ラーメン屋の開業に必要な開業資金や資格についてご紹介!経営方法についても考えよう
日本の国民食でもあるラーメンは話題になりやすく、最近はラーメン屋だけを特集したメディアや書籍も多くあります。有名店はコンビニでカップ麺の販売なども行なっており、ラーメン屋を経営したい方にとっては憧れもあるのではないでしょうか。
今回はラーメン屋の開業を目指す方に向けて、開業に必要な開業資金や資格についてご紹介いたします。是非、参考にしてみてください。
ラーメン屋の経営において考えたいこと
ラーメン屋を長く続けることは、実はかなり難しいとされています。その理由は倒産などの割合が非常に高いからです。経営を成功させるにはどうすればいいのでしょうか。
ラーメン屋の倒産・閉店は多い
そもそも飲食店という業界自体、ほかの業界に比べて廃業率が高くなっています。その中でもラーメン屋は非常に倒産の割合が高いとされています。
理由として、ラーメン屋は全国でおよそ1万8,000店もあると経済産業省の調べで発表されており、非常に競合が多い点が挙げられます。2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、1月から9月までの間で過去2番目に多いとされる34件もの倒産が報告されました。
特に話題となったのが、神奈川県発祥の横浜家系ラーメンの「六角屋本店」の倒産です。六角屋本店は全国的にも有名で、ラーメン博物館やカップ麺の販売もしたほどの実績を持っていました。
また、日本のラーメンは国内外問わず人気でインバウンド需要も高かったため、コロナ禍で外国人観光客の減少が続く現在は厳しい状況に陥っているところも少なくありません。
どうすればラーメン屋の経営を成功させられる?
有名店であっても油断ができないラーメン屋の経営を成功させるにはどうすればいいのでしょうか。ポイントとなる点として3つのことが挙げられます。
飲食店のデフレ対策
格安の飲食チェーン店が増えている現代では、ラーメン屋の価格競争も激化しています。しかし、ラーメン屋はメニュー数が多くなく、具材なども比較的シンプルに見えるものの、選ばれるお店になるためにはスープに材料や時間を注がねばなりません。
ラーメンは取り扱っている商品の都合上、価格を下げることが難しいというデメリットがあります。そのため、競合との差別化が必要不可欠です。
飲食市場の状況に対応させる
飲食店のデフレ以外に、最近はコンビニやデパ地下、テイクアウト専門店など中食の需要が高まっており、外食店の利用率が下がっていることも問題のひとつです。
また、出前やウーバーイーツなどのデリバリー需要が高くなっており、ラーメン屋も実店舗だけでなくデリバリー対応を考えることが重要といえます。
コスト管理
近年は人件費や材料費の高騰も経営に大きな影響を及ぼしています。特に人件費は経営資金の多くを占めており、少子高齢化に伴い、生産労働人口そのものが減少。時給が高くなければ人出が集まらない傾向にあり、人件費は高騰してます。そのため、賃金の見直しや労働環境の改善を迫られている店舗が多くなっています。
これらの問題どれかひとつではなく、全てを解消することがラーメン屋の経営成功には必要です。経営計画を建てる際には、必ず考えておきましょう。
フランチャイズ経営という選択肢
個人開業の場合、経済産業省の中小企業白書ではラーメン屋は開業から5年で生存率が42%以下と半数を切っています。しかし、フランチャイズの場合、5年生存率がおよそ65%となり、23%も上昇しています。
フランチャイズの大きなメリットとして、既に知名度が高いブランド名を看板に使えること、経営ノウハウについて学べることなどがあります。しかし、それだけでなく開業支援として麺やスープの提供を行い、屋号が自由にできるステルスフランチャイズもラーメン屋には多くなっています。
自分の店として名前を付けたいという方は、ステルスフランチャイズの加盟を検討してみるのも手段として考えてみてはどうでしょうか。
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ラーメン屋の開業に必要なものは?
