功するためには、開業がゴールではないことを肝に銘じ、継続してスキルアップを目指すことが大切です。フランチャイズ本部によっては、加盟店同士の交流や勉強会を積極的に開催していることもあります。そのような場で継続して情報収集やスキルアップに努めれば、フランチャイジーとしての成功に近づけるでしょう。

フランチャイズパッケージを踏襲する

フランチャイズの強みの1つが、すべての加盟店で共通して高品質なサービスや商品を提供できることです。なかには、フランチャイジー側の判断で提供していたオリジナルのサービスや商品によって、店舗の評判が悪化し客足が遠のいてしまった例も。

フランチャイズ本部が提供するサービスや商品は、数多くの加盟店が獲得した成功や失敗を基に作り上げられてきたもの。とくに開業初期の段階は、本部が提供するパッケージ内容をしっかりと踏襲し、顧客満足度を高めていくことが重要です。

フランチャイズ本部へしっかりと意見を伝える

フランチャイズ本部へは、フランチャイジーとしての意見をしっかりと伝えましょう。加盟事業者とフランチャイズ本部は、あくまでも対等なビジネスパートナーとしての契約を結びます。こまめな相談や、現場目線でのフランチャイズパッケージに関する改善の提案などは、フランチャイズのブランド成長と加盟店の利益向上につながる重要なポイントです。

フランチャイジーになるなら注意すべきポイント

実際にフランチャイズ本部と加盟店契約を締結する前に、以下の3つのポイントについてしっかりと確認しておきましょう。

自分に合ったフランチャイズ本部を選ぶ

先述したように、フランチャイズ本部は自分の気質と合っているところを選びましょう。フランチャイズ本部によっては、自由度が低い代わりにサポート面が整っているところもあれば、サポートはそこまで充実していない代わりに成長させるマインドが強いところもあるなどさまざまです。また、社長の人柄やフランチャイズ本部の雰囲気も、どのような本部とフランチャイズ契約を結ぶか考えるうえで重要なポイントになります。

競合他社と差別化できているか確認する

「フランチャイジーとして店舗を出店したはいいものの、その時点で市場がすでに飽和状態になっていた」といったケースも珍しくありません。また、出店後に競合他社との価格競争が激化する可能性もあります。そのため、競合他社との差別化を明確に図れるか商品やサービスの質が競合他社と比べて優れているかを、フランチャイズ契約を結ぶ際にはしっかりと確認しましょう。

また、現時点では優れている商品やサービスでも、流行や趣向の変化についていけない可能性もあります。いま競合他社と差別化できているか、商品力やサービス力があるかに加えて、将来にわたって改善し続けていける本部体制が整っているかも考える必要があるでしょう。

エリア選択と市場調査は慎重に行なう

自分に合ったフランチャイズ本部と巡り合えたとしても、開業するエリアや物件の選定を見誤ると売上が伸び悩むことにつながります。重要なのは、商品やサービスのメインターゲットとなる層が、商圏内にどれほどいるかを知ることです。本部のサポート受けながら開業エリアの市場調査とエリア選択を慎重に行ないましょう。

エリアの選択や市場調査を行なうなら、総務省統計局が提供している無料のサービス「jSTAT MAP」がオススメです。任意のエリアで、年齢や性別などによる人口分布を視覚で見ることができます。ぜひ1度お試しください。

フランチャイジーは積極的な姿勢が大事!

フランチャイジーになるためには、フランチャイズ本部と加盟店契約を結ぶ必要があります。契約を結ぶ前には、フランチャイジーのメリットやデメリットについてしっかりと把握し、自分に合ったフランチャイズ本部と契約を結ぶようにしましょう。また、フランチャイジーとして成功するためには、店舗の開業をゴールとせず、スキルアップを積極的に目指していく姿勢が大切です。

「フランチャイジー」意味やなり方、メリットとは

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