株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2017-04-02 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

部下の目標実現力を高める!リーダーが備えるべき、確かな『予言力』

 このコラムのポイント

結果にはそうなる理由がある。どんなことにおいても最高のパフオーマンスをするには、時の運をも味方につける前向きな姿勢と、日々の鍛錬に裏打ちされた実力が不可欠です。今回のコラムでは、『予言』という言葉をキーワードに、チームを強くするリーダーシップとは何かについて知ることができます。

フランチャイズWEBリポート編集部


上司の確信が、部下の不安を拭い目標達成の集中力を高める

上司:「『予言』って、実現させることはできるんだよ!」

昔、私が店長時代。ある上司にこう言われたことがあります。

この上司の言う『予言』とは、天変地異や奇跡を予言するようなお話しではありません。もちろん、宗教とも違います。

彼が言っていたのは、「仕事の目標を100%達成できる予言」のことなのです。

部下:「目標達成の予言?」

意味がわかりますか? 

では、どういう意味か種明かしをしましょう。

彼が言う「目標達成の予言」とは、あらかじめ、目標が確実に達成できるように仕組んでおいて、実行前にその達成を『予言』するということです。

確実に達成できるのですから「予言達成」を実現することは可能であるということなのです。 

なんだか、ちょっとインチキなような気もしますが、部下に達成を信じさせたり、行動に自信を持たせたりするには「有言実行」だけでなく『有言実現』を想像させることがよりが効果が高い、という事なのです。 

スタッフの行動レベルが、「店長が言ったことをやる」レベルよりも、「店長が言ったことは実現できる」レベルなら、もう目をキラキラさせながら全力で付いてくるようになるのです。 

大事なことなので、もう一度言いますね。 

スタッフから「この店長についていきたい」と思ってもらうには、「有言実行」ではなく、「有言実現」のレベルでなければならないということなのです。

「確信」を生む鍵は、目標を達するための『根拠』

では、それはどうやったら出来るのでしょうか?

もちろん、それは、勢いや、気合いや、根性や、運を天に任せるのではありません。

きちんと計算し、確実に達成できる青写真を描き、計画を立て、それを徹底的に継続・実行するのです。

なので、本当は「予言」ではありません。「店長の言う予言」とは『根拠のある宣言』なのです。

「根拠のある宣言」は、気合いと根性や運に任せたものではありませんから、店長は目標予言達成(予言実現)までの、プロセスを綿密に作成し、それを確実に実行する必要があります。

これは、「やってみなくちゃわからない」のレベルではだめなのです。

100%達成できる計画を立て、実行し、100%達成させなくてはならないのです。でないと、「嘘つき」「はったり」になってしまいます。

予言者を嘘つきにしない、達成感を味わえる目標設定のポイント

世の中のほとんどの店長は、この「嘘つき」と言われるリスクを避けるために『有言実現』はやりません。

彼らは「目標はあくまでも目標。未達の時もあるかも知れない」と、予防線を張るのです。最初からそういう意識なので、いつも、目標達成は、いつもギリギリかやや未達になるのです。

実は、予言を実現できる店長の「目標設定」には、チョットしたコツがあります。

それは、やみくもに高い目標を掲げることはしないということです。
達成できなければ、意味がありませんからね。

同時に、誰でも簡単にできそうな低い目標を掲げることもしません。
ゆるゆるの行動でできてしまうと「予言の実現」には見えませんからね。

彼らが全力で実行すれば、ギリギリ達成できるかも?いや厳しいかな?というレベルに目標を設定します。

そして、「目標は必ず達成できる!」という宣言(予言)をします。そうなると、店長も部下達も『全力疾走』が必要になります。

ここが大切なポイントです。

リーダーの前進姿勢が、スタッフの目標達成力と評価を高める

「予言の実現」つまり『有言実現』は、その為の行動を全力で行った上で、達成させなければならないのです。この『全力疾走』と『有言実現』が、スタッフ達の実行力と実現力を高めるのです。

だから、スタッフ達は「店長」についてくるようになるのです。
だから、スタッフ達は「全力疾走以上に全力疾走」をするようになるのです。

この方法は、見方を変えれば、店長が自分で自分のお尻に火を付けるやり方とも言えます。

自分で自分にプレッシャーをかけることが出来るようになると、最強です!!

だって、「予言者」は「嘘つき」と言われることが最大の屈辱なんですからね。
逆に達成したときの、尊敬と称賛のされ方は半端じゃあありません。 

嘘だと思ったら一度試してみて下さい。

やってみると病み付きになりますよ!
だって、面白いように目標が達成できるのです!そして、スタッフの眼がキラキラになるのです!

もうやめられません!

 

次回は「三日坊主を防ぐたったひとつのコツ」というテーマでお話しします。お楽しみに!

 

  • 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。