それ、失敗するかも…?フランチャイズで失敗する原因と対策を解説

フランチャイズWEBリポート編集部 |2020年11月01日 公開 (2024年04月05日 最終更新)
フランチャイズで失敗する原因

経営ノウハウや仕入れルートなどを享受することで、業界未経験でも十分な収益を上げやすいフランチャイズ加盟での開業。しかし、フランチャイズに加盟すれば本部からさまざまなサポートを受けられるとはいえ、経営者になることに変わりありません。失敗して多額の借金を抱えるリスクも潜んでいます。

そこで今回は、フランチャイズで失敗する原因やその対策方法、成功するための近道を実際のフランチャイズオーナーの事例を交えながら考えていきましょう。

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フランチャイズに加盟する魅力

フランチャイズに加盟し独立したり、新規事業を開業する魅力は、業界未経験だとしても運営でき、安定した経営がしやすいという点です。

フランチャイズに加盟すると、すでに全国で実績を積み、多くの人に愛される商品やサービスを提供できるのが魅力。さらに、研修はもちろん日々のサポートを継続的に受けられ、フランチャイズ本部が蓄積した経営・運営ノウハウの提供を受けることができます。知名度があるブランド・商標を使用でき、集客もしやすいのも魅力でしょう。

フランチャイズで失敗してしまう原因とは?

そんな、魅力溢れるフランチャイズという経営手法でも失敗するリスクはあります。なぜなら、100人中100人が必ず成功するビジネスはこの世に存在しないからです。しかし、原因さえ知っておけば、失敗を防ぎやすいのも事実。 

このパートでは、フランチャイズに加盟して失敗してしまう原因をご紹介します。

廃業

原因①資金不足…やむを得ず借金や廃業も

加盟金や保証金、研修費用など、フランチャイズで開業するには多くの資金が必要です。店舗を必要とするビジネスなら、さらに店舗取得費も必要になってきます。なかには、1000万円を超える初期費用を投資しないと、開業できないフランチャイズビジネスも少なくありません。また、開業後はロイヤリティを支払う必要があるなど、フランチャイズならではの支出があります。

言わずもがな、資金がなくなればビジネスを続けることはできず、追加で借金をするか、最悪の場合は廃業という選択肢を取らざるを得なくなります。 

開業資金

フランチャイズ 開業資金

フランチャイズ本部が開業資金を目安として提示しているケースが多くあります。では、その金額だけを用意しておけば良いのかというと、残念ながらそういうわけではありません。

本部が提示している開業資金はあくまでも“目安”であって、それ以上の金額が必要になってくることがほとんどです。立地条件によって物件取得費が大きく変わったり、経営が軌道に乗るまでの運転資金も必要になります。

ランニングコスト

フランチャイズ ランニングコスト

開業してからは、仕入れや、家賃、光熱費が発生するだけでなく、人件費などのランニングコストが必要になってきます。さらに、本部のサポートの対価としてロイヤリティも支払います。本部によってはシステム利用料や広告分担金なども必要になるケースもあります。

【事例】資金不足で借金、融資調達で資金を増やす

下記のオーナーは、訪問医療マッサージに加盟し順調に運営していましたが、順調ゆえに人材が不足してしまい、雇用のための資金が不足して一時的に資金ショートをしかけたとのこと。 

こちらのオーナーは追加融資をうけることで雇用ができたということでしたが、困ったときに融資がすぐに降りるとは限りません。なにかあったときに備えて運転資金を多めに用意しておく必要があるでしょう。

原因②人手不足による影響

人手不足が叫ばれて久しい昨今。オーナー1人で運営できるビジネスなら問題ありませんが、スタッフの採用・雇用維持は常に課題として付きまといます。

そもそもスタッフが必要なビジネスにもかかわらず、開業時に必要な人材確保ができず、オープンすらできないという事例も存在します。なんとか人材確保し、オープンしてもスタッフが辞めてしまい運営ができず、休業や廃業を余儀なくされることもあります。

また、全国的な人手不足は人件費高騰にも繋がっています。採用活動にかかるコストはもちろん、給料を引き上げないと応募すらされない状況にもなっています。この人件費が影響し、利益率が悪くなり経営が厳しくなることもあります。

