販路企画 代表田口 勝
2016-07-06 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表 田口 勝

失敗しない飲食店開業!!5つの秘訣!

 このコラムのポイント

飲食店開業は軌道にも乗りやすく、しかし、撤退のリスクも高い。繁盛店を作り、早期の多店舗化を実現するために必要な5つの要素を解説!

フランチャイズWEBリポート編集部


飲食店開業の魅力

現在、弊社でも毎月多数の飲食店の開業のご相談、複数店舗展開、多店舗展開のご相談があります。それだけ、飲食店は開業を検討されている方が多いのではないかと思います。

飲食店開業は、軌道に乗れば、早期に多店舗化を図り、2年~3年で4店舗や5店舗と展開される方も多くいらっしゃるのが魅力の一つだと思います。(弊社のクライアントのほとんどはそのような方です)

逆に1年以内に閉店するお店も多く、『あのお店この前開店したと思ったら、もう違うお店になっている』というのも皆さまも経験されていると思います。

それだけ、開業もしやすい代わりに、競争も激しく、閉店も多くすることが多いと思っています。その違いは何かについて、これからのコラムでお話をしていきたいと思っています。

今回は、飲食店を開業するにあたって、必要な5つの秘訣の概略についてお話をしてまいります。

失敗しない飲食店開業に必要な5つの秘訣

私は、多店舗展開をされるお客様から個人の開業まで幅広く、お客様の支援をさせて頂いております。その中でわかったことは、これからお話しをさせて頂く5つの秘訣が非常に重要であるということです。それは次の通りです。

1.目玉商品は必ず差別化されていること

・この目玉商品とは単品の場合もあれば、コースメニューの場合もあるでしょう。要はお客様のマグネット(集客源)となる商品が他店と差別化されている必要があるという事になります。
・他店と同じ商品しか出せないということであれば、店内の雰囲気が商品と言うことになるでしょう。
・それでも何もなければ、立地で勝負をかけるしかないということになります。

2.商圏と立地・導線の3つでほぼ命運は決まる

・飲食店がなぜ開業しやすいかというと、通りがかりであっても、店舗があることに対する信頼性と日本の飲食業なら品質に関する心配もあまりない等の不安障壁が低いからです。また、おおよその料金も通りがかりであっても、わかるため調べたりする必要があまりないということもあると思います。

・飲食店を雑誌やネットで調べる場合には、幹事が宴会の会場を探す場合等がメインであり、日頃にちょっと立ち寄るお店を毎回調べることは皆さんの経験からしてもあまりないのではないかと思います。つまり、立地と導線が重要であるビジネスであるとも言えます。
 
・また、自店が提供する商品が商圏や立地にあっていないだけで、成り立たないことが多数あります。よくある話ですが、前の飲食店は、売上が伸びなくて、撤退したが、次に入った飲食店は、非常に売れる場合が多数あります。これは業態や商品が商圏にあっていなかったということです。それだけ立地や導線や商圏が重要なビジネスであるとも言えます。

3.飲食店は開業前からマーケティング戦略を明確にすべき


・これらの商品や商圏・立地等に加えて、売り方としての接客サービス、そして販売促進を明確にしなければなりません。これが飲食店のマーケティング戦略となります。

 ・このマーケティング戦略が個人店程、不明確であったり、市場や顧客のニーズにあっていなかったりすることが多数あります。

 ・そのためのマーケティングリサーチも重要となります。

 ・開業するほとんどの飲食店はここが不明確で、開店後、暗中模索しながらやっているということが多く、暗中模索している間に運転資金が尽きるという結果となっています。

4.本当の事業計画書を作成する必要がある

・私は通常開業される方と飲食店開業される方の両方をクライアントとしている事が多いですが、飲食店経営者の方が、この事業計画書の観点が非常に意識が低いというのが結果となっています。

・事業計画書がなければ、当然資金調達もできません。にもかかわらず、作成されている事業計画書のほとんどは希望的観測の数字の羅列になっていることも事実です。

・これは支援する我々のような側にも問題が大きいと思っています。

・昼1回転し、夜1回転するからこの売上という計算がありますが、昼1回転、夜1回転する根拠は何かというと答えはないといった『役に立たない事業計画書』が世の中には多数存在します。これは、前述の商圏調査やマーケティング調査やマーケティン戦略が不明確な結果がもたらす事業計画書であるからです。

・この事業計画書によって、自身で準備できる資金は変わってきます。

資金を充分に確保した上で開業されることが大きいポイントともなります。

5.人材採用と育成・仕組み化が大きなポイント

・最後は、人材の採用と育成の観点です。現在のアルバイト・パートの募集環境は決して良いものではありません。特に飲食業では、どの店舗や企業様からも厳しい環境になっているというお声を多数聞きます。

・人がいなければ、お店を開店することさえもできないという声は多数聞きます。

・前述の事業計画書にも関わりますが、どれくらいの人が必要で、時給や働く時間等も含めて事前に検討する必要があります。また、働く人は、自分の通っている学校や自宅から近いという傾向も強いため、人を採用するための事前に商圏選定も必要になってきます。

・採用だけでなく、従業員を教育し、戦力化することも重要となるため、この点についても事前に手法を検討しておくことが必要となります。

まとめ

今回は、失敗しない飲食店開業について5つのポイントをお話ししました。次回からこの一つ一つについて詳細をコラムで情報発信していきたいと思っております。

最後まで読んでいただいた方はわかると思いますが、飲食店の開業は準備段階でかなり命運は大きく決まると言っても過言ではありません。ぜひ、準備を徹底して頂き、開店の後は、多店舗展開を行い、事業拡大をして頂くことを祈念致しております。

販路企画 代表 田口 勝

大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。マーケティング戦略立案・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。その後、業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部にて10年勤務、店長・スーパーバイザー・マネージャーを経験。退社後は販路企画を立上げ、商圏に基づくエリアマーケティング戦略立案・出店調査・FC本部展開支援・従業員戦力化研修、セミナー講演活動を行っている。