フランチャイズの加盟金を徹底解説!支払うタイミングや相場は?

フランチャイズWEBリポート編集部 |2021年01月04日 公開 (2021年06月04日 最終更新)
フランチャイズの加盟金とは?

フランチャイズに加盟する際には、さまざまな費用が必要になります。そのうちのひとつが「加盟金」です。なかには、「加盟金0円」のフランチャイズもありますが、ほとんどのフランチャイズでは加盟するタイミングで加盟金を支払う必要があります。

この記事では、加盟金とはどういった役割のものでいくらくらいが相場なのか、そして加盟金以外の初期費用の内訳について、分かりやすく解説します。場合によっては数百万円もの加盟金を必要とするフランチャイズ本部もあります。お金に関する重要な部分ですので、十分に理解したうえで加盟するフランチャイズを検討してください。

独立開業やフランチャイズ情報をお届け!フランチャイズWEBリポート公式LINEはこちら

フランチャイズの加盟金とは?

ビジネスマン握手

そもそもフランチャイズとは、フランチャイズ本部と契約を結んだフランチャイズ加盟店が、本部の看板や商品、サービスの販売権などを得ることのできる仕組みです。フランチャイズ本部が所有する経営ノウハウを享受することで、フランチャイズ加盟店は未経験でも収益を上げられるなどのメリットがあります。

こういったフランチャイズ本部のサポートを受ける代わりに、加盟するタイミングでフランチャイズ本部に支払うお金が「加盟金」です。なかには、立地調査費や開業前研修費、宣伝広告費などが加盟金に含まれている場合もあります。

例えるならば加盟金は、スポーツジムなどに入会する場合の月額利用料などとは別に支払う、入会金だとイメージとすると理解しやすいかもしれません。

加盟金のように初期に要求される費用には「保証金」もあります。加盟店は、フランチャイズ本部に対して毎月ロイヤリティを支払う必要がありますが、事情によって支払いが遅れる場合もあるかもしれません。そういったケースでも本部がお金を回収できるようにする仕組みが保証金です。賃貸でいうところの敷金ですね。なお、毎月発生するロイヤリティの金額は、売上または粗利に対する割合で決められているのが一般的となっています。

加盟金を支払うタイミングと注意点

人差し指

加盟金の内容を理解して支払う意思を固めたとしても、いつ払うべきかなどは、さらに検討が必要です。場合によっては、加盟金を支払ったのにフランチャイズ契約ができないうえに、加盟金は帰ってこないというケースもあるからです。このような事態を避けるためにも、フランチャイズ本部や契約内容について詳細な情報を調べたうえで契約に進む必要があるでしょう。

加盟金を支払うタイミング

加盟金を支払うタイミングは、フランチャイズ本部によってさまざまです。フランチャイズ契約を締結するタイミングで支払うのが一般的ですが、なかには加盟金の支払い後にフランチャイズ契約を締結する本部もあります。

詳しくは後述しますが、一旦支払った加盟金は基本的に返還されません。たとえば、加盟金を支払った後で契約書の不備や、加盟側に不利な条件が盛り込まれていることに気づき、契約の解除を申し出たとしても加盟金は返還されません。契約後すぐに契約を解除すれば問題ないと考える人もいるかもしれませんが、それは素人の甘い考えと言わざるを得ないでしょう。

加盟金を支払う際の注意点

注意したいのが、加盟金は基本的に返還されないということ。フランチャイズ本部と締結する契約書には、「加盟金はいかなる事由によっても返還しない」といった“加盟金不返還特約”が記載されていることがよくあります。

一度支払った加盟金は例外を除いて戻ってこないことがほとんどです。加盟契約を締結する前に加盟金を支払うとトラブルになることもあるので注意が必要です。フランチャイズ加盟契約を結んだのはいいものの、希望のエリアや家賃の物件に巡り会えないことは決して珍しいことではありません。これを理由に加盟を取り消したいと申し出ても、すでに加盟金を支払っていたら戻ってきません。

実際、800万円の加盟金を支払ったのち、上記の理由で契約を解除し、加盟金の返還を求めても返還されず、裁判に発展したことがありました。裁判の結果、600万円の返還が命じられましたが、残りの200万円は本部に支払われることになりました。もちろんこれらは契約書に記載されていることなので、事前にしっかりと確認しておく必要があります。 こういったトラブルに発展することもあり得ますので、不明点は納得のいくまでフランチャイズ本部に確認してください。

ちなみに、加盟金はクーリングオフ制度が適用されません。クーリングオフとは一定の期間内であれば無条件で契約の解除ができる制度ですが、そもそもクーリングオフは事業者と消費者という関係性が成り立っていることが前提です。フランチャイズの場合は、どちらも事業者ですからクーリングオフ制度の対象にはなりません。

加盟金が返却されるケースはある?