ラーメン屋の開業に必要な準備
まずは経営の計画を立てます。飲食店での業務経験がない場合、実際にどのような業務が経営上必要なのかを知るところから始めなくてはなりません。
経営の計画では、ターゲットとなる顧客層、店舗の場所、営業時間、資金や利益についても具体的に考えます。ラーメンを作るための材料を調達する手段やルートの確保も必要です。
また、飲食店は食品衛生法に基づいて営業許可の要件を満たさなくてはなりません。具体的には消防署や保健所と相談をしながら決めていくと良いでしょう。
ラーメン屋の開業に必要な資金
開業に必要な資金には、開業前に店舗や設備にかかる資金と、開業後の運営に必要な資金の2種類があります。
開業前にはまず、店舗を借りるための資金、調理機器や食器、調理器具などの什器費、内外装費、電気・ガスなどの設備工事費が必要になります。工事は坪単価でおよそ40万~50万円が相場とされています。
仮に10坪の物件を敷金80万円で借りた場合、工事費用が1坪40万円と考えて400万円となり、合計480万円。設備にも400万~500万円ほど必要になるため、900万円ほどは必要になります。
運営には初月の場合、家賃のほか、場合によっては礼金や仲介手数料が発生します。材料費、人件費、光熱費などを入れると、300万円ほどが相場とされています。
よって開業資金は1,200万円ほど必要になります。
しかし、オープンしてすぐに売上が軌道に乗るとも限らず、とはいえ仕入れなどにもお金は必要になってくるので、半年分以上などなるべく長期の運転資金を用意できておいたほうが安心です。
ラーメン屋開業に必要な資格
飲食店の経営に必ず必要な資格は「飲食店の営業許可書」です。営業許可書は最寄りの保健所に申請をすれば得られます。しかし、申請には食品衛生責任者、栄養士、調理師、菓子衛生士のうちいずれかの資格を所有していることが条件になっています。
もっとも簡単に取得できる資格は食品衛生責任者です。6時間の講義を受講すると取得が可能なので、資格を持っていない方はまず最寄りの食品衛生協会が実施する講習を受講しましょう。なお、資格取得には1万円程度の費用が必要です。
ラーメン屋の開業で役立つ資格
もし店舗が30人以上収容可能な広さの場合、防火管理者の資格も取得しなければなりません。この30人という数には客席だけではなく、従業員も含まれています。
防火管理者は店舗の延べ床面積によって種類が異なり、300㎡以下は「乙種防火管理者」、300㎡以上は「甲種防火管理者」の資格が必要です。資格の取得には消防署で講習を受ける必要があります。乙種は1日、甲種は2日の受講になり、受講費用はおよそ5,000円です。
また、ラーメン検定という検定も存在します。全部で4階級あり、取得すると階級に合わせた称号が得られます。ラーメン屋経営に必須の資格ではありませんが、もしあればお客さんとのコミュニケーションにも役立つかもしれませんね。
ラーメン屋の収益シミュレーション
収益のシミュレーションは経営に必要な費用を考える上でも重要なので、必ず考えておきましょう。
仮に10席の客席で毎月200万円の売り上げを目標にしている場合、客単価を800円で月に26日営業すると200万円÷(客席10×客単価800×26)=9.6となります。そのため、1席10人を1日に回さなくてはなりません。 目標売上は客単価、営業日数のほか、席数や回転率などから実現可能な数値を出すようにしましょう。
ラーメン屋経営には長期的な戦略を練ろう
中小企業庁等の調査ではラーメン屋は開業後の廃業率が70%を超えるともいわれているため、開業そのものよりも経営を続けることが非常に難しいといえます。しかし、フランチャイズであれば廃業率30%に抑えられると言われており、人気店の安定した商品を提供できたり、経営未経験者が多いラーメン屋開業者の経営サポートをしてくれたりと、生存率がアップします。
個人店のようなラーメン屋がいい、という方は看板を自由につけられるステルスフランチャイズなどもあるため、目的に合わせて調べてみるといいでしょう。
気になる方は一度、ラーメン屋のフランチャイズ資料を取り寄せて比較してみることをおすすめします。
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