コンビニ研究家田矢 信二
2015-12-20 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
コンビニ研究家 田矢 信二

元セブン&ローソンの社員が語る!コンビニを「商売の原点」と想う理由

 このコラムのポイント

大手コンビニチェーンで店長経験もして現場を見てきたひとりの男性が、今なぜコンビニ研究家、店舗の育成アドバイザーとして活動しているのか。彼が現場を見て感じたのは「人材育成の大切さ」。この考えにいたるまでのエピソードと彼の現在の活動にせまったコラムです。

フランチャイズWEBリポート編集部


コンビニを「商売の原点」としているひとりの男の話です

いらっしゃいませ、コンビニ研究家、店舗育成アドバイザーの田矢信二です。
私は大手コンビニチェーンに勤めた後、店舗ビジネス専門の講演・研修講師として活動しています。そして、「コンビニ」をテーマとしてテレビ出演や書籍の発刊もしてきました。
今回は、そんな私がコンビニを「商売の原点」としている経緯についてお話したいと思います。

コンビニ本部のスタッフとして店長を任されたときの苦いエピソードと気づき

2014年7月11日。
「失敗の連続から苦労した現場経験で、お店創りを達成した体験を消費者やビジネスマンに伝えたい!!」
そんな強い想いの中で1冊の本が誕生しました。

ある意味、私の“人生のターニング・ポイント”のスタートでした。
これを機に、“コンビニ研究家”“店舗育成アドバイザー”を名乗る使命感を持ち始めました。
そんな私ですが、元々コンビニの現場に身を置いていて苦い思いでもあったものです・・。

振り返れば、大手コンビニフランチャイズ本部に入社した当時の私は、元々体育会部員だったこともあり、コンビニどころか社会人として右も左もわからない状態でした。約3年間の現場業務を体力自慢だけで乗り越えながらも悪戦苦闘と創意工夫の毎日。

加盟店オーナーの疑似体験を目的とした24時間営業のコンビニ商売を必死になって、販売に専念する体制づくりを目指して熱意を込めて毎日売場でお客さまとの真剣勝負でした。(コンビニ本部スタッフとして直営店を任されていました)

全く新しいジャンルへの挑戦でしたが、実家の商売と通ずるものがあり自然と他の社員よりスムーズに業務をこなして、私は販売マスターへと成長していきました。

そんな中で、店長になったばかりの頃です。正直、自信はありました。ですが、、、実際は、パート・アルバイトから予想だにもしていなかった・・こんな本音を吐露されたのです。

「店長のお店は、商品が売れるから楽しいけど・・・その分プレッシャーが強くて。毎回ストレスが増えて、段々しんどくなってきました。」

前年比の売上も単品での販売も伸長していました。数値上は、改善されていましたがまさか「人」の部分が改悪していたことに一番びっくりしたのです。

「売上だけを追った店舗運営をすると、働く人は疲れやがて辞めていく。人が疲弊する店は、継続的な成長はありえない」
コンビニビジネスは、「人」あってのもの。私は店長時代にいち早く気付けたことにより「1冊のノートを使ったノウハウ(後に書籍化した内容です)」を手に入れることができました。



セブンイレブン→ローソン→コンサルタント会社とビジネス経験を積んだ私ですが、今お話したことはどの分野でも適用できるノウハウでした。私の「商売の原点」をビジネスパーソンとして若手のうちから鍛え上げることにより、差別化できた武器を手に入れることができたのです。現在は、この武器を中心に現場で働く「人」に関連する育成・戦力化のお手伝いや講演をさせていただいております。

私は、商売の素人で決して優秀な人材ではありません。フランチャイズ・システムと言う整った環境があったからこそ、自らの強さに気付き専念することで鍛えあげ、この経験値をもとにノウハウを体系化することに成功 したのだと思っています。

フランチャイズ×コンビニ業界歴15年。書籍も出版しています!

早いもので、そんな私も日本のフランチャイズビジネス、コンビニビジネスに携わってから、かれこれ15年以上が立ちました。ちょうどフランチャイズWEBリポート様からコラムを書く機会をいただきましたので、自分が今まで挑戦・学んできた日本のフランチャイズ・ビジネスのこと、コンビニエンスのこと等々、コンビニ研究家の視点にて寄稿したいと思います。

私の著書に『セブンイレブン流 98%のアルバイトが商売人に変わるノート』(TWJ BUSINESS)があります。
(現在は、第2弾として『ローソン流 アルバイトが商売人に変わる勉強会』(仮タイトル)を出版に向け執筆中です)
また、講演に興味のある方に関してもぜひお声がけをいただければと思います。

今後、このコラムでは、以下について、情熱を込めて商売視点を伝えていきたいと思います。

1.どうすれば、現場の「人」を商売人に育成し戦力化の成功確率をあげることができるのか?
2.店長会議・ミーティングをどのように組立・実践すれば全員経営は進むのか?
3.商圏分析&立地診断を、どのように進めれば強い物件や強い店になれるのか?
4.店舗診断を積み重ねて、「見るチカラ」を鍛えると指導スキルもあがる理由
5.多店舗化に必要な組織強化について、年間計画と勉強会の重要性を知る

これからは、そのフランチャイズビジネスで学べた点を少しでも皆様に伝え、フランチャイズWEBリポート様に関わる全ての方の“未来の良いお店”が増える事が恩返しだと思っています。
今回は、このコラムを書くことにより、私を身近に感じていただきお話が伝わるようにしたかったからです。

コンビニ研究家 田矢 信二

大阪府生まれ。幼少より実家のおもちゃ屋を手伝いながら商売を学ぶ。CVSチェーン本部で業界1位セブンイレブンと業界2位ローソンにおいて、現場経験を積んだ後にコンサルタント会社も経験。コンビニ研究家として、店舗ビジネス業界へ「人」に関連する育成テーマにて講演・研修には定評がある。コンビニをテーマにテレビ・ラジオにも出演。著書に「セブン―イレブン流 98%のアルバイトが「商売人」に変わるノート」(TWJ BUSINESS)がある。