基本的に加盟金は返還されないと説明してきましたが、どのような場合においても絶対に加盟金が返却されないというわけではなく、実際に返却されたケースもあります。

たとえば、本部側の事情で事業がストップしてしまった場合、加盟後の研修が行なわれる前にフランチャイズ契約が本部側の意向で解約された場合、売上予測などの重要な事柄についての説明義務違反があった場合です。これらのケースでは、加盟金の返却または加盟金に相当する金額の損害賠償請求が認められる可能性があります。

契約する前にチェックしたいポイント

無用のトラブルを避けるためにも契約する前に次のポイントを確認しておきましょう。まず、契約期間と違約金です。契約期間は1年というところもあれば15年というフランチャイズ本部もあり、ブランドによって異なります。長すぎる契約期間は中途解約のリスクが高くなりますし、違約金が高すぎると解約したくてもできないというケースもあるので要注意です。

収支モデルも気をつけたいポイントで、本部が出している数字が現実的な数字とはかけ離れている可能性があります。シミュレーションであまりにも高い収益が設定されている場合は疑うのが無難です。

また、ロイヤリティについても注意しましょう。フランチャイズ本部によって固定方式や歩合方式があるので、どのような方式でどれくらいの金額になるのか要チェックです。そして、契約解除後に競合への転職や同業の会社設立を禁止する競業避止義務の有無も確認しましょう。禁止されていることに気づかずに、似たような事業をはじめてフランチャイズ本部に不利益を与えると訴えられるおそれがあります。

フランチャイズの加盟金の相場は?

お金

結論としては、フランチャイズの加盟金は数十万円から数百万円など、本部によってそれぞれ異なります。同じ業種や業態でも、加盟金にバラツキが出るのは珍しいことではありません。また、同じブランドでも加盟の条件によって加盟金が違う場合もあります。例としてコンビニの加盟金をみてみましょう。

コンビニの加盟金の例

セブン-イレブンの加盟金の内訳(Cタイプ250万円の場合)

たとえばコンビニの場合、セブン-イレブンは加盟金が250万円~300万円ですが、ローソンは100万円、ファミリーマートは加盟金が廃止され、元入金(両替金や商品代金の一部になる)の150万円が必要です。

研修費 50万円
開業準備手数料 50万円
開業時出資金 150万円

ローソンの加盟金の内訳(FC-Cnタイプ200万円の場合)

研修費 50万円
開業準備手数料 50万円
開業時出資金 100万円

ファミリーマートのケース(1FC-Cタイプ150万円の場合)

研修費 0円
開業準備手数料 0円
開業時出資金 1,000万円程度

セブン-イレブンとローソンでは50万円の差があり、ファミリーマートは契約タイプによって1,000万円程度の資金が必要になります。一概に金額の大きさだけでは判断できないものの、目安として覚えておきましょう。

独立開業やフランチャイズ情報をお届け!フランチャイズWEBリポート公式LINEはこちら

ほんとにゼロ円? 加盟金のさまざまな名目

加盟金のないフランチャイズもありますが、名目上加盟金とうたっていないだけ、別途さまざまな費用がかかる場合があります。また、加盟金など開業にかかった費用の税務上の項目名などについても説明します。

加盟金0円の秘密

なかには、加盟のハードルを下げる目的で、「加盟金0円」を謳っているフランチャイズ本部もあります。しかしその場合、保証金や毎月のロイヤリティの比率を上げてバランスを取っていることもあります。ほかにも、その他にシステム利用料といった別の名目で開業費にさまざまな項目が含まれていたりもします。

たとえば「研修費」・「宣伝費」・「施設使用料」・「店舗改装費」・「名義使用料」・「契約料」などの名目で費用が発生するケースもあるので、加盟金が0円だからといって安心はできません。 こういったことからも、加盟金の額だけを見て加盟するフランチャイズを選ぶのは避けたほうがよいでしょう。初期費用全体やロイヤリティをはじめ、毎月のランニングコストなども含めて検討するようにしましょう。

また、業種によっては加盟金が0円のところが一般的で、たとえばクロネコヤマトの配送スタッフFCなら加盟金は0円です。高齢者向けの弁当宅配サービスを行うライフデリも加盟金は0円です。

加盟金の会計処理について

フランチャイズ加盟金のように返却されない金銭については、20万円以上になると「繰延資産」として資産計上します。フランチャイズ加盟金の勘定項目は、税務上では「長期前払費用」「ノウハウ提供の頭金等」などを使い、原則5年間で償却計算を行います。契約期間が短い場合は、契約期間の年数が償却期間になります。

フランチャイズを選ぶ際は、加盟金の価値を見極めよう

フランチャイズの加盟金は、安いところでは50万円程度の業態もありますが、100万円以上の加盟金を必要とするのが一般的です。なかには、300万円以上するところもあるので加盟店側には大きな負担になりますが、本部からサポートを受けるためにも加盟金が欠かせません。

加盟金について理解を深め、フランチャイズごとに異なる加盟金の役割について見きわめる眼が必要です。フランチャイズビジネスで成功するためにも、まずは加盟金からチェックしてみましょう。

フランチャイズの加盟金とは?

記事は気に入っていただけましたか?
「いいね!」で応援よろしくお願いします

新着情報をお届けします♪