販路企画 代表田口 勝
2015-12-09 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表 田口 勝

店舗売上アップをはかるために!知っておきたい「エリアマーケティング」とは

 このコラムのポイント

店舗をもつなら商圏は重要と言われてもいったい何を意識したらいいのか、、、そう思われている方にぜひ読んでいただきたい今回のコラム。商圏調査のポイントをわかりやすく解説しています!これを読んで商圏を知ることからはじめてみませんか?

フランチャイズWEBリポート編集部


なぜ店舗の売上アップに商圏が重要なのか?

前回のコラムで、店舗の売上アップの方程式を上げさせて頂きました。今回は、その具体的対応として、「商圏の重要性」についてお話をしていきたいと思います。

導線から商圏を考える

まず、皆さんがよく行く『お気に入りの店舗』を想像してみて下さい。

飲食店もそうですし、買い物にいくスーパーもそうです。共通点を考えると実は、皆さんがなんらかの関係がある場所からそう遠く離れていいない場所にあると思います。

例えば、仕事仲間と飲みにいく居酒屋。会社からそう遠く離れていませんよね。日曜日に買い物に出かけるスーパー。たまには、遠くでという方もいるかもしれませんが、ほとんどが近くのスーパーではないでしょうか。

これが実は店舗からすると商圏のお客様ということになります。

人は一定の行動の上で、動く場所や導線があります。その場所は仕事場であったり、自宅であったり、駅であったり。また導線は、通勤に使う道であったり、買い物によく使う道であったりと導線があります。

店舗型ビジネスは、ネットを通じて全国に販売しない限り、必ず商圏が存在します。その商圏のお客様のニーズを満たすことこそ、売上アップに繋がる一番早い方法なのです。

客層から商圏を考える

店舗に来店される客層を考えると更にその効果がわかると思います。

新規客と既存客、どちらが多いですか?

店歴があるほとんどの業態は既存客だと思います。その既存客はほぼ商圏のお客様です。

駅構内で、うちは新規客ばかりだよ。という方もいるかもしれません。

しかし、その駅という施設を利用する方が商圏のお客様ということなのです。つまり、どんな店舗でも必ず商圏は存在します。

商圏のお客様のニーズを本当につかんでいるのか?

店舗の「立地」を感覚で判断していませんか?

店舗の経営者の方にお話を聞くと、『私は商圏のことはよく理解しているよ』と言われます。

確かに、同じ商圏でずっと商売を行っている経営者の方ですので、お客様との会話や来店される客層を見て、掴んでおられるのだと思います。それも非常に重要なことです。

しかし、『〇〇町の〇〇1丁目の人口はどれくらいいるのですか?』と聞くとほとんどの店舗経営者の方から明確な答えは返ってきません。

つまり、商圏の現状を感覚で掴んでいるに過ぎないです。

皆さんもここまで話すと良くわかると思いますが、『感覚で立案する戦略程、危ないものはないと思いませんか?』

私達コンサルタントが感覚で『ここの立地はこんなお客様が多いはずだから、こんなやり方をしたら売上上がりますよ』なんて言ったら、『本当かよ・・・』と思われると思います。

(そういうコンサルタントが実に多いことも事実ですが・・・)

調べると見えてくる商圏の実情

 『家族連れ』のお客様が多いから、周りの住宅は、『働き盛りの方が多い』と思っていても、実は調べると『高齢化』が進んでおり、『高齢者の比率が多い』。

しかし、『働き盛りの方しか取れていない』とすれば、業態や商品にもよると思いますが、『高齢者向けを考えればもっと来店されるお客様が増えるかもしれません』

つまり、売上をアップするヒントは商圏を知り尽くすことにしか改善策はないのです。

しかし、現在の店舗経営において、この視点が大きくかけているというのが現状です。

大手のフランチャイズチェーンは、出店する時もそうですし、出店以外の時も商圏調査の結果を活かして店舗の売上アップの指導を徹底しております。

フランチャイズ起業をされる方はそういった点で商圏の内容を把握した仕組みの中で経営が出来ますが、一般の個人で開業される方はそういう分けにもいきません。

今一度、商圏の内容をしっかり把握することが重要なのです。

商圏調査とは何をやるのか?

商圏調査は、『人口を調べることでしょ。』と思われると思いますが、実は違います。
その一例を次に上げてみたいと思います。

これだけのことを最低限は調べないとお店の商圏を知ることは出来ません。

しかし、これは、一度調べれば、環境の変化が大きく変わった時にすれば、戦略が大きく変化することはあまりありません。

一番の理想は、出店する時や開店する際にしておくといいと思います。

しかし、重要なことはこの『調査』をすることではありません。

よく『調査』だけで満足される方もいらっしゃいますが、この調査結果をもとに、分析をして、売上をアップするための戦略を考えることの方がもっと重要なのです。

それを『エリアマーケティング』と呼んでいます。

商圏を知ることから始めよう

今回は、商圏調査がなぜ重要なのか?というお話を中心に進めさせて頂きました。

次回は、商圏調査を行う前提として商圏範囲の特定をする手法をコラムで解説していきたいと思います。

店舗型の売上アップのコンサルティングを行っていますが、近年は『売上が厳しい』と言ったことも良く聞きます。しかし、商圏調査し、売上アップするための『エリアマーケティング戦略』を検討し、実践し、管理することで、私は『売上アップに繋がったという事例』を多数知っています。

よって、『まだまだ売上アップの余地は充分にどの店舗にでもある』と思っています。

まずは自店の『商圏を知る』ことから始めてみてはいかがでしょうか?

販路企画 代表 田口 勝

大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。マーケティング戦略立案・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。その後、業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部にて10年勤務、店長・スーパーバイザー・マネージャーを経験。退社後は販路企画を立上げ、商圏に基づくエリアマーケティング戦略立案・出店調査・FC本部展開支援・従業員戦力化研修、セミナー講演活動を行っている。