株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2016-09-11 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

繁盛店が実施している商品の薦め方!~店長と料理長の役割分担~

 このコラムのポイント

どのお店にもある「キャンペーン商品」や「新商品」。お客様には積極的に薦めて売らなきゃならない、けどスタッフがなかなかお薦めできない。そんな事ありますよね?実はスタッフへの商品説明を役割分担するだけで、お客様の心を掴む薦め方をしてくれるようになるんです!

フランチャイズWEBリポート編集部


ホールスタッフによる商品説明は調理責任者がトレーニングしよう

「店長、明日から発売する限定商品って、どんな風に説明すれば良いんでしょうか?」

飲食店では、季節毎の限定メニューやフェアやキャンペーン、またメニューそのものを全面改定することがあります。
そんな時、あなたのお店では、その商品についてのお客様への説明方法は誰が考え、誰が指導していますか?

数店舗規模のチェーンでしたら、社長や開発担当者が各店を回って説明することもあるでしょうが、たくさんの店舗を抱えるチェーン店でしたらそうはいきませんよね。
よく見るケースでは、店長が本社で行われる会議に出席し、そこで担当者から新商品の説明を受け、それを持ち帰って店舗ミーティングでスタッフ達に説明している、そんな感じではないでしょうか。

もちろん、店長がキッチンも担当している規模のお店ならば、それで全然問題はありません。
しかし、店長がホールを担当し、料理長や調理長がキッチンを担当している場合は、「お客様への説明はホールスタッフが行うので、それは店長が担当するべし」というルールで行っている店が多いのではないでしょうか?

店長は、本社できちんと説明を受けてきていますから、スタッフにも正確に伝えることは出来ると思います。
それはそれで良いでしょう。
でも、実は、もっと効果を高める方法があるのです。
その方法を使うことで、ホールスタッフは、お客様に「思わず食べたくなる」お薦めが出来るようになるのです。

その方法とは・・・

キッチンの責任者である料理長、調理長がホールスタッフに「商品説明」の指導・トレーニングをするのです。

ただし、料理長が、「こういう風に言えば良い」と言うお薦めの具体的な方法を指導するのではありません。
料理長は、料理をする前に原材料に対する生産者の想いを受け止めています。
そして、その材料を如何に美味しく仕上げるかについて真剣に考えています。
それについては、店長よりもはるかに大きく熱く深く強く考えているはずなのです。
その想いをそのままスタッフに語りかければ良いのです。
店長もきっと料理長のお話を聴きたいはずです。

ホールとキッチンの責任者がそれぞれにいるようなお店は、原則としてホールのスタッフは店長、キッチンのスタッフは料理長が指導するように責任分担されています。
そう言うお店では、料理長はホールスタッフに接客について語ることがない・・・そんなお店が多いのです。
それはが必ずしも悪いとは言いませんが、新商品の説明の元になる「生産者や料理人の想い」は、やはり「料理長」のほうがより深く語ることが出来るのではないでしょうか?

その料理の原材料に込められた生産者の想い、その想いを受け継いで、最高の料理に仕上げる料理人の想いをホールスタッフに伝えることで、彼らも、より大きく熱く深く強くお客様に伝えることが出来るようになるのです。

ホールとキッチンの責任者がそれぞれにいるようなお店は、原則としてホールのスタッフは店長、キッチンのスタッフは料理長が指導するように責任分担されています。
そう言うお店では、料理長はホールスタッフに接客について語ることがない・・・そんなお店が多いのです。
それが必ずしも悪いとは言いませんが、新商品の説明の元になる「生産者や料理人の想い」は、やはり「料理長」のほうがより深く語ることが出来るのではないでしょうか?

その料理の原材料に込められた生産者の想い、その想いを受け継いで、最高の料理に仕上げる料理人の想いをホールスタッフに伝えることで、彼らも、より大きく熱く深く強くお客様に伝えることが出来るようになるのです。

私が以前お世話になった会社には、高級中華のお店があります。
高級中華ですから、料理長と店長がいます。
昔は、料理長がホールスタッフに、商品説明を指導するなんてもっての外でした。
歴然とした縄張りがあったからです。
しかし、今は違います。
各店の料理長達は、毎回熱心にホールスタッフに、新商品や限定商品など対する想いを語るのです。店長やホールスタッフ達は、それをしっかり受け止めた上で、自分達の言葉でお客様にお伝えしています。

実際、そう言うふうにするようになってから、スタッフのお薦め成功率は大きく高まったのです。

あなたのお店では、商品説明の指導は誰がやっていますか?
もしも、キッチンに責任者がいるのならば、是非とも彼にその役割をお願いしてみてください。

ホールはホール、キッチンはキッチンではなく、ホールとキッチンが一致協力してお客様に喜んでいただく!
商品説明を料理長が語るだけで、そう言うチームが生まれますよ!

編集部より

フランチャイズの場合だと、本部が新メニューの開発や各種キャンペーン商品の開発も行っています。プロモーションのやり方も支援してくれる本部もあるでしょう。本コラムでもあるように、”誰が伝える”かでスタッフの意識が変わることと思います。オーナーが伝えるところはオーナーが現場へ出て、スタッフに熱い思いを伝えなくてはいけませんね。

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。