原因③市場調査の不備や市場の変化

当然と思われるかもしれませんが、ニーズがない地域で開業しても経営はうまくいきません。たとえば、少子高齢化が進んでいる地域では、学習塾を開業するより福祉事業を開業したほうがうまくいくでしょう。もちろん、ニーズを生み出すという戦略もありますが、リスクが高いということも承知しておく必要があります。

上記のような分かりやすい例ではなく、実際には商圏内の人口や立地など細かい市場調査をせずに計画を作成した結果、想定した売上をあげることが難しく廃業してしまうことがあります。

また、市場環境の変化によって失敗してしまうパターンもあります。たとえば、2019年はタピオカがブームになり、タピオカミルクティーの専門店がたくさんオープンしました。2021年頃にはからあげ専門店も流行しましたね。

しかし、ブームはあくまでも一過性のもの。ブームが過ぎ去った途端、各地で閉店の情報が相次いでいるのをご存じでしょうか。

もし、流行しているビジネスを開業する場合は、ニーズがあるうちに利益を確保し、ブームが過ぎ去れば閉店。そして、別事業をはじめる。といった割り切りも必要でしょう。

原因④競合の増加による集客難

小売業ではドミナント戦略を採用している企業がたくさんあります。ドミナント戦略とは、地域を絞り集中して出店する経営戦略のことをいいます。コンビニ業界でよく取られる戦略で、道路を挟んですぐ向かい側に同じコンビニが競合として参画してくることは決して珍しい状況ではありません。

競合増加の懸念は、コンビニ業界のドミナント戦略だけではありません。どの業界でも、競合が商圏内で開業してくるケースはあるでしょう。当然のように利用客が分散し、売上はたちまち減少してしまいます。なかには、時間をかけて少しずつ客数を取り戻し、売上が回復するケースもありますが、一時的とはいえ売上に悪影響を及ぼすことに違いはありません。最悪の場合、廃業するなど死活問題にもなりえます。

競合が多い地域や増えそうなエリアで開業する場合は、独自のビジネスモデルやターゲット、商品で差別化を実現しているフランチャイズを選ぶことも視野にいれましょう。

【事例】コンビニのフランチャイズオーナー

下記のミニストップオーナーは、競合が近くにできたことで売上が激減し、閉店にまで追い込まれてしまいます。しかしそこから巻き返しを図り、新しい店舗では家族経営を辞め、組織化に成功!現在は6店舗を運営する多店舗展開オーナーとなっています。

原因⑤評判のよくないフランチャイズに加盟

フランチャイズのなかには、残念ながら悪評高いフランチャイズ本部もあります。 ・オーナーに不利な契約内容になっている ・加盟欲しさに収益モデルなど大きく見積もっている ・サポートをしてくれない など、悪評の種類はさまざまです。このようなフランチャイズに加盟すると失敗する可能性は高くなってしまいます。

また、本部が不祥事をおこすと、各フランチャイズ加盟店にも大きな影響があり、最悪の場合、廃業せざるをえない状況となることもあります。

原因⑥本部に頼りすぎてしまう

本部のノウハウを活かせるのがフランチャイズの魅力ではありますが、すべて本部任せになってしまうと失敗します。

たとえば、フランチャイズチェーン全店で本部が考案した新商品の販売をスタートしたとします。しかし、仕入れやオペレーションが増えるだけ増え、まったく売れなかったら……。そんなとき、フランチャイズ本部のせいにしてしまえば気持ちが楽になるかもしれません。

しかし、対策を打たなければ売上や利益は下がっていくいっぽう。その先にあるのは廃業です。

原因⑦本部との関係や意思疎通不足

本部と積極的にコミュニケーションを取らず、自身の選択だけで経営を行なうオーナーも多くいます。自身の問題解決スキルが高ければ大丈夫のように思いますが、本部が蓄積した経験と実績とは比べものにならないでしょう。

また、日々の運営や経営をサポートしてくれる本部のSV(スーパーバイザー)と仲が悪いといったケースもよく聞かれます。もちろん、双方の歩み寄りが必要ではありますが、改善しないと困ったときにアドバイスを求めたり相談がしにくくなります。その結果、売上が伸び悩むということもあります。

