株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役松下 雅憲
2017-06-18 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

「打倒!ライバル店宣言」でチームの結束力を高めよう!

 このコラムのポイント

有言実行という言葉にもあるように、実現したいと思うことは、言葉として周囲に発することから始めるとよい。店長自身が「自分の店を地域一番にしたい!」と願うなら、同じ店にいるスタッフやSV、本部をも巻き込んで、協力の和を広げていくことが、なにより達成への近道になります。今回のコラムでは、共通の「敵」を設定することで、目標達成や指導者への求心性を高める方法について知ることができます。

フランチャイズWEBリポート編集部

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打倒ライバル!も、店長の心の内だけでは「動かない」

「あの店には負けたくない!」

店長って、たとえ口には出さなくても、心の中では必ずこう思っています。

「あの店」とは、同じ会社の同じ仲間が店長がやっている、いわゆる『社内ライバル店』のことです。

しかし… 多くの店長は、

「あの店はあの店、私の店は私の店。だからあの店が評価されようが、売り上げを伸ばそうが、そんなの関係ありません」と言います。

でも… それは嘘です。

本心ではありません。本当は、負けたくないし、負けていると悔しいのです。
少なくとも、私はむちゃくちゃ悔しい!と思っていました!

だから… 絶対に「あの店」には負けたくない。

特に、「上司が比較対象にあげてくる〇〇店」なんて、もう店名を聞くのも嫌!!
だから、絶対に負けるもんか!と思っていました。

もちろん… 私も、口では
「そんなの関係ないし、気にもしていない」って言っていましたけどね。

意地っ張りだったのでしょうね。

とは言え… 店長である自分一人がいくら内心で「負けん気」を発揮しても、スタッフたちがその気になってくれなくては「戦い」には勝つことは出来ません。お客様に喜んでいただくのも、売り上げを伸ばすのも、彼らの力が必要なのです。

山を動かすには「同志」が必要

そこで、私が実践していたのが、拙著「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)の第5章でも紹介している「仮想敵との戦いを演出すること」なのです。

スタッフに対して、

その『仮想敵』に「なぜ負けてはならないか?」「 なぜ勝たねばならないか?」という理由を説明して共感してもらうのです。

まずは、目に見える「山」を『共通の敵』にする

私が店長時代に最も意識し「負けたくない!」と思っていた店は、たった200m位しか離れていないところにある、「マクドナルド戎橋南店」通称「えびなん」と呼ばれるビッグストアでした。

その店は、間口も広く、歴史もあり、551の蓬莱の隣という立地の良さがありました。

そのため、私の店でアルバイトの募集をしても、問い合わせや面接はなぜかそっちの店ばかり… 私の店よりも、目立つ「戎橋南店」に応募者は流れていったのです。

そういうこともあって、売上も、スタッフの数の充実さも、いろんな意味で彼らに大きく差をつけられていたのでした。

そしていつしか、自店舗の社員にもスタッフにも「彼らには勝てない」という、あきらめムードが漂うようになっていました。

そこで、私は、社員とスタッフを集めて「仮想敵“戎橋南店”」に圧倒的に勝つ!と宣言したのです。

相手、自店の戦闘力を分析し「勝てる」戦略とイメージを育てる

私は、彼らが恵まれている点、有利な点を「立地」や「商圏」「認知度」という理論で説明し、同時に、自分たちの苦しい立地環境を理論的に解説をしたのです。

そして、自分達が彼ら「戎橋南店=えびなん」に勝つには、「ひとのチカラ」以外にはないことを強調したのです。

もちろん、その「ひとのチカラ」は、彼らよりも自分達の方がはるかに強力であるということも伝えました。

その上で、「勝つための戦略」を彼らに説明をしました。私には「こうすれば必ず勝てる」という確信があったのです。

もともと、すごい能力を秘めたスタッフたちばかりです。

「勝つイメージ」が明確になると、一気にパワーアップしたのです。

首尾一丸の結束力と、積み重ねが「山」を打ち崩す

私たちは、お互いを鼓舞し、認め、誉め合い、同時に新人を必死で集め、育成し、毎日毎日「打倒えびなん!」と雄叫びを上げながら、売り上げを伸ばしていきました。

その結果、スタッフ不足で苦しんでいた私たちの店は、半年後にはスタッフの数が3倍になり、一年後には売り上げは2倍になったのです。もちろん、「仮想敵“えびなん”」にも大きな差をつけて勝利することが出来ました。

仮想敵、ライバル… 彼らの存在がなければ、あそこまでがんばれたかどうかわかりません。

ありがたい存在でした。

さて、あなたには、絶対負けたくない『仮想敵』はいますか?

口には出さなくてもきっと心の中にいるはずです。

是非とも、そのライバルの存在をうまく利用して、自分たちの秘めたパワーを大きく引き出しましょう

きっと、今よりももっとすごいチームになるはずですよ!!
いや!かならずなります!

だって、スタッフたちも、本当は「負けたくない」と思っているんですからね!


次回は「『お店には『お父さん役』と『お母さん役』がペアで必要なほんとうの理由」というテーマでお話しします。お楽しみに! 


  • 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)

株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役 松下 雅憲

大阪出身。1980年日本マクドナルド(株)入社。店舗運営の現場と全社の出店戦略に関わり、2005年4月とんかつ新宿さぼてんを運営する(株)グリーンハウスフーズに入社。すぐに経営情報室を立ち上げ、経営情報の見える化、出店戦略システムの構築、さらにエリアマーケティングをベースにした店長教育システムを導入し大きな成果を上げた。2012年4月株式会社PEOPLE&PLACEを設立。代表取締役に就任。マクドナルドとさぼてんで確立したノウハウを独自の形に仕組み化した「店長ナビ®」を提供し、人材育成を通じて多くの外食企業や小売・サービス企業の業績向上に貢献している。