ATカンパニー株式会社 代表取締役浅野 忍土
2015-12-15 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
ATカンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土

企業の成長戦略に欠かせない!成功ビジネスを見極める3つのポイント

 このコラムのポイント

企業の成長戦略の手段として、新規事業を構築することもひとつあるでしょう。新規事業立上にあたっては、成長しているマーケットの見極めも重要なポイントですが、見極めるためにはどうしたらいいのか?ということを解説しているコラムです。

フランチャイズWEBリポート編集部


企業が事業構築する上で知っておきたいマーケットの嗅ぎ分け方

前回私が執筆していた「経営者なら知っておきたい!経営戦略の思考法とユニクロの成功事例」ですが、今度は新規事業を立ち上げる上で知っておきたいマーケットの選定についてお話したいと思います。

マーケットの選定をするには、時流を掴まなければいけないわけですが、この時流を掴むにはどうするのかと。

それはマーケットの流れを掴むことなんですね。そしてマーケットの流れを掴む際には3つポイントがあります。これ以外にもいくつも視点はありますが、大まかにマーケットを掴むならこの3つを使うと大きく外れることはないです。超人的な嗅覚がある社長さんはこんなことを考えなくても当ててしまうんですけれども、僕にはそれがないので、論理的に進めた場合。

成長マーケットを見つけるための3つのポイント

1.人口動態の変化

最近よく言われますがドラッガーが50年前からずっと言っていたことです。<人口動態の変化>です。

僕がいま39歳なので30年たてば当然69歳になります。なので人口合流ゾーンというのは時間が経てばそのまま形を変えて動いていくんですね。これは絶対揺るぎない事実です。我々は第二次ベビーブーマー世代なので、その第二次ベビーブーマーの方々が大体40なので、これが20年経てばそのまま60になるっていうのは絶対に変わらない事実です。それを考えながらマーケットを見ていきましょうと。

今高齢化社会となっていますが、一旦高齢者の方が減って、人口動態から見たらまた増えるわけですね。そんな人口の構成図っていうのが絶対に予測できる未来です。そしてもうひとつが世帯構造の変化ですが、今一人世帯が増えています。

最近のことで、例えばスーパーとかへ行かれたら分かると思うんですが、ポーションがどんどん小さくなっているんです。10年とか20年前って、大型ポーションばかり売っていました。それがだんだん小型のポーションに変更されています。何故かというと世帯構造が変化したからですね。これもデータ的に見ていきますし、将来的にどんな構造になっていくのかというのは容易に予測ができます。

2.流通構造の変化

もうひとつは流通構造の変化ですね。流通構造の変化というと、先ほどありましたようにメーカー・卸・小売。インターネットが最たる例です。商品やサービスの届け方が変わるんですよ。それが変化した時にビジネスチャンスが生まれます。

それがインターネットで、中抜きによって商品やサービスの届け方が変わりました。そこにビジネスチャンスがうまれ、一気にインターネットで成長する企業が増えていますよね。ちょっと前であれば、保険の窓口販売がオッケーになった際に、来店型保険ショップっていうものが出ました。これも流通構造を変えているんですね。

流通構造を変えるということは商品の届け方を変えるということです。これまで保険は営業マンが通ってきたり、喫茶店で話すなど、営業マンがアクティブにアプローチしていたものが、来店型保険ショップが出たことによって待ちの営業に変わったわけですね。サービスの届け方が変わったんです。家にきてほしくないという方々が、自分が欲しいと思った時に行く。というスタイルに変わったんです。

こういう風に考えていけば世の中変わったものが沢山あります。こうして流通構造が変わったときに、新しいサービスが生まれます。

3.法律の改正

そして最後に法律の改正。例えば、児童のための教育事業である放課後等デイサービスはまさにこの3番目。法律の改正によって生まれました。放課後等デイサービスは今から3年前の法律改正によって民間開放になりました。民間開放になったということは、今まで社会福祉法人さんだとか、一部の団体しか出来なかったものに、民間から入ってきてもいいですよと国が推進しています。

そのときに報酬感だとかいろいろが高いわけですね。法律の変化に今参入すべきであることを教えてくれるんですね。実は大まかには、ビジネスチャンスを掴むような変革はいろいろなところで見えてくるんですね。もしくは今検討されているビジネスがどんな変化をもたらそうとしているのかをまずは見ましょうということが、我々からのご提案です。

GoogleやApple、カーブスが実践している「売れる仕組みづくり」とは

前回お話した経営戦略って何かという部分で、儲かる商品分野をつくることと、売れる仕組み(営業構造)をつくることで、下に例えが書いてありますが、有名サービスのGppgleやAppleにしてもプラットフォームビジネスっていうものをやっているのは皆さんご存知だと思うんですね。

Googleが実践している売れる仕組みづくりとは

Gppgleの場合であればまず一番最初の頃は検索を軸に大量のユーザーを作って、そこに商品を提供していきましたよね。例えばGメールだとかGカレンダーだとかを無料で提供して優良ファンドにするとか、もしくは無料で検索を使わせてお客さんの母数が増えたところに広告を出すモデルでやっています。

Appleが実践している売れる仕組みづくりとは

Appleの場合だと、端末を売って端末にアプリをのせたり、コンテンツを流すという、彼らの売れる仕組み作りというのは無料だったりハードだったりを配ることによってそこに商品を流し込んでいくということをやっています。こういう視点で見ると、各社の経営戦略がもっと論理的に捉えられるのではないでしょうか。

女性専門フィットネスのカーブスが実践している売れる仕組みづくりとは

例えば、私が前職で支援した女性専門フィットネスのカーブスがあります。これは今1300店舗あるんですが、どういった形をとったかというと儲かる商品分野で言えば彼らは初期投資を落としているんですね。そしてお風呂を無しにしたんです。

フィットネスクラブというと、ほとんどの場合水回りに非常にお金がかかります。そこでカーブスが実践したのは、水回りを無しにすること。30分、半径300メートル以内で運動してもいいという女性客を対象としたビジネスにしたのです。

そして売れる仕組みの部分でいくとCP集客というものが、我々で作った営業の手法なんですけれども、オープン前に地域の商店街に赴いて一軒一軒訪問してキーマンを見つけるんですね。そしてそのキーマンから紹介をもらうっていう営業構造を作ったと。

つまり商店街の主要なところを開拓してそこから紹介をもらうっていう構造を作りました。カーブスはほとんどチラシを打たないんですね。フィットネスクラブというと通常チラシを沢山打ちます、そしてお客さんの獲得単価がだいたい2~3万円です。カーブスの場合はこれが0。紹介だけで獲得する構造をつくりました。こういった形で経営戦略がしっかりとかためていきました。

ATカンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土

経営コンサルティング会社でフランチャイズ開発に携わり実績を上げた後、2009年ATカンパニー設立。各企業の経営戦略に沿って有望な新規事業を提案。小規模デイサービス事業、乳幼児教育事業など幅広い業種のフランチャイズ企業を支援。支援チェーンの一つ、乳幼児教室「TOE Baby Park」は3年半で、200加盟達成。2009年10~2014年9月までに延べ272件、月平均約5.4件ベースで加盟開発を実現する等、短期間での多店舗チェーン作りを得意とする。