フランチャイズで失敗しないためのポイント

フランチャイズ本部の理念に共感できない人

せっかくフランチャイズに加盟するなら、失敗はしたくないと思うのは当然のこと。ここからは、フランチャイズで失敗しないためのポイントを見ていきましょう。

ポイント①十分な資金調達や低コストなビジネスを選ぶ

原因①で資金不足での失敗例を取り上げました。それを避けるために十分な資金調達をする必要があります。自己資金で賄えない場合は、銀行や政府系金融機関である「日本政策金融公庫」から融資をうける必要があります。

フランチャイズには融資をうけるためのサポートをしてくれる本部や、自社で融資制度をもっている本部もあります。フランチャイズならではのサポートを活かし、融資獲得を目指しましょう。万が一に備えて、黒字化までの運転資金も確保しておくことも重要です。

また、初期費用やランニングコストが低コストなビジネスモデルを提供しているフランチャイズも存在します。店舗が不要なビジネスや、オーナー1人で開業できるビジネス、近年は、無人運営ができるビジネスなども登場し選択肢が増えています。

ポイント②しっかりとした事業計画の策定

原因③であげた市場調査をしっかり行なったうえで、適切な事業計画を策定することで失敗を避けることができます。さらに、再現性が高い事業計画はポイント①で記載した「融資獲得」にも必要不可欠となってきます。

この事業計画の策定も、本部の力を活用しましょう。商圏調査や立地調査が得意なフランチャイズ本部も存在しますし、事業計画を一緒に作ってくれる本部もあります。

しかし、本部に頼り切ってはいけません。「自身で商圏内を見て回る」「自ら物件を探し、物件候補の人の流れを確認する」などの地道な作業も必要です。また、すでに開業しているオーナーに話しを聞きにいくことも重要でしょう。開業したあとのスムーズな経営のためにも本部から提示された情報だけでなく、自身で情報を集め事業計画を策定しましょう。

また、複数店舗展開を計画しておくのも重要です。仮に1店舗しか経営していない場合、その1店舗の売上が落ち込んでしまうと、最悪の場合廃業するしかありません。そういったリスクを回避するためにも、1店舗だけでなく、早い段階で複数店舗を展開するなど、リスクヘッジしておくと良いでしょう。

ポイント③契約内容の確認を怠らない

フランチャイズ=契約ビジネスといわれることもあるほど、フランチャイズ加盟契約書の比重が大きくなっています。オーナーにとって不利な条件で契約を交わさないようにするためには、契約書の内容をしっかりと確認する必要があります。

とくに加盟金やロイヤリティなどの対価の部分や、テリトリー制の有無、競合避止などの項目は注意が必要です。また、もし赤字が続き撤退したい場合でも、契約書内容に準ずる形でしか契約解除ができませんので、万が一のことも想定しながら契約書を確認しましょう。

契約書をしっかり把握することで、悪評高いフランチャイズ本部を避けることも可能です。フランチャイズ契約とは、ほんらいビジネスパートナー契約です。二人三脚で経営していく手法ですので、オーナーが一方的に不利になるような契約内容があるフランチャイズ本部は、悪意があると判断してもいいでしょう。

ポイント④オリジナル(我流)を貫かない柔軟さ

フランチャイズのメリットのひとつは、本部からノウハウを享受できる点。それにより、業界未経験でも独立・開業でき、収益を上げられます。

フランチャイズ本部は、ノウハウを蓄積するために多くのチャレンジをしています。そのなかには、成功もあれば失敗もあるでしょう。多くの失敗を経験してきた本部のノウハウを加盟店に落とし込むことで、業界未経験でも成功できるモデルを作り上げています。

しかし、本部のノウハウこそが成功するための近道であるにもかかわらず、過去の経験や経歴を過信し、オリジナル(我流)を貫いてしまうフランチャイズオーナーがいます。確かにうまくいかなかった場合、経営者として対策を練ったり考える必要はありますが、とくに加盟初期においては、本部から提供されるノウハウを忠実に実行するのがベターです。

ポイント⑤「他責」ではなく「自責」で動く

ポイント④で本部のノウハウを活かす重要性を解きましたが、おんぶに抱っこではいけません。ノウハウを享受できるフランチャイズとはいえ、ときには思うような経営ができないこともあるでしょう。そんなとき、いわゆる「他責」では経営はうまくいきません。

