小スペースでの開業にはATM跡地が狙い目!SNSでも話題のATM居抜き利用とは
ATMの跡地を利用した居抜き飲食店が増えていることをご存じでしょうか。以前はATMだった場所がそのまま店舗利用されており、その外観的特徴を含めてSNSでも話題になっています。なぜ最近になってATMの居抜き利用が増えているのでしょうか。
今回はATMの居抜きや店舗改造が増えている理由、そしてATM跡地で開業するメリットについてご紹介いたします。
日本ではATMの数が減少している!?その理由とは
以前までは、駅前の一等地にはメガバンクや地方銀行のATMが存在していましたが、 現在では、ATMの数は減少傾向にあります。まずはその理由についてご紹介いたします。
キャッシュレス化の普及
インターネット技術の発展によりキャッシュレスが普及し、ATMの利用件数は10年間で2割も減少しています。
日本でもクレジットカードだけでなく、アプリや電子マネーでの決済方法を導入した店舗が今も増え続けています。また、ネットバンキングの普及もあったりと、ほとんど現金を持たずに生活できるようになってきているのです。
なお、キャッシュレス化によるATMの減少は、日本だけでなく世界共通で起こっています。
銀行の方針
ATMの購入費は1台数百万、さらに物件の賃料や警備費、障害対応費などを含めた月々の維持費は30万円程。全国にあるATMの維持費や現金輸送費は年間でおよそ2兆円もかかっており、ATM利用客からの手数料ではカバーできないのが実情です。 そのため、ATMの数を減らすことで経費の削減を狙う銀行が増えてきています。
なぜATM跡地が居抜き飲食店に人気なのか
ATMの跡地と小売店や飲食店は、これまであまり結びつきませんでした。しかし、ATMが設置されている場所は駅前やエキナカ、商業施設がある場所など非常に人通りが多く、アクセスがいいところが多くなっています。そのため、非常に良い立地なので店舗活用することで多くの利益が見込めます。
また、ATMの跡地は小さいため、同じような駅チカで飲食店をする場合と比べて家賃を抑えての開業が可能です。最近は新型コロナウイルスの影響でテイクアウト専門店の需要が高まっており、小さな店舗の方が利益を見込めるケースも多く、ATMの跡地を活用したテイクアウト専門店が増えています。
さらに、もともと現金を扱う場所であるATMはセキュリティも万全になっています。そのため、防犯対策の観点からも非常に店舗向きであるといえます。
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実際にATM跡地を活用した居抜き飲食店の実例
それでは実際にATMの跡地を活用したテイクアウト店の実例をご紹介いたします。
<めっちゃバナナ>
日本でタピオカの次に新たなブームを起こしたバナナジュースの専門店です。エクアドルにある「日本人が作ったバナナ農園」で育てられたこだわりのバナナを使用しており、砂糖不使用であるにも関わらず非常に濃厚で甘い味わいが人気となっています。メニューも豊富で、ヴィーガンの方にも人気です。
<食パン専門 高匠>
まだまだ注目度が高い食パン専門店のひとつです。こだわりのブレンド小麦粉を熟練の職人が湯種製法で食パンにするため、何もつけずにほんのり甘い、小麦本来の甘さを感じられます。卵や保存料不使用で、卵アレルギーの方も食べられます。食パンのほかにオリジナルのコーヒーやジャムなどを販売しています。
ATM跡地を利用した店舗ではキッチン機能が無いためその場での焼き上げるのではなく、当日工場から運ばれてきた食パンを販売しています。
<PANYASAN>
テイクアウトのサンドイッチ専門店で、おしゃれな黒い外観が目印です。系列店で食パンを焼いて、店舗でサンドイッチの製造を行っているので新鮮でおいしいサンドイッチを購入することができます。具材が分厚く、非常にボリュームのあるサンドイッチで食べ応えがあると人気です。
<トミーズプリン>
イタリアンをコンセプトにしたプリンの専門店です。硬すぎず、柔らかすぎない絶妙な食べ応えのある滑らかさは、他の店舗では味わうことができないと人気があります。 おいしいだけでなく、瓶入りのおしゃれな見た目なのでSNS映えもすると好評です。複数のプリンのほか、ソフトクリームも販売されています。
<うどん なお松>
こちらはテイクアウトではなく、イートインのうどん屋さんです。うどんだけでなく和風中華も提供しており、うどんと中華そばが同じ器に入った珍しいメニューもあります。 立ち食いスタイルなのでさっと食べたいという方に人気があります。また、立ち食いだけでなく、座って食べることもできるようです。
<東京ラスク>
人気のラスク専門店、東京ラスクもATM跡地を利用した店舗があります。定番のシュガーラスクだけでなく、ガーリック味などもあるので甘いものが苦手な方にも人気です。また、シーズンに合わせたギフトセットの販売もあるので急ぎで手土産を用意したいときなどに重宝しそうですね。
ATM跡地を居抜き飲食店に利用する際のポイント
ATM跡地を居抜き飲食店に店舗改造する際にはこれからご紹介することを参考にしてみてください。
スケルトンと居抜きの違い
ATM跡地にはスケルトンと居抜きの2種類があります。
居抜きとは
以前の内装や設備が残っているものを居抜きといいます。ATMの居抜きの場合は設備はATMなので撤去されますが、内装はそのままになっています。内装をそのまま活用することで低コスト・短期間の工事で営業ができます。
調理を伴わない販売のみの店舗であれば居抜きを利用するといいでしょう。
スケルトンとは
建物の骨組みはあるものの、内装や設備がない状態の物件をスケルトンといいます。何もない状態から工事を行なうため、居抜きよりも自由度の高い店舗づくりが可能です。ただし工期が長くなる、コストが高くなるといったデメリットもあります。
調理設備や水道・光熱設備などの調理スペースが必要な場合は、工事をしなければいけないのでスケルトンの利用も検討するといいでしょう。
居抜き物件の場合は原状回復義務があるケースもある
居抜き物件の場合、原状回復義務について確認しておきましょう。原状回復がどのレベルかは物件によって異なります。店舗の工事が入る前に写真を撮っておくと安心です。
水道管などの工事が必要
ATM跡地には電気は通っているものの、水道管などは通っていないため新たに水道管の工事を行なう必要があります。また、経営する店舗によっては電気工事も新たに行なわなくてはならないこともあります。事前にどれくらいの工事費用が必要になるのかを確認しておきましょう。
用途変更と用途変更確認申請
用途変更は既存の用途から別の用途に変更することや、変更するための工事を指します。一方、用途変更確認申請は規模が200㎡以上の変更や、既存と類似しない用途に変更する場合に必要となる申請です。
2019年の6月から建築基準法が改正されたことで、これまで100㎡以上で必要になっていた用途変更確認申請が200㎡以上になりました。ATM跡地の物件で200㎡以上のものは該当しないでしょうが、用途変更確認申請は忘れずに提出しておきましょう。
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withコロナ時代にはATM跡地を改造して賢く開業!
新型コロナウイルスの影響により、私たちの生活は変化しました。店舗経営では店舗維持のためのランニングコストが大きな負担になるため、ランニングコストを抑えることが経営を成功させるためには不可欠ともいえるでしょう。
ATM跡地の活用は新たな生活様式と、ランニングコスト削減に効果的です。小スペースで開業できる飲食店を、ATM跡地に開業してみてはどうでしょうか?