株式会社パワフルブレーンズ 代表取締役社長西山 公人
2015-12-19 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社パワフルブレーンズ 代表取締役社長 西山 公人

2016年にヒットする!?参入を考えたい飲食ビジネスとは

 このコラムのポイント

飲食店を開業したい方必見のコラムです。経営コンサルタントの西山公人氏が、飲食店を多店舗展開する企業に対して、フランチャイズ展開の支援をしている立場から、2016年にヒットが見込まれる飲食ビジネスの傾向と注目すべき点について解説しています。

フランチャイズWEBリポート編集部


飲食フランチャイズ本部のコンサルが語る「成功が期待される飲食ビジネス」とは

私自身、毎月多くのフランチャイズ本部企業さまとご面談をさせていただいております。その中には、提携をさせていただく本部企業さまもありますが、残念ながらご縁の無い企業さまもあります。

いずれの企業さまにおいても、その後どのように多店舗展開を進めているのかウォッチをしていく中で、最近店舗業績も非常に良く、順調に多店舗化を進めている業態には、ある一定の特徴があるように思い、今回まとめさせていただきました。ご参考になれば幸いです。

成功している飲食ビジネスが実践している2つのポイント

1.顧客単価が2,000円台か4,000円台

フランチャイズ展開をしていく居酒屋業態(ディナー業態)では、数年前は顧客単価3,000円前後のお店が多かったです。この顧客単価設定の上で、自社業態の差別化を図り、成長を目指しているところが多かったように感じます。

ところが最近、業績も良く順調に多店舗展開をすすめている業態は、顧客単価2,000円台の業態か、もしくは顧客単価4,000円台の業態が多くなってきているように思います。

これは、お客様にとっては「魚業態」だろうと「焼き鳥業態」だろうと、顧客単価3,000円前後の業態には「飽き」がきており、来店動機が形成されにくくなってきていることが背景にあると思います。

一方で、顧客単価が2,000円台の業態であれば、やはりインパクトがありますので、頻繁に飲みに行く人にとっては、「飲みに行くならあそこにしよう!」と来店動機が形成されるでしょうし、顧客単価が4,000円台の業態であれば、歓迎会や送迎会などの「ちょっとハレの日需要」に対応ができ、目的来店を促すことができるように思います。

私が代表を務める株式会社パワフルブレーンズの提携先業態で言えば、前者の典型的な業態が「串カツ田中」であり、後者の典型的業態が「ゴッチーズビーフ」になります。

2.「ランチ業態」のビジネスは強い

少し前までの飲食フランチャイズは、焼き鳥や焼肉、居酒屋などの夜の時間帯に営業をする業態が多かったのですが、最近は「ランチ」を中心として営業をしている業態がとても業績が良い傾向があります。

これは、最近の若者のアルコール離れもあるでしょうが、夜の営業だけで十分な売上を上げることができる業態が限られてきている中で、「ビジネスマンのランチのローテーション」に入ることによって、確実に売上を伸ばしている業態が産まれてきています。

弊社が提携をしている業態で言えば、「ターリー屋」があります。この業態は、顧客単価850円くらいのインド定食業態になりますが、ナン食べ放題・ライス大盛り無料というのがビジネスマンに受けていて、「今日はターリー屋に行こうか?」というような感じで、「ビジネスマンのランチのローテーション」に入っていて、小規模店舗でもしっかりとした売上を上げています。

また最近、破竹の勢いで店舗を増やしているのが「京都 勝牛」です。この業態は、顧客単価1,500円くらいの牛カツ定食業態になりますが、珍しさと美味しさが相まって、「たまには勝牛にいこうか?」というように、「ビジネスマンのちょっとご褒美ランチ」というポジションを確保して、絶好調の業績を上げています。
どのようなお店かについては、本店をフランチャイズWEBリポートさんが取材しているようなのでご興味ある方は参考にご覧ください。

2016年は「低顧客単価or高顧客単価」と「ランチ業態」に注目!

これら二つの傾向がいつまで続くかは何とも言えませんが、今(2015年末)、フランチャイズへの加盟を検討されているのであれば、「低顧客単価or高顧客単価」もしくは「ランチ業態」というキーワードで、色々な業態を研究してみるのも良いと思います。

今回も、最後までお読みいただき、有難うございました。

株式会社パワフルブレーンズ 代表取締役社長 西山 公人

神奈川県生まれ。上智大学卒業後、1992年株式会社日本エル・シー・エー入社。入社1年目より全国で講演会を実施し、10年間で600回以上をこなす。主なコンサルティング先は、情報システム業・印刷業・精密機器製造業・銀行など100社超え。2001年、株式会社リンク・ワンの取締役に就任。会社の立ち上げ、新規事業の立ち上げ、営業部門の統括、スタッフ部門の統括など兼任。2005年株式会社リンク・ワンの取締役を退任後の2006年、株式会社パワフルブレーンズを設立し代表取締役就任。フランチャイズ支援、経営拡大コンサル、営業強化コンサルに携わっている。