合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表中土井 鉄信
2016-02-01 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表 中土井 鉄信

学習塾経営で売上アップを叶える!集客面で今日から実践したいマーケティング理論

 このコラムのポイント

学習塾オーナーをされている、もしくは学習塾を開業したいと思われている方必見のコラム。毎月安定した収入を得るためにも、集客戦略はかかせないポイントです。そのために知っておきたいマーケティング基礎について学習塾専門の掲載コンサルタントをしている中土井鉄信氏に解説していただきました。

フランチャイズWEBリポート編集部


学習塾経営をしている皆さん!自分が何を売っているのか、知ってますか?!

前回は、学習塾経営でしてはいけないことを5つに絞って書きましたが、今回は、その前提として、生徒を集めるためには、一体学習塾は、何を売っているのか、何を売りたいのか、その辺をしっかり意識して取り組まなければなりません。今回は、皆さん自身にも少し考えてもらおうと思います。

集客の前提は、集客したいターゲットの心理を十分理解することから始まります。ターゲットが、何を求めているのか、何を必要としているのか、そして、そのターゲットにどういうアプローチをしていけば、ターゲットは自分の商品を買ってくれるのか、そのことをしっかり考えることです。

消費者の購買心理に沿ったアプローチにAIDA(あるいはAIDMA)、や購買決定プロセスなどがあります。買い手に製品を認知してもらい、興味関心を持たせ、購買行動を取らせる考え方です。そして、買い手にアピールする際は、FABVアプローチが、有効です。まずは、このFABVアプローチで考えていきます。

FABVとは、「特徴(feature)・利点(advantage)・ベネフィット(benefit)・価値(value)」の英語頭文字をとったものです。この4つにしたがって考えていきましょう。つきましては、以下の空欄を埋める気持ちで読み進めてください。

1.新年度コースは自塾の何を特徴としますか?(何を売るのか?)

                                                            

回答例:新学習指導要領対応の為のサムシングニュー。講習満足度保証。成績保証。面倒見主義(無料補習・チューター付自習)。

2.その特徴はどんな利点を生み出しますか?(どんな利便性があるのか?)

                                                            

回答例:個別指導なのに5教科指導。勉強と部活の両立。

3.顧客の利益をどこにおきますか?(どんな価値を提供できますか?)

                                                            

回答例:定期テストの点数向上。学校の成績向上。家庭学習時間最低60分確保。態度変容。

4.自塾は顧客にどんな価値を提供できますか?(どんなことで喜びを与えるか?)

                                                            

回答例:セルフ・エスティームの向上。勉強に対する自信。自主性のある態度。

「AIDAモデル」で消費者(保護者・生徒)とのコミュニケーション戦略を見直しましょう

次に、「AIDAモデル」というものを使って考えていきます。
このモデルは、消費者の行動心理のプロセスを示すマーケティング理論の一つで、発信者の働きかけ(コミュニケーション)に対する、消費者の反応プロセスをモデル化したものです。

消費者の反応は「注目(attention)」、「関心(interest)」、「欲求(desire)」、「行為(=購買・action)」の順で起こるとされていて、それぞれの頭文字をとって「AIDAモデル」です。最近では、「検索」、「記憶」、「満足」といった項目も入ってきますが、今回は、今でもよく使われる「AIDA」の4つを使いたいと思います。

1.どんなことで保護者や生徒に知って(注目して)もらいたいですか?

                                                            

回答例:従来のチラシを大きく変更する。自塾のキャラクターを作って校舎の前におく。校舎自体を面白くする。

2.どんなことで保護者や生徒の関心を引きますか?

                                                            

回答例:新学習指導要領対応のコース設計。通塾アンケート結果。読書感想文発表会。理科実験教室等々。

3.保護者や生徒の何を解決する商品だと顧客の欲求は起こりますか?

                                                            

回答例:定期テストの点を上げたい。地域トップ校に合格したい。家で進んで勉強するようになりたい。

4.どういう仕掛けで、行為(問い合わせ)を引き出しますか?

                                                            

回答例:無料体験授業。入会特典。プレ春期お試し授業。定員限定。無料イベント。

個別指導塾、大手フランチャイズ塾というステータスに依存しないこと

さあ、回答欄は一杯埋められましたか。自塾は、どんな塾なのか?
個別指導の塾とか大手フランチャイズチェーンの塾というような認識だけでは、生徒を集客することは難しい時代になっているのです。何を売っているのか?ここの自覚化が行動を明確にします。

ぜひ、しっかり自塾の地域におけるコンセプトを作ってください。これが、学習塾経営成功の第一歩です。

合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表 中土井 鉄信

教育機関NO.1クラスのコンサルタント。学習塾における運営コンサルティングの依頼は、規模も、指導方法もニーズも様々であるが、的確な判断力と、データ分析力で今までに携わった学習塾は全国津々浦々80塾以上。 在籍数減少など苦境に陥った多くの学習塾の再建を成功させた手腕と、歯に衣を着せぬ人間的な魅力で、全国の教室オーナーからの信頼は厚い。また、私立学校のコンサルティングや全国各地の教育委員会での講演や管理者対象研修などの依頼も多く、日々、全国を飛び回っている。