ATカンパニー株式会社 代表取締役浅野 忍土
2015-06-02 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
ATカンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土

シニア起業を考えたら検討したいフランチャイズ

 このコラムのポイント

定年後の生活も見据えて、起業をしようという方にピッタリのコラムです。ただ、起業にはやはりリスクがつきもの。独立未経験であれば、フランチャイズを活用することでリスクをさげて独立できるというメリットもあるので、ここではフランチャイズを活用した独立をするときに、注意したいポイントについてまとめられています。

フランチャイズWEBリポート編集部


近年、シニアによる起業が増えています。その中で、私は以前から、シニア起業家こそ、フランチャイズを上手く活用されるべきと考えていました。

新たな事業を起こすには大変な情熱と労力を必要とします。そもそも一からビジネスモデルを考え、実際に実行に移すまでに、多くの苦労とある種の勇気が必要です。
しかし、フランチャイズをうまく活用する事で、起業そのもののハードルを下げ、リスクを軽減しながら、事業を成功させることが可能となるのです。故に、フランチャイズは起業における最適な手段の一つであると私は考えています。

フランチャイズは単一商材のコンサルティング事業です。故に、ある特定の事業分野におけるコンサルティングを受けながら、事業を成功に導く為のシステムと考える事が出来ます。
社会人として様々な経験を積んだシニア層が起業する際にはある一定のパッケージ化された事業ノウハウを購入し、展開する事は理にかなっていると言えます。

ただし、シニア起業家がフランチャイズを選定する際に、特に気をつけるべき点も存在し、今回はその点に関して記載したいと思います。

シニア起業家が注意すべき3つの視点

1.サラリーマン意識からの脱却

2.自身の得意分野、能力の見極め

3.自身の価値観に沿った事業分野、フランチャイズ本部の選定

1.サラリーマン意識からの脱却

フランチャイズシステムはある種の確立されたビジネスパッケージを購入するものではあるものの、結果に対しては自己責任であります。

よって、起業する事自体が自己責任ですが、サラリーマンとして雇われていた際の意識は当然捨て、全身全霊で事業の立ち上げに臨まなければなりません。フランチャイズ本部は加盟店支援をするもの、最終的には自己の能力、取り組み姿勢により、事業の成否は大きく変化する事を本当に理解しなければなりません。

2.自身の得意分野、能力の見極め

次に注意しなければならないのは、自身のこれまでの経験等を振返り、得意分野や身につけた能力を見極めて事業を選定すると言う点です。例えば、極端な例ですが、何十年も経理畑で経験を積んだ方が起業の際に営業系フランチャイズを選んだ場合、成功する確率は格段に下がると言えます。何故ならば、その事業に必要とされる能力は営業だからです。

故に、これまでにご自身が培った経験や能力が活かせる事業が見つかった場合、成功確率は高まる可能性があります。当然、成長マーケットに属する事業を選定することに加え、ご自身に関しても、しっかりと分析した上で、事業選定することをお勧めします。

3.自身の価値観に沿った事業分野、フランチャイズ本部の選定

フランチャイズは経営の一部を、例えば商品開発や人材育成などを、一部フランチャイズ本部にアウトソーシングするシステムです。よって、価値観の合う本部と事業を共にしなければ、長期的に見た場合、成功確率は高まらないと言えます。

逆に、価値観の合う本部と事業を共に出来た場合、長期的な繁栄を享受出来る可能性は当然に高まります。例え、困難な状況に陥った場合にも、一緒に乗り越えることが可能となります。

自身の価値観を見直した上で、ビジネスパートナーとして、本部の価値観を確認の上、ベストパートナーを選定されることが望ましいと考えられます。


以上の視点を踏まえ、是非、シニアの方々には起業への挑戦、そして事業の成功を実現いただきたいと思います。

ATカンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土

経営コンサルティング会社でフランチャイズ開発に携わり実績を上げた後、2009年ATカンパニー設立。各企業の経営戦略に沿って有望な新規事業を提案。小規模デイサービス事業、乳幼児教育事業など幅広い業種のフランチャイズ企業を支援。支援チェーンの一つ、乳幼児教室「TOE Baby Park」は3年半で、200加盟達成。2009年10~2014年9月までに延べ272件、月平均約5.4件ベースで加盟開発を実現する等、短期間での多店舗チェーン作りを得意とする。