もし、売れない商品があったとしても、本部のせいだけではないはずです。レジでお客さまにひと声かけたり、新商品が魅力的に見えるポップをつくったり。売るための努力はできるはずです。

このように「他責」ではなく、まずは「自責」で考えて行動を起こすことが必要です。フランチャイズオーナーであると同時に、ひとりの「経営者」であることを忘れてはいけません。責任はすべて自身にあるのです。

ポイント⑥フランチャイズ本部の理念に共感する

①〜⑤まで失敗しないためのポイントを展開しましたが、「フランチャイズ本部の理念に共感できるか否か」が一番大切かもしれません。

フランチャイズ本部と加盟オーナーはビジネスパートナーです。にもかかわらず、本部が掲げる理念や考え方に共感できず、実践できないオーナーもいます。

たとえば、フランチャイズ本部はAというゴールを目指しているのに、加盟オーナーがBというゴールを目指していたら、当然、意見が食い違って反発がおきるでしょう。成功するためには、本部と加盟店が同じゴールを目指して切磋琢磨することが重要です。そのためにも、加盟する前の段階でフランチャイズ本部が掲げる理念やビジョンなどはしっかりと確認しておきましょう。

もちろん、加盟オーナーだけではなく、店長やアルバイトスタッフなど、現場で働くパートナーにも本部の理念を浸透させることが重要になってきます。

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失敗しないための初めの1歩は「情報収集」

フランチャイズ加盟は、人生を大きく左右するといっても過言ではありません。事前のリサーチなしにフランチャイズに加盟すると、本部との考え方の相違などが起きて失敗する可能性は高くなるでしょう。そうならないためにも、十分な情報収集が必要です。

情報収集

加盟したい業種業態や条件を絞り込む

加盟したい業種業態が決まっていない場合は、フランチャイズ本部の情報が網羅的に掲載されているポータルサイトなどで情報収集しましょう。

もしくは、日本経済新聞社が主催する展示会「日経フランチャイズ・ショー」など、フランチャイズ関連のイベントに行き、さまざまなフランチャイズ本部から話を聞くのもひとつの手です。

そのなかで、自身(自社)の経験や状況、開業したい地域のニーズなどを考慮しながら、多くのフランチャイズビジネスを見てみましょう。おのずと業種業態や外せない条件が掴めてきいます。

フランチャイズの説明会で情報収集

いくつかの業種業態に的を絞ったら、次はフランチャイズ本部が主催する事業説明会に足を運び、より詳細な説明を聞いてビジネスの全体像を把握しましょう。同じ業種業態の複数ブランドから話を聞いて比較検討すると、それぞれの違いがわかってくるでしょう。

説明会は少人数制のものから大人数で実施されるものまでさまざまあります。その場で加盟の可否を判断させられることはありませんので、気軽な気持ちで参加してみてください。オンラインで説明会を実施しているフランチャイズ本部も多いので、自宅から気軽に参加してみたいという方は活用してみてください。

もし、より深い質問をしたい場合は、個別の面談に対応しているフランチャイズ本部がほとんどですので再度、足を運んで納得できるまで質問しましょう。

先輩オーナーに話しを聞いてみる

本部から話されることやWebサイトの情報よりも、説得力があるのがすでに経営をスタートしている先輩オーナーの生の声です。じっさいの悩みごとや成功事例、本部のサポートの実態、売上の目安なども教えてくれる場合もあるでしょう。本部が面会を設定してくれる場合もありますが、ない場合は近隣のオーナーを訪ねてみるのもひとつです。

また、ウェブリポでは、個人法人問わず先輩オーナーに取材を行ない、記事にして紹介しています。ぜひ、チェックしてみてください。

失敗しないために事前準備をしておこう

繰り返しになりますが、絶対に成功できるビジネスはこの世に存在しません。それはフランチャイズもしかりです。

しかし、失敗にはいくつかのパターンや原因があり、それを事前に把握し、潰すことができれば、失敗の確率を減らせます。限りなく失敗の確率をゼロに近づけるためにも参考にしてみてください。

また、低資金で開業するのも失敗のリスクを低くする方法の1つといえます。下記は『100万円以下で開業できるビジネス』をご紹介していますので、是非覗いてみてくださいね。

フランチャイズで失敗する原因

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