ATカンパニー株式会社 代表取締役浅野 忍土
2015-04-14 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
ATカンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土

オーナー会は活用すべきか?

 このコラムのポイント

独立するといっても、本部と二人三脚なのがフランチャイズ。また、先輩オーナーともつながりを持てるのもフランチャイズです。オーナー同士のつながりが持てるオーナー会とはどんな場所なのかについてここでは触れられています。

フランチャイズWEBリポート編集部


オーナー会とは加盟者&本部のモチベーション向上と成功事例共有の場

フランチャイズ本部主催のオーナー会に関して、今回は解説します。

オーナー会と言っても、FCチェーン毎に、それぞれの特色があり、内容も様々です。しかし、オーナー会は基本的には二つの機能が備わっていると考えられます。

1.表彰等を通じて、チェーン全体のモチベーションを維持、向上する機能
2.成功事例を共有し、チェーン全体の経営力、運営力を向上させる機能

大まかにはこの二つの機能があると考えられます。

故に、参加するメリットは正に成功事例を習得し、自社の経営に活かすこと。そして、他社の頑張りを見て、自社のモチベーションをより向上させることであります。

特に、経営者からすれば、日頃、自社の当たり前の基準を向上させる為に、様々な働きかけ、努力を行っていると思います。

しかし、こうしたオーナー会を活用することで、他社の活動をより具体的に見せることで、現場人材に自社の現状を理解させ、より高見を目指させるなど、マネジメントの活用することが出来るのです。

既に、他社の手本となるレベルまで成長している企業であれば、成功事例として紹介されることで、当然、現場はプライドを持つことになります。

何れにしても、オーナー会を上手く活用することで、より経営を質の高いものに出来ると言えます。成功しているFC加盟店はこうしたオーナーイベントを上手く活用しているのです。

オーナー会などのイベントで自社にない手法・ノウハウを得たいところ

一方、フランチャイズ加盟店で上手く経営出来ていない経営者の中には、本部への不平不満ばかり述べて、こうした会に積極的に参加せず、担当者任せの会社も多く見受けられます。

まずはこうした会、イベントの本質を理解し、積極的に活用されることをお勧めします。
より進んだ経営を行っているフランチャイズ加盟店の場合、本部のオーナー会とは別に、自社内で同様の機能を持った会を開催する企業もあります。より自社にあった、自社の組織を強化する為の同様の会を開催することも有効な手段です。

その為にも、先ずは本部の開催する各種会に参加し、その本質を理解し、またその運営方法等を学び、活用することをお勧めします。

フランチャイズ事業はある種のコンサルティング事業です。自社に無い手法やノウハウがあればどんどん習得して、自社の経営に活用するべきです。

故に、FC事業を選定する際には、上記の視点を持って、フランチャイズ本部を選定することも大変重要な要素です。色々と話を聞いてみて、経営的な視点で学びの少ない本部は事業パートナーとして組むべき相手でない可能性も高いことがあります。

事業選定を行う上でも、オーナー会等を可能な限り確認し、より自社にあった本部を選定して頂きたいと思います。

ATカンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土

経営コンサルティング会社でフランチャイズ開発に携わり実績を上げた後、2009年ATカンパニー設立。各企業の経営戦略に沿って有望な新規事業を提案。小規模デイサービス事業、乳幼児教育事業など幅広い業種のフランチャイズ企業を支援。支援チェーンの一つ、乳幼児教室「TOE Baby Park」は3年半で、200加盟達成。2009年10~2014年9月までに延べ272件、月平均約5.4件ベースで加盟開発を実現する等、短期間での多店舗チェーン作りを得意とする。